静寂の中でゆっくりと進行する沈黙の美学
オッフェンバウアーの『破壊 - 部屋/現在』
徹頭徹尾、静寂の中でゆっくりと進行する沈黙の美学とも言うべき音楽。弦楽四重奏とピアノによる版は弦楽器のフラジオレットの高い音が霞のように静かにたなびく中、時折りピアノのアルペジオが最弱音でつまびかれまする。これが延々50分も。
ピアノ・ソロ版はピアノ・パートのみの演奏。最弱音で奏されるアルペジオがペダルで伸ばされ静寂に溶け入って行くプロセスに、聴き手は空間と同化するかのように錯覚することでしょう。モートン・フェルドマンに次ぐ静寂と沈黙の美学を体現する瞑想的な作品です。傾聴するもよし、BGM、家具の音楽として聴くもよし、メディテーションにも最高(?)。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
● オッフェンバウアー:破壊 - 部屋/現在 2000〜弦楽四重奏とピアノのためのコンサート版
ヨハネス・マリアン(ピアノ)
ディオティマ四重奏団
Disc2
● オッフェンバウアー:破壊 - 部屋/現在 1999〜ピアノ独奏版
ヨハネス・マリアン(ピアノ)
録音:2019-2020年