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遊戯する神仏たち 近世の宗教美術とアニミズム ちくま学芸文庫

Nobuo Tsuji

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480096616
ISBN 10 : 4480096612
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2015
Japan

Content Description

いつの世も庶民はひたすらこの世の幸を追い求めるもの。その奔放な想像力にかかれば神様仏様といえどもこの通り、親しみ深く荒削り、すこぶるかわいらしく、ときには世にも怖ろしい姿となる。アニミズム的感性に裏打ちされた力強く鮮烈な表現は、正統的な宗教美術とは一線を画す、異次元の美の宇宙を形づくっている。妖怪となった器物=付喪神の饗宴、白隠や仙〓(がい)の不羈奔放な禅画、大らかな性器崇拝と春画との関わり、そして北斎の劇画の如き仏画と異形の滝…。「奇想」の発見で日本美術史を塗り替えた眼の革命家が、宗教美術のもう一つの水脈に分け入り、その核心に迫る。

目次 : 1 日本美術に流れるアニミズム/ 2 変容する神仏たち―近世宗教美術の世界/ 謎多い遊行僧円空にひかれて/ 木喰と東北・上越/ 野に生きた僧―風外慧薫の生涯と作品/ 近世禅僧の絵画―白隠・仙〓(がい)/ 白隠“半身達磨像”(永明寺本)/ 3 浮世絵春画と性器崇拝/ 北斎の信仰と絵/ 北斎晩年の“ふしぎな世界”/ 4 天龍道人源道の仏画

【著者紹介】
辻惟雄 : 1932年、名古屋市生まれ。美術史研究家。東京大学大学院美術史博士課程中退。東京国立文化財研究所美術部技官、東北大学文学部教授、東京大学文学部教授、国立国際日本文化研究センター教授、千葉市美術館館長、多摩美術大学学長などを歴任。ユニークな視点で、従来あまり注目されてこなかった日本人の美意識、日本美術におけるエキセントリックな表現や「かざり」「アニミズム」などの遊びの精神の発掘を行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 吟遊

    「遊戯」「アニミズム」を日本美術の、この本ではとくに江戸美術の面白みとして取り上げている。円空をはじめとする仏像を彫りながら、東北・北海道などさまざまな地域へ旅した僧侶、また、白隠をはじめとする禅画の面白み、凄みをみていく。もともとが論集(初出はばらばら)なので、話題も散る。そのため、肝心の「あそび」「遊戯性」がなにかは、思想的には論究されないのが残念。おまけ:北斎晩年の絵から取られた装丁がとってもよかった。

  • うた

    一見、雑然としながらも滋養が豊かな土地のように信仰と芸術が上手く融合している日本の宗教芸術。白隠や蕭白なんてゲテモノもいいところなのだけれど、絵から発せられるあの力強さは認めざるをおえない。同時に彼らの強烈さがあったからこそ、日本ではきれいに体系化された西洋文化への憧れも生まれたのだろう。若冲は時間とってゆっくり見て回りたいものだ。

  • mittsko

    知らないことばかりで大変興味ぶかく読んだ しかも読みやすいので、あっという間に読了、ありがたい一冊です(。・ω・。) 日本美術史の業績として本書を評価する才覚はボクにはないので、巻末の矢島新「解説 辻惟雄の眼―新たな価値の提言」における、非常に包括的な書評論文をそのまま鵜呑みにしておきます 一方、私なりの評としては… 本書があつかう(京都日文研系の)アニミズム論は きわめて問題発見的ではあるけれど、そのままでは空疎にすぎる、と思いました 歴史と思想による充填と改変が必要なのだなぁ、と

  • くれは

    辻先生は日本美術の特色として「かざり」「あそび」に加え、本書で「アニミズム」を挙げられています。これらは、私の理解では、日常に寄り添ったもの、気楽で楽しいもの、自然への畏怖と敬慕の念を表すもの、と言えると思います。しかしよく考えてみると、これらはアフリカや他のアジアの美術にも見られるものなので、日本美術のみの特色とするのはやや言い過ぎではないかとも思います。しかし、より発展させて、このように言うことは出来ると思う。(コメントへ)

  • はちめ

    白隠について再認識することができた。ただ、この本全体をアニミズムで括ることにどれだけ意義があるかは不明。図番も多く読んで楽しい一冊です。

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