ベートーヴェン 革新の舞台裏 創作現場へのタイムトラベル

平野昭

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784276215337
ISBN 10 : 4276215331
フォーマット
出版社
発行年月
2020年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
平野昭 ,  
追加情報
:
216p;20

内容詳細

名曲が生まれた当初、聴衆が受けた衝撃を私たちは知らない。今やすっかり「定番」になっている音楽に秘められた「革新」は何だったのか――。
ベートーヴェンの創作の真意にせまるべく、ベートーヴェン研究の第一人者のナヴィゲートで当時へタイムトラベルしてみよう!
交響曲、ピアノ曲、弦楽四重奏曲、協奏曲などのよく知られた名曲には新たな角度から光をあて、カンタータなど、演奏機会は少ないがベートーヴェン作品理解に不可欠な作品も取り上げる。
音楽素材や表現方法、作品どうしの秘められた関連から、当時の演奏会プログラム・楽譜・楽器の進化、パトロンや演奏家との関係、社会的背景や歴史的事件にまで目配りをし、世界の最新の研究も盛り込まれ「知られざるベートーヴェン」に出会える。
『音楽の友』の人気連載「名曲タイムトラヴェル〜真の鑑賞術〜」からの書籍化(加筆修正含む)。



[目次]
1 ベートーヴェンの交響曲を聴く醍醐味
交響曲第1番〜第8番/《第九》の壮大な仕掛け!/《ミサ・ソレムニス》と《第九》に底流するもの 

2 メヌエットか、スケルツォか? 交響曲の舞曲楽章
発想標語とメトロノーム表記からテンポを考える/交響曲第1番、第2番/交響曲第4番、第8番/まとめ――メヌエットとスケルツォの区別は困難

3 バレエ音楽《プロメテウスの創造物》は生命の源泉
サルヴァトーレ・ヴィガーノのウィーン登場/交響曲や他の作品との強い関連

4 メディアとしての編曲版
19世紀ヨーロッパの音楽文化を支えた陰の主役/《ウェリントンの勝利あるいはビトリアの戦い》

5 ピアノの進化とピアノ・ソナタ、ピアノ協奏曲
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンとピアノ/ワルター製、シャンツ製のピアノとピアノ・ソナタ/エラール製ピアノと《ヴァルトシュタイン》《アパッショナータ》/《葬送行進曲付き》《ハンマークラヴィーア》のペダル記号/《皇帝》とモーツァルトのピアノ協奏曲第20番のカデンツァ

6 ベートーヴェンと50人の《ディアベッリ変奏曲》
シューベルトやリストも参加した変奏曲/50の変奏曲の内容と連続性の謎/ベートーヴェン入魂の傑作

7 ゲーテの悲劇『エグモント』のための音楽
時代背景としての《告別ソナタ》/史実とフィクションのエグモント伯爵/『エグモント』初演と知られざる日本上演

8 もっと演奏してほしい! トリプル・コンチェルト
カラヤン&ベルリン・フィルとソ連の巨匠たちの奇跡の共演/三重協奏曲か、協奏交響曲か/パリ移住計画は何を意味するのか

9 協奏曲様式の時代を画したヴァイオリン協奏曲 ニ長調
古典様式とロマン主義様式の転換点/徹底追究される「運命動機」

10 カンタータ《栄光の瞬間》&《音楽芸術賛美》
ウィーン会議に列席した人々を熱狂させた大作/実は愛国心が強かったベートーヴェン/《栄光の瞬間》の歌詞と音楽

11 宮廷楽士ベートーヴェンによる二つの皇帝カンタータ
《皇帝ヨーゼフ2世の死を悼むカンタータ》/《ヨーゼフ・カンタータ》に見られる宗教性と叙事詩的特徴/《レオポルト・カンタータ》――モーツァルトとの運命的「すれ違い」

12 ゲーテの詩によるカンタータ《静かな海と楽しい航海》
ベートーヴェンとゲーテ/「標題音楽」「交響詩」を先取りしたベートーヴェン

13 謎に満ちた音楽《合唱幻想曲》とは? 
大失敗に終わったベートーヴェン主催の大アカデミー/「幻想曲」に共通する構成原理/歌詞の作者問題と《第九》との関連

14 創作の究極ジャンルとしての弦楽四重奏曲
シュパンツィヒ弦楽四重奏団の変遷/ガリツィン・セットとシュパンツィヒ/第4期シュパンツィヒ弦楽四重奏団/作曲人生、究極かつ理想の到達点/絶筆「そうあらねばならない」とカノン



[著者紹介]
武蔵野音楽大学大学院音楽研究科音楽学専攻修了。西洋音楽史および音楽美学領域。18〜19世紀ドイツ語圏器楽曲の様式変遷を研究。特にハイドン、モーツァルトからベートーヴェン、シューベルトに至る交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタを中心にソナタ諸形式の時代および個人的特徴を研究。沖縄県立芸術大学、静岡文化芸術大学、慶應義塾大学教授を歴任。音楽評論分野でも月刊誌、日刊紙と放送出演で活躍。



【著者紹介】
平野昭 : 武蔵野音楽大学大学院音楽研究科音楽学専攻修了。西洋音楽史および音楽美学領域。18〜19世紀ドイツ語圏の器楽曲の様式変遷、特にハイドン、モーツァルトからベートーヴェン、、シューベルトに至る交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタを中心にソナタ諸形式の時代および個人的特徴を研究。ベートーヴェン研究を生涯課題として交響曲、弦楽四重奏曲、ピアノ・ソナタ創作にみられる共通した表現語法と創作理念を探求し、あわせて音楽史におけるベートーヴェンの位置と意味を考えている。沖縄県立芸術大学、静岡文化芸術大学、慶應義塾大学教授を歴任。音楽評論分野でも月刊誌、日刊紙と放送出演で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • trazom さん

    「音楽の友」連載の「名曲タイムトラヴェル」の中からベートーヴェンの項をピックアップした一冊。平野先生らしく、譜例を用いた和声の分析もあるが、この本は、むしろ、創作の背景を含めた「ネタ話」が中心である。取り上げられている作品が、カンタータ「栄光の瞬間」「音楽芸術賛美」、プロメテウスの創造物、三重協奏曲など、マニアックな物が多いのも一興である。最後の章は弦楽四重奏曲。第13番のカヴァティーナ、第15番のリディア調、第16番のレントを「三大アルカディア」と呼んでおられるが、全く、思い浮かべるだけでも涙が溢れる。

  • 沖縄電鉄社長 さん

    三重協奏曲を「オブリガート・ヴァイオリンとオブリガート・ピアノ付きチェロ協奏曲」とみる見方は実に新鮮。

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