ヴォロドス・プレイズ・モンポウ

フェデリコ・モンポウ：ピアノ作品集
アルカディ・ヴォロドス

以前、静かなブームとなって話題を呼んだ20世紀スペインの作曲家、フェデリコ・モンポウ(Federico Mompou 1893-1987)の生誕120周年を祝い、名手ヴォロドスがその作品紹介を意図してアルバムを制作しました。
　収録作品は、モンポウの代表作『ひそやかな音楽』からのセレクションと、前奏曲、子供の情景などの主要作品で、これにヴォロドス自身の編曲により、モンポウの歌曲２曲が加えられています。
　ヴォロドスは超絶技巧の持ち主ということもあり、これまで主にヴィルトゥオーゾ的なレパートリーで注目を集めていましたが、ここでは、スタティックで思索的な作風の作曲家ともいわれるモンポウの音楽に取り組み、また違ったピアノ音楽の魅力を聴かせてくれます。
　実際、かつてのモンポウ・ブームの時には「スペインのサティ」と呼ばれたりしていたものですが、今、改めて聴いてみると、その音楽のスタイルにはドビュッシーやサティの影響を受けた初期の作品から、東洋音楽の影響なども経て、独自のアルカイックな簡素さに到達した晩年の作品にいたるまで、一貫して、モンポウならではのパーソナリティが作品に刻印されていることに気づかされます。
　ヴォロドスはモンポウの作品について「それぞれが驚くべき作品であり、ピアノ曲に新たな局面を開いた重要な意味合いを持っています」と語り、リサイタルでも何度もとりあげてきました。ヴォロドスの完璧なテクニックは、モンポウの音楽を純度高く表現し、それぞれの作品の繊細な表情や個性的なハーモニーの移り変わりを見事に示しすことに成功しています。（ＨＭＶ）

【収録情報】
モンポウ
・前奏曲第7番 (Palmier d'etoiles)
・『君の上には、ただ花ばかり』（ヴォロドス編）
・子供の情景
・『今日、大地と太陽が私に微笑む』（ヴォロドス編）
・湖（『風景』より）
・喜びを見いだすために（『魔法』より）
・前奏曲第7番
・ダイアローグ I-II
・『ひそやかな音楽』より第1,2,27,24,25,11,15,22,16,6,21番

　アルカディ・ヴォロドス（ピアノ）

　録音時期：2012年10月、12月
　録音場所：ベルリン、テルデックス・スタジオ
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）