すべてのことはメッセージ 小説ユーミン

山内マリコ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784838732241
ISBN 10 : 4838732244
フォーマット
出版社
発行年月
2022年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
368p;19

内容詳細

1970年代、シンガーソングライターとして十代でデビューを飾った荒井由実。
のちに日本最大の女性ポップスター、松任谷由実=ユーミンとなる煌めく才能は
いかにして世に出たか――。
八王子の裕福な呉服店に生まれ、ピアノに触れ、清元を学び、ミッション系の私立女子校に入学。
グループ・サウンズが一世を風靡するなか、由実は高度経済成長期の東京を、好奇心いっぱいに回遊しはじめる。
米軍基地、ジャズ喫茶、伝説のミュージカル『ヘアー』、大人の社交場キャンティetc.……
次々に新しい扉を開けて、才能を開花させていく。
少女・荒井由実のデビューまでの軌跡をノンフィクション・ノベルとして描き出す。   
名曲「ひこうき雲」が生まれるまでーー


◆松任谷由実さんから寄せられたコメント
これはノンフィクションというより、ルポルタージュに近いかもしれない。
山内マリコさんの獰猛な取材力とインタビューに、記憶のボタンが次々とクリックされ、
私は幼少期を、青春を、サーフィンしまくった。目眩く楽しかった。
これは多くの人たちが好きなサクセスストーリーの真逆だから、全くシンパシーが得られなかったとしても仕方ない。
正に、"事実は小説よりも奇なり"。
ひとりの特異な少女が、50s、60s、そして70sの、
東京カルチャーとカウンターカルチャーに彩られ、特異なまま大人になってゆくお話。
山内さんの大いなる好奇心が、私自身もすっかり忘れていた愛を、思い出させてくれた。
こんな機会を与えていただけて、本当に良かったと思う。
つくづく私は、"ユーミン"以外のものにはなれなかったのだなあと、
覚悟とも諦めともつかない幸せな気持ちで、この小説を読み終えた。 



◆目次
第一章   八王子の由実ちゃん
第二章   ピアノ、清元、サウダージ
第三章   立教女学院とパイプオルガン
第四章   マギーと立川基地
第五章   らせん階段の家
第六章   フィンガーズ・デイズ
第七章   一九六九年
第八章   カルチエ・ラタン的御茶ノ水
第九章   セブンティーン!
第十章   ハロー、キャラメル・ママ

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読書メーターレビュー

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  • みかん🍊 さん

    戦後の昭和史の様なユーミンが子どもの頃からデビューまでの軌跡、八王子のゆみちゃんとして呉服店のお嬢様として生まれ、中高と東京の私立女子校に通い、米軍基地やジャズ喫茶、アーチストが集うキャンティと家を抜け出し夜遊びをしながら人脈を増やし、成績優秀で絵も得意、何でも出来たユーミンはやはり才能も環境も特別だった、ビッグアーティストが実名で出てきてまさに音楽史でもある、物怖じせず興味がある所にはどんどん入っていく、こういう性格、環境がユーミンを作り上げたんだなと納得。

  • Ikutan さん

    2023年は小説ユーミンから。八王子の老舗の呉服店の末っ子として生まれたユーミン。幼い頃から、ピアノの和音を色彩で認識できるという才能があったという。利発で物怖じしない性格。経済的にも恵まれた環境で、のびのびと育ち、なんと、中学時代からジャズ喫茶に出入りして、多くのミュージシャンと交流する。進学先を、音大ではなく美大を選んだという異色の選択も彼女の曲の魅力に繋がっているんですね。そんなユーミンにもデビュー直前には壁が。乗り越えるきっかけになったのは正隆さんとのエピソード。これには、じんわり胸を打たれたな。

  • TakaUP48 さん

    ユーミンとは、上手い名前をつけたもの。YUMIの現在進行形YUMING。彼女の幼少期から、「ひこうき雲」を発表するまでのルポルタージュぽい小説。八王子の呉服屋の娘、多感で好奇心旺盛、行動的でチョット大人への背伸びが得意なユーミンが描かれている。あの絵画的な詩の世界は、三味線の師匠きげっつぁんの影響なのでは?50〜70年代にはGSにハマり、洋楽にも深く潜航した様子が書かれていたが、読む方もあるあるが出てきて、共に時代を振り返った感じがして楽しかった。「ひこうき雲」も新たなイメージを持って聞くことが出来そう。

  • Karl Heintz Schneider さん

    土蔵の中のほこりっぽい暗さ、遠くに笑い声の響く公園の砂場や草むら、川面がきらきらと輝く様子、それらすべてのものがメッセージとなって一人の少女の心の宝箱にしまいこまれ、常人では考えつかないような素晴らしい歌詞を生み出すための素地になったのは想像に難くない。でもそんな風景を、ただぼんやりと眺めるのではなくメッセージとして受け取ることができるユーミンは、紛れもなく天才なのだと改めて思った。「目に映るすべてのことはメッセージ」このフレーズの中にユーミンの本質がぎゅっと詰まっている。

  • 菜穂子 さん

    八王子の呉服屋の次女として生まれ芸術的才能を育む素地が備わった中で育った荒井由実。あの歌声の原点は立教女学院の礼拝堂のパイプオルガンだったことが一番の驚き。ユーミンの音楽の原点として必ずブリテッシュロックのプロコル・ハルムのこと、ムッシュかまやつとの接点を口にして来たけれどGSブームが出発点だと解り納得。音楽の為に進んだ美大。非凡な才能と誰にも臆することの無い姿勢、50年もの長きに渡りずっと歌声が途切れることなく続いていることに驚嘆と感謝の気持ちを込めてありがとうと言いたい。

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人物・団体紹介

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山内マリコ

1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞し、12年『ここは退屈迎えに来て』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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