日本語解説付き
記念年ならではの異色充実盤、「低音のタルティーニ」が登場!
現代イタリアを代表するチェロ奏者のひとりマリオ・ブルネロが近年、アマティのモデルにもとづく独特の小型チェロで古楽研究的アプローチもさかんに試みるようになっているのは見逃せません。ヴァイオリンと調弦が同じでオクターヴ違いの低音が鳴るこの楽器を用いて、彼がバッハの無伴奏ヴァイオリン曲集を録音し大きな成功を収めたのも記憶に新しいところ。同じ楽器で今度は故郷イタリアの重要作曲家に向き合ったアルバムをリリース。しかも選曲にこだわりありの注目企画です。
バッハよりも少し後、1692年生まれのジュゼッペ・タルティーニは今年(2020年)が歿後250周年。その作品は自らが抜群の演奏能力を誇ったヴァイオリンのためのものがほとんどですが、ごくわずかながら低音弦楽器のために書かれた作品もあり、チェロの巨匠たちから愛されてきました。しかし本盤でブルネロは、最新の音楽学知見も参照しながら、ヴァイオリンのための作品も上述した小型4弦チェロで演奏。さらにテレマンの無伴奏ガンバ曲集と同じコレクションに含まれ、近年発見されたというガンバのための作品もとりあげ、門弟による合奏協奏曲編曲なども交えて、興趣のつきない選曲でタルティーニの世界を縦横無尽に駆け巡ります。
協奏曲での共演は、ブルネロとカルミニョーラによる二重協奏曲アルバムでも名演を聴かせてくれたイタリアのピリオド楽器アンサンブル。充実した解説も添えられており、記念年ならではの意欲的企画で、タルティーニの思わぬ低音世界を発見できる1枚です。(輸入元情報)
【収録情報】
● ヴァンディーニ:チェロ協奏曲ニ長調
● タルティーニ:ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ト短調
● タルティーニ:ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ 変ロ長調
● タルティーニ:4声のソナタ ニ長調 GT 5.D01
● タルティーニ:チェロ協奏曲イ長調 GT 1.A28
● タルティーニ:チェロ協奏曲ニ長調 GT 1.D34
● メネギーニ:合奏協奏曲(コンチェルトーネ)第3番ハ長調〜タルティーニのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ Op.1-3, GT 2.C11による
マリオ・ブルネロ(4弦チェロ・ピッコロ)
使用楽器:ブレーシアのフィリッポ・ファセル2017年製作による再現古楽器/クレモナのアントニオ&ジローラモ・アマティ1600-1610年製作モデルによる
アカデミア・デッラヌンチアータ(古楽器使用)
リッカルド・ドーニ(チェンバロ、指揮)
録音時期:2019年11月19-23日
録音場所:イタリア、ミラノ近郊アッビアーテグラッソ、サン・ベルナルディーノ教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
輸入盤国内仕様(日本語解説付き)
チェロ奏者のブルネロ、指揮者でチェンバロ奏者のドーニによる、イタリアの古楽作品を収録したアルバム。小型で4弦のチェロ・ピッコロを用いて、18世紀に活躍したヴァンディーニやタルティーニ、メネギーニの作品を取り上げる。(CDジャーナル データベースより)