水の透視画法 集英社文庫

辺見庸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087450354
ISBN 10 : 408745035X
フォーマット
出版社
発行年月
2013年02月
日本
追加情報
:
342p;16

内容詳細

大地が揺れ海が盛り上がり、見たこともない火柱が立つ―3.11を予見していた作家が、震災に至る3年の間、日常の底に潜むかすかな兆しを丁寧にすくいとって描いた77篇の随想。わたしたちに本当は何が起きたのか、わたしたちは今、どこへ向かっているのか…。視えざる全体主義にからめとられた現代社会を抉る、胸ゆさぶる魂の言葉、黙示録的文明批評。文庫化にあたり、新たな視座を加筆。

目次 : 1(絵入り洋燈と観覧車/ 栴檀の大樹の下で/ 永久凍土のとける音 ほか)/ 2(たけのこ懐石/ ことばに見はなされること/ 断念の沼のカエルたち ほか)/ 3(堕落した神/ 痛みのめぐみ/ よるべきはなにもなし ほか)

【著者紹介】
辺見庸 : 1944年宮城県石巻市生まれ。作家。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、外信部次長、編集委員などを経て、96年退社。78年中国報道で日本新聞協会賞、87年中国当局から国外退去処分を受ける。91年『自動起床装置』で芥川賞、94年『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞、2011年詩文集『生首』で中原中也賞、12年詩文集『眼の海』で高見順賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • yumiha さん

    かつて世界を飛び回っておられたのに、脳出血で右手右脚がマヒしてしまったそうな。「台上の心得」や横断歩道を渡り切らないうちに赤になる信号は、私も経験済み。プレカリアートや〈断念の沼〉は、今の世の中を捉える視点として、示唆をいただいた。また、その視点に立ったうえで石原吉郎の「ことばから見放される」という引用も、ズキッときた。ビンラディンのオーデコロンや北京五輪のスタジアムは、驚かされた。最後の3.11のページは、ドキドキして読んだ。ただ読み飛ばせない話が続くのでしんどくなり、途中で気分を換えながら読み続けた。

  • reading さん

    初読み。骨太で格調高い文章は高村薫氏を彷彿とさせる。 少し難解な部分もあるが、他の作品も読んでみたい。

  • ジョンとらぼるた さん

    「殺すくらゐ 何でもない/と思ひつつ人ごみの中を/闊歩して行く」(P47)夢野久作…ぶっ飛ばされ「こづいている子は、ときどき私をふりかえり、あどけない顔で笑った。」(P20)辺見庸…震えた。子どもの「無邪気な悪」に怖れおののく。この子は大人からは「良い子」として通ってるのではないか、こづかれている子はどんな心境なのか、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の宍戸修と眼鏡の優等生を思い出したり、ともかくこの一文に出逢ってからごちゃごちゃ思考が頭の小宇宙を駆け巡った。他にもこの本の中には日常の非日常が散りばめられている

  • 繻子 さん

    一区切り読めば気持ちが落ち着く。本当にただの好みの話で、辺見庸の言葉のセンスが好きだ。滲んだような風景を眼で追ったままなように描き、時折色を差すものが、具体的な季節の花、蝶、動物の色、枯れ葉で、本人のやや偏った思考を書き連ねているのに、文章はやさしく描写を重ねている。電車に光が満ちる場面など、読んでいて恍惚とする。ちょっとセンチメンタルすぎるところが、また良いです。

  • 魚53 さん

    繰り返し読む。描写の素晴らしさ。「一人ひとりの孤独に届くように書いた」とあったが、その通りで、私は深い井戸の底に落ちたようにこの文章を読んだ。というより聴いた。暗い井戸の側面か、底か上か、どこかから響いてくるような声を聴き逃がすまいとして。

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辺見庸

1944年宮城県石巻市生まれ。70年共同通信社入社、北京特派員、ハノイ支局長、外信部次長などを経て96年退社。78年中国報道により日本新聞協会賞受賞、87年中国から国外退去処分を受ける。91年『自動起床装置』で芥川賞、94年『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞、2011年詩文集『生首』で中原

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