月 角川文庫

辺見庸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041111505
ISBN 10 : 4041111501
フォーマット
出版社
発行年月
2021年02月
日本
追加情報
:
400p;15

内容詳細

ベッドにひとつの“かたまり”として横たわり、涯てなき思索に身を委ね続けるきーちゃん。世話をする施設職員のさとくんは、ある使命感に駆られ、この世の中をよくするため凶器を手に立ち上がる―。社会に蠢く殺意と愛の相克、「にんげん」現象の今日的破綻と狂気を正視し、善悪の二項対立では捉えきれない日本の歪みを射貫く。実際の障がい者施設殺傷事件に想を得た、凄絶なる存在と無の物語。

【著者紹介】
辺見庸 : 作家。1944年、宮城県生まれ。早稲田大学文学部卒。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年、退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞受賞。2011年、詩集『生首』で中原中也賞、翌12年、詩集『眼の海』で高見順賞、16年、『増補版1★9★3★7』で城山三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 坂城 弥生 さん

    意味不明な妄想の話で最後まで読むのは無理でした。

  • ちょん さん

    やっと読み終わった!読み切るのに時間がかかってしまいましたが読みたかった本。相模原の事件をモチーフにしてるんだよね?文中にもあったしあの事件の本当に怖いなと思うのは犯人が「悪意は無い、善意でやった」ことだと思ってます。怖くてこの事件を直視できない。そう思うと、本作の散文のような書き方は読みにくく分かりにくかったけど良かったのかも、だってそれが人の気持ちと考えなのだし、言葉でキレイに分かりやすくまとめれるものじゃないもんなぁ。映画もどうなってるのか見てみたい。そしてタイトル。良きです。

  • Tomomi Yazaki さん

    読む前と読んだ後で自分がどう変わるのか不安でならない。本書を読むにはそれなりの覚悟が必要です。意思表示の出来ない人間。看護者の暴言や虐待もまた、彼らにとっては得難いコミュニケーションのひとつ。痛いけど嬉しい。何もできないより楽しい。そして彼は実行に移す。優生思想の具現化として。彼は狂ってはいない。狂人が総理大臣に手紙は出さない。その総理も凶弾に倒れたが。やったことは殺人でも、生まれる前に殺すか、生まれてから殺すかの違いだけ。昔の見世物小屋は、今はパラリンピック。そう、本書は稀にみる傑作なのです。

  • ブラックジャケット さん

    重度障がい者という存在にきちんと向き合うことはキツい。著者はキーちゃんという、寝たきりで眼も見えず話すことも出来ない重度障がい者の内面を借り、モノローグで小説世界を切り拓いて行く。手法は驚くべき仕掛けがある。ひらがな、カタカナを多用し、読みにくくならないように漢字を配置するオリジナリティの高い文章だ。キーちゃんの心象風景に頼りつつ、他の視点に乗り移る柔軟性もある。モデルとなった津久井やまゆり園の虐殺事件のさとくん視点で、語る世界は慄然とさせられる。心がない人と断定されたキーちゃんの物語は「月」そのもの。

  • Satoshi さん

    やまゆり園事件をモチーフにした辺見庸による小説。宮沢りえ主演で映画化されたようだが、本作をそのまま映画化はしていないであろう。ストーリーテラーは重度障害者のきーちゃんと殺人犯のさとくん。さとくんが心失者とするきーちゃんが見るさとくんと狂気に囚われて重度障害者を殺害することを使命とするさとくん。この両面からのストーリーは読者の偽善的なヒューマニズムに問いかけていくようだ。

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辺見庸

1944年宮城県石巻市生まれ。70年共同通信社入社、北京特派員、ハノイ支局長、外信部次長などを経て96年退社。78年中国報道により日本新聞協会賞受賞、87年中国から国外退去処分を受ける。91年『自動起床装置』で芥川賞、94年『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞、2011年詩文集『生首』で中原

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