十代目金原亭馬生 東横落語会 CDブック

落語昭和の名人編集部

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784094801286
ISBN 10 : 4094801286
フォーマット
出版社
発行年月
2021年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
104p;28

内容詳細

馬生の真髄に迫る50席、初出し46席!

CD20枚と愛蔵本104頁のセット。馬生の東横落語会音源から厳選した50席を収録。うち46席が初商品化となります。音源はすべてテープから新規にデジタルリマスター。馬生の面目を一新するCDブックです。


父・志ん生と弟・志ん朝。ふたりの名人にはさまれて、馬生の姿は長らく霞んでいました。世に出た音源はふたりに比べて少なく、偏った印象がひとり歩きしています。名人が顔を揃えた東横落語会で、テープに残された馬生音源は100席以上。愛弟子の五街道雲助師と、録音エンジニアの草柳俊一氏が選定にあたり、初商品化46席を含む50席を、CD20枚に収めました。

馬生の口演をこれだけの規模で集成するのは、過去に例がありません。墨絵のようにしっとり語り上げる『お初徳兵衛』『お富与三郎』『夢の瀬川』。漫画的なデフォルメの効いた『あくび指南』『垂乳根』。恨みや絶望を深くえぐる『江島屋』『豊志賀』。滑稽の極みから人情噺まで、幅広い演目をひとりの噺家が演じて、他の追随を許さないという事実に、スタッフ一同、驚きを禁じ得ませんでした。志ん生とも志ん朝とも異なる、深い人間理解に基づく語り口は、聴いたあとに深い余韻を残します。

商品化にあたっては、全音源をテープから新たにデジタル・マスタリング。大ホールを沸かせた馬生の本領が、臨場感たっぷりによみがえります。没後38年、瞠目するなら今、です。

編集担当者からのおすすめ情報:
企画にあたって、東横落語会に残された100席以上の音源を、繰り返し聴き込みました。そして聴くほどに、「淡々として美しい」従来の馬生のイメージが塗り替えられていきました。そうして選ばれたのが、下記の50席です。

【収録音源一覧(公演順)】
★=初商品化音源 ☆=初商品化演目
三軒長屋★ 昭和44年10月28日/第106回東横落語会
つづら★ 昭和44年10月28日/第106回
溲瓶★ 昭和47年2月28日/第134回
花筏★ 昭和49年2月27日/第158回
花見の仇討★ 昭和49年4月30日/第160回
大坂屋花鳥★ 昭和49年5月31日/第161回
文七元結★ 昭和49年8月30日/第164回
今戸の狐★ 昭和50年1月28日/第169回
狸賽★ 昭和50年4月28日/第172回
垂乳根★☆ 昭和50年5月30日/第173回
たがや★ 昭和50年6月27日/第174回
酢豆腐★ 昭和50年8月29日/第176回
笠碁★ 昭和50年9月29日/第177回
柳田格之進★ 昭和50年10月31日/第178回
死ぬなら今★☆ 昭和50年12月28日/第180回
首ったけ★ 昭和50年12月28日/第180回
妾馬(八五郎出世)★ 昭和51年1月30日/第181回
辰巳の辻占★ 昭和51年3月29日/第183回
千両蜜柑★ 昭和51年8月30日/第188回
目黒のさんま★ 昭和51年11月30日/第191回
湯屋番★☆ 昭和51年12月28日/第192回
もう半分★ 昭和51年12月28日/第192回
ざる屋★ 昭和52年1月31日/第193回
お富与三郎〜島抜け★ 昭和52年2月28日/第194回
長屋の花見★ 昭和52年4月27日/第196回
明烏★ 昭和52年5月30日/第197回
真景累ヶ淵〜豊志賀★ 昭和52年7月29日/第199回
お見立て 昭和52年8月30日/第200回
王子の狐★ 昭和52年8月30日/第200回
青菜 昭和53年7月31日/第211回
そば清★ 昭和53年8月30日/第212回
干物箱★ 昭和53年9月29日/第213回
肥瓶★☆ 昭和53年11月29日/第215回
鰍沢 昭和54年1月31日/第217回
お富与三郎〜与三郎の死★ 昭和54年6月29日/第222回
お血脈★ 昭和54年7月30日/第223回
あくび指南★ 昭和54年9月28日/第225回
幾代餅★ 昭和54年11月30日/第227回
替り目★ 昭和55年1月30日/第229回
百年目★☆ 昭和55年3月24日/第231回
牡丹灯籠〜忠僕孝助★☆ 昭和55年7月29日/第235回
天狗裁き★ 昭和55年8月27日/第236回
道具屋★ 昭和55年11月28日/第239回
うどん屋★ 昭和55年12月29日/第240回
夢の瀬川★☆ 昭和56年1月27日/第241回
江島屋★☆ 昭和56年2月27日/第242回
紀州★ 昭和56年4月27日/第244回
らくだ 昭和56年6月29日/第246回
お初徳兵衛★ 昭和56年8月31日/第248回
文違い★ 昭和56年12月29日/第252回

個人的にとくに驚いたのが、演目自体が初商品化となる『垂乳根』『肥瓶』『湯屋番』です。独特のクスグリがてんこ盛りなうえに、無責任で飄々とした人物像がいかにも落語的。もちろん、人情噺の素晴らしさも想像以上。『お初徳兵衛』や『豊志賀』のラストシーンには、画家になりたかったという馬生の素養がよく表れています。『お富与三郎〜島抜け』のラストに至っては、パノラマ映画のエンディングのよう。

でも数ある好演をさしおいて、もっとも聴いていただきたいのは晩年の『江島屋』です。ひとり娘を失い、お金にも食べ物にも興味を示さず、ただひたすら江島屋への復讐のために生きる。老婆の底なしの絶望が、聴く者を震撼させます。親の七光りと陰口された境遇を乗り越えて、馬生が到達したひとつの極点かもしれません。

ユーザーレビュー

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改めて聞き直すとやはり志ん生の影響は大き...

投稿日:2021/04/13 (火)

改めて聞き直すとやはり志ん生の影響は大きい。 ただし『江島屋』は志ん生とは全く別の話になっており、鬼気迫るものがある。 録音は色々と聞きやすくしているのだろうがそれでも聞きづらいところがある。

hama さん | 神奈川県 | 不明

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