大成功した話題の新作オペラ、ボスマンスの『ジュリー』DVDで登場!
2005年にベルギーのモネ劇場とウィーン芸術週間、エクサン・プロヴァンス音楽祭の共同制作で上演され、大きな話題となったボスマンスの『ジュリー』がDVD化。原作は、ストリンドベリの戯曲『令嬢ジュリー』で、オペラ用に大幅にシンプルにした台本は、演出家のリュック・ボンディと、夫人で演劇界で活躍する演出家でもあるマリ=・ルイーズ・ビショフベルガー(ビショフベルジェ)が作成。
貴族の父と平民の母の間に生まれた伯爵令嬢ジュリーは、最近、先方から婚約破棄されたばかりの傷心状態で、使用人たちの世界に堕ちる状況を妄想したりしていましたが、そんなおり、上昇志向を持ち、年上の料理女クリスティンを婚約者に持つ召使ジャンの策にはまり、夏至祭の日に召使部屋で関係を持つことになってしまいます。関係を結んでからはジャンの態度は一変、ジュリーは変わらずジャンの体を求めましたが、ジャンはスイスでホテルを経営するなどといった自分の夢を話し、そのためにはどうしても資金が必要だと力説、ジュリーに対して父親の金を盗むように頼み込みますが、自分にはそんなことはできないと拒否する彼女に対し、もはや利用価値無しと判断したジャンは彼女にカミソリを手渡し、ショックと絶望のあまり、ジュリーはそのままのどをかき切って死んでしまうという筋書きです。
あまりにも現実的で、むき出しになった男女のエゴが象徴するある種の階級間闘争が、実社会の階級間闘争と重複して描かれるストーリーは有名で、各国演劇界で長年に渡って定番レパートリーとなっているほど。
クラシック音楽の世界でも、アメリカのネッド・ローレム、イギリスのウィリアム・オルウィン、スウェーデンのテューレ・ラングストレムといった作曲家がすでに取り上げていました。
ベルギーの作曲家フィリップ・ボスマンス(ボスマン、ブースマンスとも)は、この筋書きのイメージを、3人の歌手と、18人からなる小編成のオーケストラという組み合わせによって見事に音楽化、75分ほどの長さという手頃なサイズに収め、高名なリュック・ボンディによるカラフルでわかりやすい舞台との組み合わせにより、緻密で効果的な心理描写で大成功を収めています。
当DVDに収録されているのは、エクサン・プロヴァンス音楽祭での上演。全て初演と同じメンバーで、作曲者も絶賛の大野和士による完璧な作品把握と強力な統率のもと、自信に満ちた上演となっています。
【収録情報】
・ボスマンス:歌劇『ジュリー』全曲
マレナ・エルンマン(S:ジュリー)
ゲイリー・マギー(Br:ジャン)
ケルスティン・アヴェモ(S:クリスティン)
モネ劇場室内管弦楽団
指揮:大野和士
演出:リュック・ボンディ
映像監督:ヴァンサン・バタイヨン
収録:2005年7月、エクサン・プロヴァンス音楽祭(ライヴ)
画面:カラー、16:9
音声:PCMステレオ、ドルビーデジタル 5.0、DTS 5.0
字幕:英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語
NTSC
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