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ローマ帝国と西アジア 前3-7世紀 岩波講座 世界歴史

荒川正晴

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000114134
ISBN 10 : 4000114131
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ローマ帝国を「古典古代」「地中海世界」の視角から解き放ち、西アジアとの共時性やつながりを重視しつつ「帝国」としての実像を探究。両地域の双方向的な政治史はもちろん、都市や生活のあり方、被支配者やマイノリティの主体性、文化・世界観の多彩で選択的な「翻訳」、ユーラシア規模での経済活動の実態など、最新の知見で活写する。

目次 : 展望(ローマ帝国と西アジア―帝国ローマの盛衰と西アジア大国家の躍動)/ 問題群(ローマ帝国の支配とギリシア人の世界/ ローマ帝国と対峙した西アジア国家―アルシャク朝パルティアとサーサーン朝/ 古代世界の経済とローマ帝国の役割)/ 焦点(西アジアの古代都市/ ローマ帝国社会における女性と性差/ ローマ帝国時代の文化交流/ 「古代末期」の世界観/ 内なる他者としてのキリスト教徒/ 三世紀の危機とシルクロード交易の盛衰)/ コラム

【著者紹介】
大黒俊二 : 1953年生。大阪市立大学名誉教授。イタリア中世史

林佳世子 : 1958年生。東京外国語大学学長。西アジア社会史・オスマン朝史

南川高志 : 1955年生。京都大学名誉教授・佛教大学歴史学部特任教授。古代ローマ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • さとうしん

    従来「地中海世界」の括りで古代ギリシア史とセットで扱われがちだった古代ローマ史を、古代ギリシア史と切り離して西アジアとの関係を重点的に見ていこうという試みだと思うが、ローマ史はローマ史、西アジア史は西アジア史といった調子で、南川論文と井上論文以外はいまひとつうまくいってないような印象を受ける。巻末の井上コラムにあるように、西部ユーラシア史の試みはこれからということだろうか。西アジアに限らなければ、同時代のギリシア、女性、キリスト教徒などローマ帝国の中の他者の視点が意識されていて面白い。

  • MUNEKAZ

    ローマ帝国を中心とした所謂「地中海世界」を脱し、同時代の西アジアとの連携も意識した論集。古代ギリシャとの縦軸ではなく、横軸の空間的な広がりを感じさせる内容で、過去の岩波講座とは視点が違うのだという意気込みを感じる。個人的には、古代ペルシャの庭園を重視した分散開放的な都市計画が、後のイスラム王朝の都市に影響を与えたのではという論考が興味深かった。ほかにも都市ローマではなく地方の属州を取り上げた論や、「帝国」に支配される側(ギリシャ人、女性、キリスト教徒)の心性に迫ったものが多いのも印象的である。

  • ピオリーヌ

    副題を「ローマ帝国と西アジア」とし、前三〜七世紀を扱う。ローマ帝国の歴史は、歴史学上の概念である「地中海世界」として古代ギリシア世界とともに扱われがちであったが、本書では同時代的な横のつながりを重視し、西アジアの大国家との関係性にも配慮されている。井上文則「三世紀の危機とシルクロード交易の盛衰」ではシルクロード交易衰退がローマ帝国の関税収入の減少を招き、三世紀の「危機」を引き起こしたという、東アジアの大国「漢」まで視野に入れた魅力的な説が紹介される。

  • kenitirokikuti

    図書館にて。岩波講座 世界歴史03である。1969年に刊行開始の第1期岩波講座世界歴史では、前近代には小世界が併存し、15世紀以後に近代ヨーロッパの進出により一体化された、という世界史観であった。古代オリエント・南アジア・東アジア・内陸アジア・西アジア・地中海、中世欧州。例えば、弓削達のローマ史研究は地中海世界固有の市民共同体の運動法則を重視した。オリエントや西アジアとの影響関係は問われない。宮崎市定や鈴木成高は東西関係を重視していた。

  • バイオ燃料

    ローマ帝国を西アジアとの関係性から見ていく。従来は、「地中海世界」に君臨する帝国として、ヨーロッパ及び北アフリカで完結する視点がメインであり、西アジアは外敵であり辺境からの侵入者という見方で固まっていたと思う。だが、本書では、西アジア地域との双方向的な政治史に加え、「帝国/属州」という二分化された見方も否定し、西アジアや属州内からローマ帝国を見つめるという視点が取られる。このような見方から、軍人皇帝時代に代表される悲観的な三世紀の危機ではなく、帝国内に多様な様相があり、複数の視点を持つ必要を指摘している。

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