●『1990〜2000年代 90年代も、これまでと変わらず、コンスタントに製作、『ロリータ』などの傑作も生まれましたが、これといったヒット作品は少なくなってきました。ですが、89年の『ニュー・シネマ・パラダイス』の素晴らしいスコア、さらに映画自体も大ヒットしたことで、映画音楽の作曲家としての位置付けを確立、過去にリリースされていた名盤が続々とCD化されました。中でも『盗みのプロ部隊』や、『ある夕食のテーブル『、そして、10枚組の限定ボックス・セット『エンニオ・モリコーネ・クロニクル』など、ファンには嬉しいCD化が多くありました。そして、特筆しておかなければならないのが、『海の上のピアニスト』。『ニュー・シネマ・パラダイス』以来の空前の大ヒットを遂げ、HMVサウンドトラック・チャートで、何ヶ月にも渡り1位をマーク。スコアよりもオムニバス形式のサウンドトラックが人気の高い今、スコア盤が、これだけのヒットを成し遂げたのは、近年稀です。モリコーネの美しいメロディーが、人の心を捉えたのは紛れもない事実なのです。また、90年代からのサバービア・ムーヴメントが起こり、渋谷系などと呼ばれる、’お洒落なサウンド’としても、モリコーネの楽曲が脚光を浴びました。60年代のイタリア映画音楽などからコンパイルした、コンピレーションも人気となり、その勢いは、今だ続きそうな気配です。60年代から2000年まで、人々を感動させる音楽を造るモリコーネ。彼の存在は、映画音楽の歴史上、欠かせない素晴らしい作曲家です。先ごろリリースされたベスト盤 『リトラット・ドゥ・オートレ』にはスキャットをフィーチャーした最高傑作ばかりが収録されています。 これまでにCD化されていない日本未公開映画を含むスコアも、まだまだ沢山。今後のCD化を願うばかりです。 膨大な作品を残しているため、このページで紹介しきれず、触れていない作品もあります。
そして2003年、NHK大河ドラマ『武蔵-MUSASHI』の音楽を外国人としてはじめて担当することになり注目を集めています。本年はモリコーネ作品が再び注目され、ベスト盤をはじめ関連作品がリリースされています。中でも人気は、
モリコーネの人気シリーズ3枚に、スペシャルCDが付いた豪華BOX(初回生産限定〉『Ennio Morricone Box』、日本で話題になった曲のみ集めた日本むけベスト・オブ・ベスト・コンピレーション『New Cinema Paradise - The Most Beautiful Melody 』、ジャズのピアノ・トリオでモリコーネ作品集『Waltz For A Future Movie - Play Morricone 2 』です。また最新ベストは、EMI、Virgin等の音源を収録し、モリコーネの代表作を網羅した『Best Of 』が5月21日にリリース予定です。
この機会に、世界中の人々の心に残る感動的なメロディーを紡ぎ続ける映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネ作品に触れてみてはいかがでしょう。