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ユリイカ 2023年 3月号 特集 パク・チャヌク

Eureka

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784791704286
ISBN 10 : 4791704282
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

最新作『別れる決心』 2月17日公開!
「私の人生は、作品と重なってはいません」。例えばユカギールの狩猟者にとって模倣(ミメーシス)という行為は、対象への限りない接近の試みであると同時に、同一化の拒絶でもある。映画もまた、接近と拒絶の身振りによって、その都度ごとに形を変える。ディアスポラ、障害者、性的少数者、そして女性。パク・チャヌクの映画は社会のなかで周縁化された人々を捉え続けてきた。世界的に大きな反響を呼んだ『お嬢さん』(2016)から7年ぶりの長篇映画であり、第75回カンヌ国際映画祭 監督賞を受賞した最新作『別れる決心』(2022)がまもなく待望の日本公開となる。今こそパク・チャヌクが模倣し、映画に刻みつけてきた傷痕を検分しなければならない。


[目次]

特集*パク・チャヌク──『JSA』『オールド・ボーイ』『お嬢さん』、そして『別れる決心』へ


◆インタビュー
愛と言葉の映像 / パク・チャヌク 聞き手・構成=崔盛旭 訳=桑畑優香

◆漫画
5秒前のパク・チャヌク / いがらしみきお

◆Fragments of Memories
パク・チャヌクとの“別れない決心” / 小島秀夫
それは、私の知る、ある時期のLAでのパク・チャヌク監督 / 藤谷文子

◆別れとの出会い
共存不可能なるものたちの「共存」に向けて──「別れる決心」はいかにしてなされたのか? / 北小路隆志
崩れて壊れる──パク・チャヌク監督『別れる決心』におけるトランジションの断層 / 紙屋牧子
『別れる決心』──問い直されるファム・ファタール / 西森路代
グローバル韓国映画の最前線、パク・チャヌクの『別れる決心』を読む / イ ・ヒャンジン

◆謎と嘘のドラマツルギー
パク・チャヌク流ミステリ試論──『別れる決心』に至る成熟の作法 / 稲垣貴俊
『別れる決心』と『めまい』──両者は本当に似ているのか? / 碓井みちこ
嘘をつく女 / 清水純子

◆ Close Encounters
ボキボキに折られたその先 / 深緑野分
抵抗の転調 / 宮崎大祐
出発する彼女たち / 藤野可織

◆切断と模倣
韓国映画史の流れの中で見る、パク・チャヌクの軌跡 / 鄭j樺 訳=加藤知恵
断絶の連続──パク・チャヌク復讐三部作試論 / 木澤佐登志
復讐は我のもの──パク・チャヌクの「復讐三部作」に関する考察 / 具a婀
ケアの臨界点──『親切なクムジャさん』論 / 小川公代
トラウマの模倣と彫琢──『サイボーグでも大丈夫』 / 森 年恵

◆座談会
霧の中の映画監督 / イ ・ヒャンジン×鈴木みのり×宮越里子

◆輪郭に触れる
踏みとどまって、作り続けていくということ──誠実なロマンチストへの身もふたもない愛と信頼、そして願望 / ハン・トンヒョン
メジャー&マイナー──パク・チャヌク作品の受容と韓国社会の変遷 / 伊東順子
知られざる短篇にみる彼のヒューマニティ / 岸野令子
一線を越える──パク・チャヌクが描く境界線上の人々 / 伊藤弘了

◆闘争と逃走
「作り物」の矜持──『お嬢さん』の「ゴシック」的世界 / 鷲谷 花
パク・チャヌクのクィアな闘争 / 児玉美月
植民地帝国の誤用とクィアな身体 / 新城郁夫
境界のものがたり / 鈴木みのり

◆資料
パク・チャヌク主要作品解題 / 崔盛旭

◆忘れられぬ人々*17
故旧哀傷・能村幸雄 / 中村 稔

◆物語を食べる*25
食べる女たちの自画像 / 赤坂憲雄

◆詩
FUTURE AGENDA[未来の議題(アジェンダ)]他二篇 / 高田怜央

◆今月の作品
西野いぶき・吉田譜雨・山内優花・五十嵐雨 / 選=大崎清夏

◆われ発見せり
いま、コスメが語りはじめる / マリコム

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ぐうぐう

    新作を発表するたびに驚かされる。それでいて、ハリウッドに進出しニコール・キッドマンを迎えて撮っても、BBCでジョン・ル・カレ原作のスパイ小説をドラマ化しても、パク・チャヌクはパク・チャヌクであったという揺るぎなさもまた同時に感じさせる。最新作『別れる決心』にも、同じことが言える。血とエロスが抑制されたこの映画は、ゆえに一見、パク・チャヌクらしくない作品に思える。しかし、鏡やカメラを意図的に配置する本作は、それが覗く行為を表現しているというよりかは、対の構図を象徴しているはずだ。(つづく)

  • ますりん

    数年前、ポン・ジュノやキム・ギドクを筆頭に韓国映画にドハマりしているときに、偶然「お嬢さん」を劇場で観て更にドハマリし、遡って「JSA」や「オールド・ボーイ」を観たクチ。作品自体はそれほど多くない(長編で10本)のに、この分厚さで様々な角度から評論されてしまうと、もう観直せという強迫にしか思えないではないですか。。完全に見過ごしていた作品も含めてしばらくパク・チャヌク祭り。この本にある、80年代までの低迷期を経て90年代から86世代の台頭、その後の現在に繋がる韓国映画史も勉強になる。

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