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マタイ受難曲 ちくま学芸文庫

磯山雅

User Review :5.0
(2)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480098634
ISBN 10 : 4480098631
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

罪・死・救済を巡る人間ドラマを圧倒的なスケールで描いたバッハの傑作。テキストと音楽の両面から、秘められたメッセージを読み解く記念碑的名著。

【著者紹介】
礒山雅 : 1946‐2018年。音楽学者。東京大学文学部および、同大学院修士・博士課程で、美学藝術学を学ぶ。学術博士(国際基督教大学)。国立音楽大学教授を経て、同音楽研究所所長、2006年日本音楽学会会長、サントリー芸術財団理事、いずみホール音楽ディレクターなどを歴任。1988年バッハの研究により辻荘一賞受賞、本書で京都音楽賞・研究部門賞受賞。2018年度、第31回ミュージック・ペンクラブ音楽賞研究・評論部門受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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これは世界に誇れる本ではないだろうか。内...

投稿日:2024/02/24 (土)

これは世界に誇れる本ではないだろうか。内容が完璧ということではなく、論じる姿勢が完璧というか。音符、歌詞双方からのバランスの取れた全曲解説。そこにバッハ自身の蔵書からの考察といった、様々な方向からの考察が加わり、読んでて脳が刺激される。それでいて、“数”の問題など、沼にハマりそうなジャンルは、取り立て過ぎず話題としており、そのバランス感覚もよい。最後の演奏の歴史もおもしろい。 全体として、解説しながらも、著者自身の好みなども率直に述べられていて、そこも好感度高い。

Nihei さん | 埼玉県 | 不明

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  文庫版として登場した今回ようやく目を...

投稿日:2020/02/17 (月)

  文庫版として登場した今回ようやく目を通した。バッハがこの受難曲に彫り込んだ(「書いた」では表現しきれない)楽曲・音符・聖句にこれほども深い意味と創意工夫がなされていたのかとあらためて驚いてしまった。バッハが全身全霊を込めてここに刻んだ全てはまさに、彼がよく署名した「Soli Deo gloria」の気持ちに収れんされることを理解できた。   受難曲の成り立ちからバッハの取り組みや研究、そこから得られる音楽上の効果まで丁寧に記されており私のような初心者から他のベテラン愛好者、さらには演奏や歌唱を生業とする方すべてに知見を与え、マタイ受難曲に込められた想いに光を当ててくれることになるだろう。   総じて考えると、神は遍く存在すると考えたバッハにしてみればこの長大な曲のどこをとっても神の存在を示し、その威光を称えることにつながるからこそあれほど様々な仕掛けを織り込む必要があったのだろう。この点が本書を読んで私がまず思った感想である。   また、私個人として第1部最終の楽曲に少し違和感を覚えていたものだが本書内の解説を読んで納得し、共感できたのも面白い発見だった。  バッハを愛する方、マタイ受難曲を愛する方、音楽と知的好奇心(または研究心)を結び付けておられる方におすすめしたい。

うーつん さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • syaori

    バッハの『マタイ受難曲』についての本。感じたのは、『マタイ』はバッハの深い聖書理解と鋭い「人間的問題意識」によって成り立っているのだということ。イエスが捕縛されたことを歌うアリアで通奏低音を排除して「支えを失った心の不安を象徴する」など歌詞と密接に結び付いた作曲法は勿論、受難を語る聖句場面、聴き手の私達を象徴するような視点や客観的な考察を導入した自由詩曲とコラールが一体となることで、犠牲と救済のドラマが真に迫って胸に響いてくるのだということがよく分かり、大好きな『マタイ』への理解が深まったように思います。

  • 松本直哉

    ユダの自殺のあとのバスのアリアで、ユダを放蕩息子にたとえた歌詞をめぐって、ユダにもまた悔恨があったのだから許されるべきだというメッセージを読み取る。我々もまた、いつでもユダになりうる存在であり、彼への断罪は自分たち自身にもはねかえる、という解釈は、ルターにはなかったもの。ルターから2世紀を経て、プロテスタント教会の聖書解釈がどのように変化していたのか、同時代の教会の思想をバッハがどのように音楽に取り入れていったのか、作曲家の蔵書目録の調査を通じて明らかにしていくところに、大いに興味を持った。

  • よみこ

    読了まで時間がかかった。というのも読んでは聞き、聞いては読み、聖書を開き…、という受験勉強のようなことをしていたからだ。知的好奇心を刺激される書であった。詳細な作品解説書というだけでなく、伝記であり歴史書であり宗教書でさえあった。今は失われた膨大なバッハの蔵書から、バッハが音楽と同等に神学の研究に熱心でありどの音楽家よりも通じていたかがわかる。そこがバッハと他の音楽家の違いではないかとさえ思う。ユダと放蕩息子の関係やイエス処刑後の天変地異の場面、そして最終合唱曲での信仰告白のエピソードなど、忘れられない。

  • やま

    ここで紹介された本です。ようやく読み終えました。◆聖書の意味、曲の構成の意味、十字架音型、バッハが読んでいた本、歌詞がどこからとられてきたのかといったことがとにかく細かく書かれていて、とても勉強になりました。◆後ろに37盤の録音と補筆16盤の解説があって、先日の鈴木優人のマタイにはどのような評をしただろうか。その評を読みたかったと思いました。磯山氏が不慮の事故で無くなられたことがとても残念です。

  • Toshiyuki Marumo

    驚いたことに磯山雅さんの名著『マタイ受難曲』がちくま学芸文庫の12月の新刊として刊行された。 数年前この本の単行本を古本屋で入手し、それこそbibleのように何度も手に取りあちこち書き込みだらけになっていたからもちろん文庫版も入手。 僕にとって《マタイ受難曲》はまさに「無人島に1曲だけ持っていくならこの曲」と心に決めた曲だから、その時は必ず磯山さんのこの本も持っていきたい。 文庫になったから無人島に持っていく荷物が嵩張らないのも嬉しいし(^^;

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