CD

ザ・ラスト・レコーディング〜ブルックナー:交響曲第4番『ロマンティック』、シューベルト:交響曲第5番 ヴァント&北ドイツ放送響(インタビュー付き)

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
BVCC34047
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
CD

商品説明

ザ・ラスト・レコーディング〜ブルックナー:交響曲第4番『ロマンティック』、シューベルト:交響曲第5番 ヴァント&北ドイツ放送響(インタビュー付き)

・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』第2稿(ハース版) [73:03]
・シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D.485 [29:26]
 北ドイツ放送交響楽団
 ギュンター・ヴァント(指揮)
 2001年10月28〜30日、ハンブルク、ムジークハレ

・「音楽に身を捧げて」ギュンター・ヴァント・ラスト・インタビュー [35:21]
 ヴォルフガング・ザイフェルトとの対話
 2001年11月30日、スイス、ウルミツのヴァント宅にて収録

許光俊 (『世界最高のクラシック』より抜粋掲載)

...頭の部分をちょっと聴いて、まず「あれ?」と不審に思う。あのヴァントならではの精密感がない。やはり老齢ゆえ、くたびれてしまったのか。
 その代わり、明るい。不思議に明るい。この演奏の聴きどころは、第1楽章の後半以降から始まる。音楽がだんだんミステリアスになってくる。もう、かつてのヴァントのように、考え抜いた音を厳格に配置するといった強い音楽ではない。音は、考え抜いてそこに置かれるのではなく、飄々と鳴っている。
 第二楽章は、驚くべき静寂さを持ち、まるで静かな和室で墨絵を鑑賞しているかのようだ。あらゆる音に愛情が込もっている。オーケストラがひとつの楽器として演奏している。誰も、どの楽器も突出しない。沈黙の深さにも打たれる。これこそ、生命の最後の最後でなければ演奏できない音楽だ。こんな音楽を聴いていると、時間が止まってしまう。  第四楽章のコーダも感動的だ。力がすっかり抜けている。力みはまたくない。金管楽器がよけいな表情もなく演出もなくゆっくり上昇するだけで、なぜこれほどまでに澄み切った、切々とした音楽になるのか。
 この部分はチェリビダッケで聴くと一歩一歩踏みしめるように登っていくという感じがする。でも、このヴァントの演奏では軽やかに、まるで雲が上昇するかのように奏される。チェリビダッケの演奏が、まるで世界中が動き出すかというほど強烈ゆえ、私はこの部分を他の演奏家で聴いて満足することがほとんどなかった。が、ヴァントの演奏を会場で聴いたときには、思いもかけない軽やかな、空気のような音楽に驚くと同時に深い感銘を与えられた。こんなやり方があったんだと思った。
 ヴァントがこんな風に演奏したことは、今までなかった。ハンブルクでこの演奏が行われる少し前、彼はミュンヘンでも同じ曲を演奏したが、まったくこんなではなかった。本当に最後の音楽という感じがした。しばらくして彼の訃報に触れたとき、その印象が正しかったことがわかった。  このとき、前半にはシューベルトの交響曲第五番も演奏された。シューベルトはヴァントのお得意の作曲家だった。この第五番も、最晩年とはいえ軽快なテンポで、しかし急ぎすぎず、各部分の意味を明らかにしながら進んでいく。第二楽章など、まさにたそがれの美しさと言うほかない。幽玄という言葉がふさわしい。
 このブルックナーとシューベルト、大芸術家の白鳥の歌といって、まったく過言ではないだろう...(『世界最高のクラシック』より)

内容詳細

2001年の10月にハンブルクで行なわれた、ヴァントの生涯最後の演奏会のライヴが登場。つまりラスト・レコーディングである。いろいろな素材をきっちり彫琢しつつ、余分なものを削ぎ落としていく。そこに厳しさと清冽さが生まれる。ヴァントらしい遺言。(教)(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

総合評価

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『ロマンティック』に関しては私が絶賛する...

投稿日:2009/06/24 (水)

『ロマンティック』に関しては私が絶賛するまでもないと思うので、シューベルトについて書きます。まるで軽やかな足取りで散歩にでも出かけたような出だし。楽しく、うきうきした気分で、思わず駆け出してしまったような終楽章。ピリオド・アプローチ全盛の中、軽やかだが確固たる足取り…この時期のヴァントにしか表現できなかったのでは、と思います。

masato さん | 新潟県 | 不明

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僕は“白鳥の歌”という結果論的感情移入は...

投稿日:2008/12/03 (水)

僕は“白鳥の歌”という結果論的感情移入はあまり好まない。そういう虫眼鏡で見なくてもこの演奏は間違いなくすばらしい。何といってもシューベルトの若々しいリズムと澄み切った叙情!私はミュンヘンフィルとのハイドンを生で聴いたが、その感触に近い感動を覚えた。 ブルックナーはもう音があるべきところであるべきように鳴り響く演奏。確かに力みが抜けているため一層自然に響く。あっさりし過ぎと感じる向きもあるだろうが、これはこれでこの曲のひとつの理想的再現だ。

MGG さん | 東京都 | 不明

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↓評価訂正します。再生機器の設定を変えた...

投稿日:2008/07/01 (火)

↓評価訂正します。再生機器の設定を変えたら見違えるような良い音になりました。すみませんでした。明るいだけの第1楽章ではなく、深い呼吸が感じられ、陰翳に富み、ほの暗い森にいるような感覚に陥りました。第1楽章終結部の豊かでしみじみした情感はこの演奏に慣れると他が物足りなくなりますね。第4楽章も素晴らしい。録音も中低音を重視したしっかりしたもの。ティンパニの強打も綺麗に録れてます。これは素晴らしい。もう毎日聴いてます。

般若ちゃん さん | 東京 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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