ベートーヴェン(1770-1827)

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Hi Quality CD 輸入盤

交響曲第9番『合唱』 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー&ベルリン・フィル(1942年4月19日)

ベートーヴェン(1770-1827)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
KKC4288
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
Hi Quality CD
その他
:
輸入盤

商品説明


フルトヴェングラーの運命を左右した歴史的ドキュメント。
空前絶後の『第九』ライヴ。UHQCDでさらに音質UPされて再登場!


演奏は「ものすごい」の一語に尽きる。・・・指揮者もオーケストラもいつもとは気の入れ方がちがう。ときには狂気の凄味を見せる。(宇野功芳、『レコード芸術』誌「新譜月評」より)

1942年4月、戦況の悪化のなか、国民統合の象徴としてフルトヴェングラーに総統誕生祝賀演奏会を指揮させようと画策した宣伝大臣ゲッベルスの圧力の前に、それまでほかに演奏スケジュールを入れ要請を断っていたフルトヴェングラーもついに屈服、ナチス党旗を前にして指揮する羽目に陥りました。この日の演奏はドイツ全土にラジオ放送されたため、ラジオ中継音源が遺ることに。演奏の終楽章一部はナチスの宣伝用ニュース映画に撮られました。フルトヴェングラーとしては不本意ながらの指揮であるはずなのに、戦時下、ナチス党幹部を背にしての極限状態のなかで行われた指揮は、「メロディアの第九(同年3月のライヴ)」をも凌ぐ激しさ! ヒトラーに対する怒りの爆発ではないかとも思われ、まさに凄絶の極みです。すさまじいまでの集中力と緊迫感で応じるベルリン・フィルの合奏力は文句なし。怒涛の進撃、熱狂の迫力、『第九』への崇高美がきわだつ空前絶後のライヴです。
 音の良さで話題を集めた「VENEZIA」から音源提供をうけて、2014年にキング関口台スタジオでリマスタリングして初の国内盤を発売(キングレコード、KICC1158)。いまは入手難になっておりましたが、このたびキングインターナショナルから「高音質CDの決定版」であるUHQCD仕様にして再発売! 80年前とは思えない驚愕の音で、「世紀のドキュメント」をご確認ください。
 初出となった国内盤は『レコード芸術』誌で推薦を獲得しました!

【『レコード芸術』(音楽之友社刊)2015年1月号「新譜月評」より 宇野功芳推薦】
1942年4月19日、ヒトラー生誕記念日前夜祭のライヴ。終楽章のラストのみ映像が出ているが、あとは初出。拙著「ベートーヴェン不滅の音楽を聴く」では51年、52年、53年盤を同列1位に挙げたが、いま、この42年盤をそこに加えたい。同年3月の定期公演ライヴは問題にならない。
 録音はノイズが多く、一種異様な音も入っている。ヒトラーの妖気か狂気か。演奏は「ものすごい」の一語に尽きる。56歳のフルトヴェングラーは若い。当然第3楽章などは後年の神技におよばないが、他の部分は荒れ狂っている。第1楽章の冒頭主題はいちばん遅いかも知れない。テンポは絶えず流動、しかし音楽の呼吸と一致しているため、不自然ではない。他の指揮者ならこわくて出来ないような大きなリタルダンドも現われる。それよりも何よりもベルリン・フィルの必死のひびきとその鳴り具合が尋常ではない。指揮者もオーケストラもいつもとは気の入れ方がちがう。ときには狂気の凄味を見せる。
 円熟味不足の第3楽章はそれゆえにこそ感情があふれ切っている。そして終楽章! 爆発だ! 大爆発だ!! テンポは常に切迫する。オーケストラだけのフーガは果てしもない加速で突撃、コーラスの二重フーガからラストまでは大迫力の連続となりティンパニはたたきつけ、コントラバスはうなり、ついにプレスティッシモでは全員が地ひびきを立てながら突進する。」(販売元情報)

【収録情報】
● ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』


 エルナ・ベルガー(ソプラノ)
 ゲルトルーデ・ピッツィンガー(アルト)
 ヘルゲ・ロスヴェンゲ(テノール)
 ルドルフ・ヴァッケ(バス)
 ブルーノ・キッテル合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)

 録音時期:1942年4月19日
 録音場所:ベルリン、旧フィルハーモニー
 録音方式:モノラル(ライヴ)

 アドルフ・ヒトラー総統誕生記念日前夜祭コンサート
 音源提供:VENEZIA
 日本語帯・解説付

ユーザーレビュー

総合評価

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「ヒトラーの第九」という呼び名は本当にや...

投稿日:2021/12/03 (金)

「ヒトラーの第九」という呼び名は本当にやめてください。  シュタイナーさんの意見に大賛成です。  ナチスが政権を取って以来、ユダヤの人たちや、ナチスに批判された人たちを守る努力を続け、公然と異議を唱えた唯一の文化人だったのがフルトヴェングラー だった。にもかかわらず、戦後も一部の激しい攻撃を受け続け、不条理な10年間を生きなければならなかった。  亡くなってやがて70年にもなるというのに、まだ誤解を招くような書き方をされたのでは、ご本人に代わって嘆きたくなる。  勿論悪気で付けたネーミングではないとは理解している。CDケース内蔵のブックレットには、中川右介さんの要点を押さえた論説が掲載されていて、これを読めばフルトヴェングラー の事情に詳しくない方でも、ヒトラーとの関係を理解してもらえるだらう。  だが、オビだけではなくケースの背表紙にまで「ヒトラーの第九/フルトヴェングラー 」と表記されていては、店頭で見ただけの人には誤解を与えるだろう。何より、このネーミングが一人歩きして欲しくない。  ( ついでだが、今だに言われ続けている「ウラニアのエロイカ」もやめましょう。フルトヴェングラー にとってピッチの狂ったレコードは我慢ならなかった。本来の音程とテンポの演奏記録は、戦時下のエロイカ、あるいは、1944年のウィーンフィルによるベートーヴェンの交響曲第三番、で良いのではないでしょうか?)  ブックレットの内容についてもう一つ書きます。  この演奏についての宇野功芳さんの過去の批評が掲載されています。宇野さんらしい激賞、劇評でちょと笑ってしまいますが、一点同意出来ない事がある。  この演奏と比較して、ほぼ一か月まえ、1942年3月の演奏を、「問題にならない」と切り捨てている。  3月の演奏は当時のベルリンフィルの充実度、気合のこもった激しさなど、決して4月19日の演奏に引けを取らない。さらに静謐な気品さえ感じさせるものだ。録音の良さを含めると、戦時中の第九として、どなたかに薦めるとしたら、断然こちらになる。  宇野さんが、あくの強い主観一本の批評を書くのは自由だし、私も愛読していたが、CDのブックレットを読んだ方が、それによって3月のかけがえのない演奏を無視されないよう、反論を書かせて頂きました。  販売元に苦言を書いてしまいましたが、KING INTERNATIONALさんには感謝する事が多い。特にtahraの音源を復刻して下さっているのはありがたい。最近も、スウェーデン放送音源を発掘する貢献がありました。フルトヴェングラー ファンには、なくてはならないレコード会社です。 ありがとうございます。  さいごに、このCDの音楽的内容について。  フルトヴェングラー の戦時中のライブ録音は、当時ドイツのメーカーによって大幅に改良された磁気テープによって、驚くほど良い音で残された。その中でこの録音は、なんで?と思うほど良くない。けれど真剣に聴き続ければ、そこそこのものが聴こえてくるから不思議だ。演奏に力があるからだろう。特に第四楽章に入ると、十分とまで思えてしまう。 ただ、やや高音が強調された音なので、第四楽章出だしのティンパニーが会場をつん裂くように突き刺さってくる。それも、物凄いという印象を与えている要因だと思う。物凄いには違いないが、ものすごく爆発しちゃっているように聴こえるのだ。同年3月の演奏をtahra盤で聴くと(ベルリンフィルレーベルのSACDもあるが、この曲に関してはtahra盤の方が力強い音だ)やはり物凄いが、爆発はしていない、ティンパニーの音がする。 このCDの一番の良さは特別なライブ感だ。  開始前の会場音は、観客のマナーの悪さを想像させる。当然ながら、ナチス党員が大半だっただろうし、なかには傍若無人な者もいたかもしれない。フルトヴェングラー も、騒然とした音が止むのを待っているような気配をかんじるが、 やがて指揮棒を静かに下ろし始める(多分)。  音楽が始まれば、全てを忘れ音楽だけに没頭する。  ベートーヴェンが第九に込めた思い、特に第四楽章で伝えたかった思想はヒトラーの考えとは対極にある。あなたたちは、このベートーヴェンをどう聴いているのか?という思いがよぎったとしても。  終演後の拍手は整然としている。 私は妄想してみる。  ナチス党員の全てがヒトラーに傾倒していたわけではなかった。組織内からの暗殺計画は多数あり、1944年には失敗したとはいえ、実行にうつされている。  1942年のあの日、フィルハーモニアの会場にいた誰かがその暗殺実行者の中にいなかっただろうか。  ベートーヴェンは、そしておそらくフルトヴェングラー も 、芸術の力が人間性を高めると愚直なまでに信じられる人間だった。  1945年1月、フルトヴェングラー はついに亡命を覚悟し、スイスへとのがれる。ゲシュタポがいよいよフルトヴェングラー の逮捕を決定した情報を知らせてくれたのはナチスの高官だった。少なくともその瞬間、芸術の力がヒトラーを、政治を超えたのだ。  このCDの最大の価値はやはり歴史的ドキュメントの記録だという事にある。  できるだけよい状態で世に送り出そうとしてくれたメーカーさんにあらためて感謝です。  それにしても、こういう音源が発掘され、さらに再発される。フルトヴェングラー ならではの事だろうか。ずっと聴き継がれてほしい。  ナチス政権下でドイツに留まり演奏を続け、戦後には、巨匠とか、孤高の天才とか、帝王とか言われるようになった指揮者は他にも何人かはいる。  しかし、公然とナチスと対立し、多くの命を守る努力を続け、稀有の名演奏を残した指揮者は、フルトヴェングラー ただひとりだった。    

mimia さん | 石川県 | 不明

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メーカーはいい加減帯から「ヒトラー」を外...

投稿日:2021/11/21 (日)

メーカーはいい加減帯から「ヒトラー」を外した方が良いと思う。 抑も、1942年4月19日の此の演奏の場に彼は居なかったのだから。 此のCDに関しては、やれ「音が聴くに堪えない」とか、「演奏そのものがフルトヴェングラーじゃないのではないか?」等、悪評ばかりである。 確かに冒頭の演奏開始前の会場ノイズは酷い。 だが、其れも「歴史的記録」の一部(会場の雰囲気・緊張感がダイレクトに伝わる)なのである。 然し、演奏は紛れもなくフルトヴェングラー節全開である。 あの有名な1951年のバイロイト盤のラストで加速するスタイルが既に此の時点で表れている。 演奏全体の印象を一言で言い表すならば、真に「壮絶」である。 ティンパニは荒れ狂い、弦楽器は弦も裂けよとばかりである。金管の咆哮、そして合唱は「一球入魂」、兎に角「凄まじい演奏」の記録である。 帯の「ヒトラーの」と言う文字に「脊髄反応」して、此の演奏を虚心に聴く事が出来ない人は実に気の毒である。 此れは、フルトヴェングラーの数ある「第9」の中でも、バイロイト盤に勝るとも劣らない「名演」だと思う。 近頃、買っても「期待外れ」のCDが多い中で、此のCDは久方ぶりに「買って良かった」と心から納得できる演奏だ。 迷っている方、絶対に買うべきです!

シュタイナー さん | 千葉県 | 不明

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あまりにも歴史的というか政治的な先入観が...

投稿日:2015/03/09 (月)

あまりにも歴史的というか政治的な先入観が入りすぎて純粋に音楽だけを聴くことが出来ない。 フルトヴェングラーの理想とする第9番の演奏は果たしてこのようなものなのだろうか? 雷が何度も落ちるような激しさや打楽器の嵐のような響きに圧倒される。

ユローヂィヴィ さん | 大阪府 | 不明

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ベートーヴェン(1770-1827)

1770年12月17日(16日?):父ヨハン、母マリアの次男としてドイツのボンに誕生。 1778年:7歳でケルンでの演奏会に出演。 1781(1782?)年:クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに師事。 1800年:交響曲第1番を宮廷劇場で指揮。 1804年:交響曲第3番『英雄』を発表。 1805年:交響曲第5番『運命』、交響曲

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