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波 新訳版

Virginia Woolf

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152100276
ISBN 10 : 4152100273
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
森山恵 ,  

Content Description

20世紀初頭のイギリス。遠い太陽の光が海辺の一日を照らし、生まれては消える波のうねりを描き出す。そこに重なるのは、男女6人の独白。いくつもの声が、幼少期から晩年まで、幻想のように過ぎた日々の思い出を物語る。くり返す描写と語りが重なり、繊細な感覚と記憶が波音と響き合う。作家みずから劇=詩と呼び、小説の純粋性を追求した作品であり、後世に多大な影響を与えた、ウルフ文学の到達点。詩情豊かな訳文による、45年ぶりの新訳。

【著者紹介】
ヴァージニア・ウルフ : 1882‐1941。イギリス・ロンドン生まれ。文芸批評家レズリー・スティーヴンを父に持ち、幼い頃から書物に親しむ。両親の死後、兄弟姉妹でロンドンのブルームズベリー地区に移り住み、後に「ブルームズベリー・グループ」と呼ばれる文化集団を結成。1912年、グループの仲間であるレナード・ウルフと結婚。33歳で作家デビューし、「意識の流れ」と呼ばれる文学的手法を駆使したモダニズム作家として注目される。主な作品に『ダロウェイ夫人』(1925)、『灯台へ』(1927)、『オーランドー』(1928)などがある。小説以外にも批評作品の発表や、夫とともに出版社「ホガース・プレス」を立ち上げるなど、批評家・出版事業者としての側面もあわせ持っていた。生涯にわたり心の病に苦しめられ、第2次世界大戦中の1941年に入水自殺で亡くなった

森山恵 : 詩人・翻訳家。聖心女子大学大学院文学研究科英文学専攻修了。訳書『源氏物語 A・ウェイリー版(全4巻)』紫式部(英訳:アーサー・ウェイリー、日本語訳:毬矢まりえ+森山恵)同書の翻訳で2020年ドナルド・キーン特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • アナーキー靴下

    言葉はコミュニケーションに不可欠なもの、と思っていたが、それは思い違いだったのだろうか。人と人とを繋ぐ橋に見えていたものはただの隔たりでしかなく、言葉にするほどに断絶を意識させる。誰かと、同じ場所で、同じものを見て、同じように感じられたならば、それこそが完全なコミュニケーションだろうか。言葉は、文字は、無益なのだろうか。ああ、違うのだ。言葉を辿り、時間も場所も越えて、見たことのない世界を見せてくれる、それもまた、コミュニケーションなのだ。タイトル通り、寄せては返す波のように、その想いが交互に心を満たした。

  • yumiha

    『幕間』は、劇の合間にポインツ・ホールの住人達の言動や思いが重なるように差し挟まれていた。本書も6人の男女の独白と成長に重なるように、波など自然の様子が詩的に語られる重層的な小説だ。6人それぞれの感じ方や生き方がある一方で、バーナードは互いに影響し合いどこかで繋がり合っていると思う。あるいは「暗青灰色の輪のなかで、回り回る鎖がある」と思うルイのように、何か大きなものに捉えられているとか、同じ流れにあるとか、そんなことを考えさせてもらった。

  • 燃えつきた棒

    本書の刊行記念イベント 「ヴァージニア・ウルフとの新たな出会いとその先」に参加する前に読んでおこうと思って手に取った。 イベント開始10分前に、なんとか読了することができた。 僕のような生来の愚図には、この読書法はかなり有効なようだ。/

  • SOHSA

    《図書館本》ヴァージニア・ウルフの作品を読んだのは「ダロウェイ夫人」に続き2作目。本作品は冒頭から続く独白形式に驚き、物語の展開を理解できないままに詩的表現の美しさに翻弄されながら読み進めた。訳者あとがきで述べられているとおり最初の100頁を過ぎたあたりから徐々に作者の描く世界が明瞭になった。6人の登場人物はそれぞれに自身の思考と人生とを語り、時間の経過とともに離れ散り散りに別れていくかのように描かれる。それはタイトルのとおり寄せた波が崩れそれぞれの方向へと広がっていくように。(→)

  • 二戸・カルピンチョ

    酔う、とにかく酔う。永遠に終わらない力学で学ぶところの運動のように、6人の語りは続く。見た物、感じたこと、起きたこと、全てを語りきって、最後に波は打ち砕かれた。しかし私達の波は終わらない。美しい文章の羅列がこれ程難解なものになるとは。BGMの様なのだ。本を閉じても鳴り止まない。人であるということの喜びと悲哀を、どうやってこんな風に仕上げられたのだろうか。ウルフが膝にタイプライターを乗せ、時に煙草を燻らせながらタイプを打つ背中を想像する。

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