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夢の浮橋

Junichiro Tanizaki

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122049130
ISBN 10 : 412204913X
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2007
Japan

Content Description

若くして死んだ母そっくりの継母。主人公は継母へのあこがれと生母への思慕から、二人の存在を意識のなかでしだいに混同させてゆく。谷崎文学における母恋物語の白眉。ほかに晩年のエッセイ四篇を収載。初文庫化。

目次 : 夢の浮橋/ 親不孝の思い出/ 高血壓症の思い出/ 四月の日記/ 文壇昔ばなし

【著者紹介】
谷崎潤一郎 : 明治19年(1886)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝大国文科に入学するも、のち中退。明治43年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和40年7月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和24年には、第八回文化勲章を受けた。昭和39年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    タイトルは谷崎が終生愛してやむことのなかった『源氏物語』の最終巻である。してみると、これはその源氏の続きともいうべき夢物語であるのか。これが純然たる創作であることを知りつつも、読んでいるとつい谷崎自身のことを語っているのではないかとの錯覚に陥りそうになる。あるいは、この作品は錯覚、あるいは錯視の上に成立する物語なのではあるまいか。二人の母に与えられた茅渟の名ばかりか、「私」の幼児の記憶の中の母の混乱、あるいは不連続の連続。糺の森(主人公の名も糺である)に包まれて静かに語られる妖艶な物語。

  • 優希

    中編とエッセイから晩年の谷崎の円熟した筆を感じることができました。母恋物語も、日常のあれこれも谷崎の手にかかると優美で風雅な空気を醸し出します。流れるような文章が心地よく、特に散文による記憶の描写はありありとその様子が浮かんでくるようでした。小説のエロティシズムと朧げな印象もまた然り。贅沢を言えば小説の雰囲気をもっと味わいたかったところです。

  • コットン

    短編『夢の浮橋』が面白い。主人公の母と語調や所作・雰囲気まで瓜二つの義母という二人の存在や義母の意外な過去と現在が読み終わると幻想的でもあると感じました。近藤聡乃さんのおすすめ本!

  • 安南

    タイトル通り源氏物語を下敷きに、藤壺と源氏のように糺と義母との母子相姦が仄めかされる。けれども、この糺氏は、罪悪感に苛まれることも思い悩むこともない。そういった人間の情念を描かないことで、むしろその異常さが際立つ。物語は終始曖昧で薄らぼんやりとしていて、乳房の熱さは伝わってくるのに、どうにも冷え冷えとして、寂寥感が漂う。それにしても、この変態ぶりはどうだろう…乳房フェチはわかるけど、アレ(ネタバレか?)まで、口にしてしまうとは…。それもコップで…。

  • Mishima

    おしなべて、晩年の谷崎作品には嫌悪が先立つのですが、これは別枠です。他の作品群と題材は同一であるだろうに、斯くも受け取り方に差異があるという、驚愕の筆致さばき。谷崎作品のベスト5。

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