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人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差 中公新書

詫摩佳代

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121025906
ISBN 10 : 4121025903
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2020
Japan

Content Description

古くはペストやコレラ、現代でもエボラ出血熱や新型肺炎など、人類の歴史は病との闘いである。天然痘やポリオを根絶に導いた背景には、医療の進歩のみならず、国際協力の進展があった。しかし、マラリアはいまだ蔓延し、エイズ、SARS、エボラ出血熱、そして新型コロナウイルスなど、次々に新たな病が人類に襲いかかっている。喫煙や糖分のとりすぎによる生活習慣病も重い課題だ。人類の健康をめぐる苦闘の歴史をたどる。


著者プロフィール
詫摩 佳代 (タクマカヨ) (著/文)

1981年生まれ。2005年、東京大学法学部第3類卒業、10年、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻国際関係論博士課程修了。博士(学術)。東京大学東洋文化研究所助教、関西外国語大学外国語学部専任講師などを経て、15年より首都大学東京法学政治学研究科准教授。著書に『国際政治のなかの国際保健事業――国際連盟保健機関から世界保健機関、ユニセフへ』(ミネルヴァ書房、2014年:安田佳代名義)。

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Book Meter Reviews

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  • kinkin

    人類の歴史は病との闘いが大きく関係していることを知る。今世界は新型コロナに翻弄されている。過去にはペスト、コレラ、天然痘やマラリア、スペイン風邪など多くの感染症が流行して多くの人命も失われた。しかし現在の新型コロナのような世界中を巻き込んだ感染症はこれが初めてではないか。ワクチンの投与とウィルスの変異とのイタチごっこになりつつあるのではないかと思う。国同士の対立や紛争は激しくなってきた。今こそ人類の英知をウィルス対策に向けるべきだ。図書館本

  • tamami

    法学部の先生が感染症の本とは?という思いも、読み進めていくうちに納得。序章ではペスト、コレラ、といった古典的?感染症への戦いの様子が記される。以下第3章まで、二つの世界大戦を挟んで、天然痘、マラリア、エイズ等々、名だたる!感染症との攻防が記され、それは医療の進展と共に、社会体制や国境を越えた国や組織の協力があってのことという。後半は、感染症また生活習慣病に十全な医療を施すためには、国境を越えた政治力、医薬品へのアクセスを巡る企業への対応、貧困への対策等の重要性が説かれる。コロナ禍の今、深く頷くことばかり。

  • パトラッシュ

    新型コロナのワクチンを巡り各国の争奪戦が激化する現在、国際政治学者の書いた人と感染症の関係史はタイムリーだ。政治経済的利害関係から検疫に積極派と消極派との対立は19世紀以来続き、WHO創設で国際保健協力の枠組みが誕生後も各国のプライドと思惑が衝突続きなのは日々報道されている。影響する範囲が大きい感染症の政治利用が図られる一方、貧困国の流行病は薬もないまま顧みられない。この現状を改善できる見込みがない以上、保健と政治の有効な協力体制こそ必要と著者は訴える。政治に絶望するか挑むべきか、読者を分ける重い1冊だ。

  • 崩紫サロメ

    本書は校正中に新型コロナウイルスの流行があり、それも踏まえて加筆されたという。二度の大戦における感染症、天然痘・ポリオ・マラリアの「根絶」事業、エイズから新型コロナウイルスまでの新たな脅威、そして生活習慣病対策の難しさを扱う。感染症対応には国際政治が影響するが、悪いことばかりではなかったと著者はいう。国際連盟を脱退した日本も国際連盟保健機関との協力を続けたし、冷戦期の米ソもポリオワクチン開発のために協力した。このように感染症の管理を通じて政治的な緊張を解くことが期待されてきたが、(→)

  • さとうしん

    国際政治の文脈から見たWHO簡史。感染症対策だけでなく生活習慣病への対応なども話題にする。新型コロナウイルスへの対応ではWHOの政治的中立性が問われているが、本書ではそもそも冷戦時代には米ソの動きが感染症対策に強く影響したり、糖類摂取量ガイドライン制作時にアメリカが分担金の減額をちらつかせてWHOを脅したりするなど、大国が政治的にWHOに影響力を行使してきたこと、反面、WHOが大国の政治的影響力を利用して事業を展開してきたことを示している。中国のWHOへの影響力も、そのようなものとして評価できるだろう。

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