狂気の科学 真面目な科学者たちの奇態な実験

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784807908622
ISBN 10 : 4807908626
フォーマット
出版社
発行年月
2015年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
19

内容詳細

訳者のことばから:本書は,科学史上の大発見(ともいえない小発見も多いが)が見つかったときや実験時のエピソード集で,とにかくおもしろい.分野も生命科学,物理学から心理学に至るまで幅広く,研究の醍醐味,研究ともいえないちょっとした試み,異分野の偉人の発想など,一読に値するものが多い.本書は,実際の実験の様子などが図で示されており,大変わかりやすい体裁になっている.「狂気の科学」と書くと,ナチスの行った凶行のように感じられる方もいるかもしれないが,実際は「アヤシイ実験」なのである.なかにイグ・ノーベル賞を取ったものがあると聞けば,なるほどと納得するだろう.怪しくても人間の営みが垣間見えるのがよく,ユーモアにあふれていて,たぶん,手に取った読者の方は,満足して頁を閉じていただけるのではないか。

目次:バランスのとれた生活/石と石の思考実験/水から木/オジギソウの時計/哲学者の靴下/感電と去勢/科学のためのサウナ/吐き気のしそうな博士号/お腹に穴のある男/バスーンでダーウィンをご紹介/列車の上のトランペット吹き/みだらな筋肉/やったぜ!大変な仕事は全部他人任せ!/殺人者の首/モルモットの精巣―若さの秘密/ヘトヘトに疲れたイヌ/低空飛行するネコ/アイオワの眠れぬ夜/天地がひっくり返った世界/野菜畑の死体/陰毛を引っこ抜く/まわり道のラット/講義室での殺人未遂/パブロフは一度だけベルを鳴らす/馬にささやく男/塊の重さは21グラム/ハッピーバースデー、細胞くん/バナナタワーの建設/アルバート坊やをギョッとさせる/培地にキス/欲望の描く曲線/血液中に毒ヘビ/生きているイヌの頭/スキナー箱/旅行仲間は中国人/息子の妹はサル/一日は28時間/大飢饉/落ちこぼれが降らせた雨/クモの実験T−ドラッグとクモの巣/秘書の取引/よい人であれ、だがお人好しにはなるな/嘔吐彗星で急降下/何もしないで20ドル/クモの実験U−脚を切られたクモがつくった巣/イヌのフランケンシュタイン/クモの実験V−巣におしっこ/恐怖の霧/心理学の原子爆弾/母親マシン/ユナボマーの実験/キリストの三位一体/とことん服従/聖金曜日にハイな気分/落とした手紙/闘牛を遠隔操作/クラクションの心理学/ヒッチハイクのヒントT−怪我をしよう!/六つのステップで誰もが知り合い/ダニと人間/カッコーの巣の上で八人が/誰のなかにも無法者が隠れている/鏡の中のサル/太古の森で色彩テスト/どれほど恥ずかしいか!/悪しきサマリア人/1ドルオークション/ドクター・フォックスがペラペラとでたらめを語る/教授の監獄/ヒッチハイクのヒントU−女性になろう!/原子時計、空の旅/交差点から急いで逃走/膝の震えが心を惑わせる/トイレでの侵略/信号でイライラ/ヒッチハイクのヒントV−目を見よう!/ヒッチハイクのヒントW−胸を大きく見せよう!/待合室にフェロモン/教育の助けになるカミソリ/億万長者が自分のクローンをつくる?/今夜セックスしない?/自由な「意思の拒否」/タッチでチップが増える/効果的な口説き文句/自由意志による胃潰瘍/ベッドに寝て1年/MRI装置の中でコトにおよぶ/陰毛のそぞろ歩き/エリコのスピーカー/どういうわけか空腹/ボール投げの数学

【著者紹介】
レト・U.シュナイダー : 1963年生まれ、ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングの雑誌『NZZ Folio』編集者。スイス連邦工科大学チューリッヒ校卒業後、リンギエー‐ジャーナリスト専門学校で学んだ、現在、科学ジャーナリストとしてスイスとドイツのメディアで活躍しており、彼の著作は各方面から高い評価を受けている

石浦章一 : 東京大学大学院総合文化研究科教授。理学博士。1950年生まれ。1974年東京大学教養学部卒。専門は生化学、分子認知科学、遺伝性の精神・神経疾患のメカニズムの解明を目指し、研究を行っている

宮下悦子 : 翻訳家。1957年生まれ。1980年東京大学農学部卒。Nature誌の翻訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    私にとってはすごく面白い本でした。科学実験をしているのですがどれも教科書にあるような話ではなく、それぞれが話にネタになるような感じのものばかりです。とくに人間の心理の底を覗くような感じのものもあったりでわたしは楽しめました。スイスで出版されたらしいのでそのうちにドイツ語の原文にあたってみたい気がします。

  • ビブリッサ さん

    好奇心は猫をも殺すとは良く言ったもの。全てが実際に行われた実験なのだ。現代なら人道的に許されないものもある。よく知られた心理実験もあるなか、私が特に興味を惹かれたのが「太古の森で色彩テスト」だった。色を表す言葉を二つしか持たないダニ族に色彩テストを行うことによって、言語が思考を決定するという説を検証している。実験方法を巡って後に反証が行われ、結論は出ていない。しかし、私はこの説を推したい。知識を深め語彙を増やし柔らかい心でいる限り、森羅万象を日本語で表現できる、そのために読み磨くのだと信じているからだ。

  • gtn さん

    「息子の妹はサル」の章。生後7か月のチンパンジーを、生後10か月の我が子と全く同じ扱いで育てる心理学者。遺伝要因と環境要因のどちらが子供の発達に影響するかという実験。結果は、欲求表現はサルの方が速く、むしろ我が子がサルを真似ていたという。一方、我が子の語彙は乏しく、危険を感じた母が実験を強制終了。我が子は、しばらくし、通常の知能に追いついたものの、45歳で自殺。その子息、つまり心理学者の孫は、その死因を実験の後遺症とし、「45年かけた殺人」と呼ぶ。学者とは"非情"に徹することができる人。

  • 香菜子(かなこ・Kanako) さん

    狂気の科学―真面目な科学者たちの奇態な実験。レト・U・シュナイダー先生の著書。優秀でまじめな科学者、研究者ほど、時に常軌を逸した研究や実験に没頭してしまうことがあるのかも。そんな科学者、研究者たちの暴走を止めるためには、科学者、研究者たちに正しい倫理観を持たせるようにするしかないと思います。

  • ふろんた さん

    わずか数ページのショートコラムとはいえ、数百年前の実験もあり、よく資料が残っていたものだ。今となれば先人の知恵を拝借し、大量のデータをもとに結論を導きだすことができるけど、これらの実験結果を見ると統計のとり方次第で誤った結論に至ることがあることを知っておかなければならないと思う。

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