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腕一本 / 巴里の横顔 藤田嗣治エッセイ選

Tsugouharu Foujita

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784061983953
ISBN 10 : 4061983954
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2005
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

二十六歳で渡仏、絵を燃やして暖をとる貧しい修業生活を経て、神秘的な「乳白色の肌」の裸婦像が絶賛を浴びる“エコール・ド・パリ”時代の栄光。一方故国日本では絵の正当な評価を得られぬ煩悶と失意から、やがてフランスに帰化、異郷に没した藤田。本書は一九四〇年以前に書かれた随筆から、厚いベールに包まれた画家の芸術と人生を明かす作品を精選、さらに未発表の貴重な二作を発掘収録する。

目次 : 1 エコール・ド・パリ(1917〜1929)(私というもの/ 日本を離れて初めてパリへ ほか)/ 2 彷徨の日々(1929〜1941)(外遊二十年/ メキシコを顧みて ほか)/ 3 文化と芸術(アトリエ漫語/ 中国との文化的接触の道程 ほか)/ 4 私の生い立ち・夢の中に生きる―未発表ノートより(私の生い立ち/ 夢の中に生きる)

【著者紹介】
藤田嗣治 : 1886・11・27〜1968・1・29。画家。東京生まれ。東京美術学校卒。1913年渡仏。“エコール・ド・パリ”を舞台に名声を博し、ピカソ、モディリアーニ等と交友。29年帰国。以後、南北アメリカ諸国、中国、またパリへと旅行。戦争中は戦争画を数多く描き戦後画壇の批判を浴びる。50年、日本との訣別を心に期し渡仏、55年、フランスに帰化。57年、レジオン・ドヌール勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • NAO

    藤田嗣治の真摯で、妥協を許さない芸術と向き合う姿勢には、読んでいて頭の下がる思いがする。一流の人は、どこまでも自分に厳しい。下積みを嫌がるようでは何も為せないというのは、どんな職業にでもいえることだ。その一方で、当時パリで成功した藤田に嫉妬した日本画壇の面々の狭量さのなんと見苦しいことか。晩年行き場を失くしてしまった藤田の孤独を思うと、いたたまれない気がする。戦争は、こんなところでも人を不幸にしている。

  • 井月 奎(いづき けい)

    藤田は日本で乳白色と黒い線を手に入れて、パリで西洋画、ひいては印象派やキュビズムを見て自らの絵の妙味を別に求め、あのさらさらの絵を自らのものとしたのです。その二つの国は皮肉にも藤田の人生に誤解と孤独をもたらせます。彼は冗談の好きな、育ちのいい男です。美への欲は果てしがなく綿密に精力的に学びますが、その他のことは無防備ですらあります。それであるからこそ、その絵は静謐で美しいのですが、利用もされてしまいます。私はこう思うのです。戦争に弄ばれずにいたならば後年日本にとどまり、乳白色に桜の紅が映っただろうと。

  • A.T

    「聖戦従軍三十三日」 藤田含め日本の代表的な洋画家や、菊池寛含む文学者数名が嬉々として乗り込んだ海軍省手配の日中戦争従軍生活。20ページの短編ながらも子細正確な取材力。これがパリで貧乏してモデルやモンパルナスの絵描き仲間とパンを分け合い、人情を交わしながら絵を描いてきた藤田だろうか。パリでは第一次、二次大戦の2度の空襲を経験していながら、日本へ帰ると別人のように好戦的に。いかに軍国主義が当時の権威かと。フランスでもそうだったのだろうことは想像に難くないが。

  • A.T

    パリのモンパルナス エコール・ド・パリの芸術家、モデル、市井の人々との交流を軽快に描いた「腕一本」と、1941〜45年まで日本、中国に滞在した頃の従軍画家生活を描いた「聖戦従軍三十三日」の落差。絵画の作風とエッセイに込められた心情は、正確にリンクしていることに、フジタの正直さ誠実さを見る。名声をえてもどこまでもパリの外国人だが、陸軍に雇われたフジタは帝国陸軍になってしまう。明治19年に厳格な陸軍軍医の父の元に生まれ育った彼にとって自然。エコール・ド・パリ帰りといえども、余計に順応してしまったのだろう。

  • 白義

    その栄光と失意の落差を繰り返した人生を象徴するように、本書に収められた文章の時代ごとの変遷が激しい。パリ時代の、キザでパリの空気に酔いしれ、思うように女や画家たちの思い出を語る多幸感に溢れたパリの栄光時代から、うってかわって日本での冷遇を跳ねのけんと従軍記ではなんとも漢字が突然増えて力みが露骨な文章に。技術論ではその乳白色の柔和な線が藤田なりの、西洋画と日本画の内的対話により得たものであることがわかるが、それを評価しなかった日本への失望は晩年更に深まり死を間近にした文では絶望が露呈されていく。なんとも重い

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