中川右介 レビュー一覧

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商品ユーザーレビュー

25件
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  • 政治記事と音楽記事を時系列的に並べたもので、「新聞...

    投稿日:2023/08/17

    政治記事と音楽記事を時系列的に並べたもので、「新聞ダイジェスト」を読んでいる気分。音楽と政治との関連は漠然とした知識しか無かったので、頭の整理にはいいだろう。以下、気になった点。@カラヤンの記述が少ない。彼はナチス党員だったから、そこから「帝王」へのし上がる課程がこの著作のテーマとも合致して興味深いはずなのだが、ほとんど素通りしている。勿体ない話である。Aショスタコーヴィチの記述が多いのは当然だろうが、彼が政権との闘争の中で音楽の中に込めた暗号、粛正と隣り合わせの「究極のジョーク」には、ほとんど触れていない。特に、大変な議論を呼び起こしたヴォルコフの代表的な著作「ショスタコーヴィチの証言」に一言も触れていないのは、どういう了見なのだろうか?Bバーンスタインは、政治に全く忖度しない平和主義者として描かれているが、彼はイスラエルを絶対視し、そのテロ行為には目を背ける偏面的な平和主義者であるはずなのに、そのことにも一言も触れていない。…というわけで、本著を読破して現代音楽史、演奏史を理解できたと思い込むのは早計であり、あくまで入門書レベルと考えた方がいい。しかし、クラシック音楽の基礎知識がないと読み進めるのは困難な内容だ。つまり、「読者を選ぶ」著書ということになるだろう。

    umibouzu1964 さん |50代

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  • 何が描きたいのかよく分からなかった。毒にも薬にもな...

    投稿日:2021/04/20

    何が描きたいのかよく分からなかった。毒にも薬にもならない。 こう言った指揮者の解説本は昭和の評論家達の偏見やキャラクター付けを引き継いだような質の悪いものが多いので避けていたのだが、久しぶりに買ってみた。 著者自身も昔の評論家本と同じようにならないため音楽的な話題は避けられており、あくまで歴史的な観点から指揮者の人生を追っている。その点、激動の時代に音楽の中心を担ったトスカニーニやワルター、フルトヴェングラー 、ミンシュ、ムラヴィンスキー らの記述は既に語り尽くされたものであるとはいえ、私のようにあまり指揮者の人生に興味がなかったものにとっては面白かった。彼らの録音を聴いても勉強にはなっても、あまり楽しめたことがなかったので改めてドキュメントとして聴き直してみようとも思った。 しかし、カラヤン以降の演奏家は音楽的な視点を抜いてしまうと全く無味乾燥な記述になってしまうのにこの著者は気づかなかったのだろうか。余程書くことがないのか演奏会の演目の羅列や客演記録に終始しており、アバド 、ラトルは特にひどく、指揮者同士の影響や、エピソードなども何もない。ウィキペディアレベルの内容の水増し。 カラヤン 、バーンスタインについては激動の時代の巨匠らと重なる部分もあるし、小澤については日本人としてそれなりに書くこともあったのだろうが、アバド 、ラトルについてはちょっとこのレベルの内容で章を割くのはあり得ない。この著者がアバド、ラトルにロクに興味がないのが良くわかる。著者によるとアバド については10大指揮者に選んだのはベルリンフィルの首席に選ばれたから私も選んだ、、ラトルについてはビートルズ以外大した音楽家、演奏家のいないイギリスが生んだ平和な時代の指揮者だそうです。(クラシックファンには言うまでもなくイギリスは特に室内楽のレベルからオーケストラ演奏が最も盛んな国の一つであり、19世紀末以降指揮者と音楽家が最も緊密に結びついて働いていたクラシック先進国です。) そして、著者が行なったのはアバドがベルリンに選ばれた理由を探るでもなく、平和な時代のラトルがどのような音楽観を持つにいたったのかを探るでもない、ただひたすら演奏記録と経歴の羅列。小澤についても日本国内での出来事は調べてあるが、ウィーン時代の評判はどうだったのか、彼の挑戦は結局のところ成功したかなど全くリサーチがされていない。 結局この著者は昔の評論家が書いたものをまた書きたかったのでしょう。あとがきにも、10大指揮者を自分で選んでみたが何を書こうか分からなかった。とりあえず書いてみたらこうなった。、と適当に書かれた本だと言うことを自分でも白状しています。10大指揮者を単なる大オーケストラのポスト、権力で決めるというような権威主義ではなく、音楽史観で選べばもっとこのような低レベルな著者でも書けることがあったはず。好みは別としてトスカニーニ以降最も影響を与えた指揮者であるアーノンクールを省いているのも謎。結局、なんのドラマも歴史の流れも追えていません。読み終わったとき著者は音楽の観点からの説明を避けたのではなく、そもそも音楽にはドキュメントとして以外の興味無いのではと感じてしまいます。 しかし、まあ暇つぶしにはなるでしょう。

    ぽいぽす さん

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  •  これは非常に面白い着眼点で書かれた本です。通常、...

    投稿日:2021/04/14

     これは非常に面白い着眼点で書かれた本です。通常、我々が作曲家のエピソードを「点」として把握し、その作曲者の生涯の中でそういった「点」をつなぎ合わせて前後関係を「線」にするのが精いっぱいで、通常の理解はせいぜいそこまでで終わってしまいます。また、他の作曲家や演奏家との交流があるにしても、その「線上」のエピソードの一つに過ぎません。  しかし、この中山右介さんの本は、たくさんの「個別の作曲家の動線」があちこちで交差して「面」を描いていたという視点を提供してくれる点で画期的です。シューマンとメンデルスゾーンの交友は有名だし、シューマンが駆け出しのショパンを「諸君、帽子を取りたまえ。天才だ!」と批評したのも有名ですが、それにとどまらずに、同時期のパリやベルリンやドレスデンに、リストやワーグナーや、はたまたベルリオーズまで登場し、同じ場所にいたりニアミスしていたりと、実にいろいろなことがあったのだということが分かります。確かに1830〜1850年という限られた期間の、ヨーロッパ主要都市の音楽界という狭い社会であれば、そんなことが起こっていても不思議はないことにあらためて気づかされます。  そんな中で相互に触発されながら次々にいろいろな音楽が生み出され、作曲家同士も互いにリスペクトしたり対抗心を持ったりしながらダイナミックに発展していったことを思いつつ、音楽に耳を傾けるのも一興かと思います。

    Tan2 さん

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  •  中山右介さんの「戦争交響曲〜音楽家たちの第二次世...

    投稿日:2021/04/14

     中山右介さんの「戦争交響曲〜音楽家たちの第二次世界大戦」(朝日新書)の続編ともいうべき本であり、ここでは第二次大戦後の「東西冷戦」の中での音楽家の生きた足跡が書かれている。  中山右介さんの本は、「点」としてバラバラに持っている知識を、線あるいは面、さらには立体的な複合的視点へとレベルアップしてくれるものが多い。漠然と知っているだけの情報を、いろいろな視点から眺め直すことで、新たな側面や気付かなかった意味があることに気づかされる。  この本もそんな中の一つで、話の展開軸はアメリカとソビエトによる「冷戦」。その中でも、「西」の代表としてアメリカのバーンスタイン、「東」の代表としてソビエトのムラヴィンスキー、東西分裂国家となったドイツのカラヤンといった指揮者を中心に話が進んで行く。今から思えば、何という面倒くさい世の中だったのだろうということになるが、そういった国家・社会の威信をかけて「芸術家」が利用され翻弄される20世紀社会であったということだ。音楽家も大変な「重荷」を背負わされていたことになる。そんな時代の記録として、後世にも語り継がないといけない「歴史」なのだろう。  この本も、他の中山さんの本と同様に、初級者を卒業してひととおりクラシック音楽の常識を持った愛好家が、自分の持っている個々バラバラの音楽に関するエピソードや見識を時間順に、そしてそれら相互関係を体系的に整理するため本だということになるだろう。何も予備知識なしに読むのはちょっと辛いかも。

    Tan2 さん

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  •  中山右介さんの本は、「点」としてバラバラに持って...

    投稿日:2021/04/14

     中山右介さんの本は、「点」としてバラバラに持っている知識を、線あるいは面、さらには立体的な複合的視点へとレベルアップしてくれるものが多い。漠然と知っているだけの情報を、いろいろな視点から眺め直すことで、新たな側面や気付かなかった意味があることに気づかされる。  この本もそんな中の一つで、「音楽家」という一種の「浮世離れした存在」も、実は歴史の流れの中では過酷な現実の中で様々な毀誉褒貶をくぐり抜けなければならないことを知らしめてくれる。ある者は矜持を保つことで権力や社会から迫害され、ある者は芸術や伝統のためにやむを得ず(あるいは進んで)権力に迎合する。何が正しいかなどと軽々しくは断罪できるものではない。  この本は、暦年形式で時間が進行する中で、100人近い音楽家(作曲者、指揮者、演奏家など)の身に何が起こったか、その中でどのように決断して行動したかを淡々と記述していく。ある意味で単調ともいえるが、読者はそれらの音楽家のことをある程度は知っているという前提で書かれているのだろう。その意味で、初級者を卒業した「音楽愛好家」が自分の持っている個々バラバラの音楽に関するエピソードを時間順に、そしてそれら相互関係を体系的に整理するため本だということになるだろう。何も予備知識なしに読むのはちょっと辛いかも。

    Tan2 さん

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  • 内容は面白いです。自分でも10大指揮者を選んでみるの...

    投稿日:2021/04/11

    内容は面白いです。自分でも10大指揮者を選んでみるのだが、ここに挙げられる10人にはならない。特に20世紀後半から名が知られ始めた方々の評価にはもう少し時間がかかるのではないでしょうか?

    せごびあ さん

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  • クラッシック音楽の歴史を俯瞰するには最適な一冊! ...

    投稿日:2021/04/10

    クラッシック音楽の歴史を俯瞰するには最適な一冊! クラッシック音楽の歴史の全体像を把握するための入門書は数多く出ているが、正直なところ、ほとんどの本は専門用語の羅列で入門者には非常にわかりにくいものが多く、入門書といいながら、かえってクラッシック音楽の敷居を高くしてしまっているケースが多いが、こちらの本はクラッシック音楽の歴史が俯瞰できるように極力、専門用語を使わずに素人でもわかりやすく、簡潔にクラッシック音楽の成り立ちや時代背景がまとめられており、特にクラッシック初心者がファーストチョイスとして選ぶには最適な一冊となっている。 併せて作曲家の人物像がコンパクトにまとめられている「1冊でわかるポケット教養シリーズ クラシックの作曲家たち」萩谷 由喜子(ヤマハ)を持っているとクラッシック音楽を歴史的な流れと作曲家の人物像両面から把握する上で非常に役に立つ。 更に一歩踏み込んだ理解を求めたい場合には西洋音楽史―「クラシック」の黄昏」岡田 暁生(中公新書)あたりを読んでみるとよいかもしれない。

    I.O.U さん

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  • ハッキリ言って、書き手は、良く分かっているなのだ...

    投稿日:2020/10/14

    ハッキリ言って、書き手は、良く分かっているなのだろうが、読む方(読者)側からだと、分かりにくい下手くそな書き方だ。例えば、「フィルハーモニー」と一言で書き流しているが、「ベルリン・フィル」か、「ウィーン・フィル・ハーモニー」か、他の地方の「オーケストラ」か文脈で読み取らねばならずわかりにくくしている。

    カニさん さん

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  • やっぱりこの二人、いずれ劣らぬクセのある者同士です...

    投稿日:2018/05/12

    やっぱりこの二人、いずれ劣らぬクセのある者同士ですね。 過剰なまでの「われこそは」の自信家であると同時に、どこか「世間の常識人とは相容れない思い」からの自嘲や、突然の自信喪失が、現実的な病弱体質と相まって同居している。 そんな似たもの同志の二人が、戦前戦後の激動期に、時には反駁しながらも、不思議とお互いの作家活動を補完するめぐりあわせで刺激しあいながら、その文才を開花、昂進していくさまを目の当たりにするように書かれている。 これは、単なる評伝、報告書ではなく、立派な読み物として楽しめる好著と言える。

    momiji_rentan さん

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  • クラシック音楽の一流の演奏家の知られざるエピソード...

    投稿日:2018/02/06

    クラシック音楽の一流の演奏家の知られざるエピソードが短編集のように収められており、面白く読みやすい本でした。

    テリーヌ さん

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ありがとうございました

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