タイトルに惹かれて手に取った一冊です。解剖学者・養老孟司と芸人でラジオパーソナリティーでもある伊集院光の対談をまとめた本で、読みやすいけど真理をついた面白い本でした。2人とも知識が豊富なのに型に嵌らずに柔軟な考え方が心地いい。私たちは世間からはみ出ないように生きようと、自分に無理を強いたり色んな事を我慢しがちだけど、そもそもあなたが言う世間って何？自分よりも世間を優先する意味ってあるの？世間を抜け出す方法など、読み終わる頃には世間とズレる自分を少しだけ受け入れる事が出来るようになっているかもしれません。

氏の著作には割と音響や芸術に対する記述が多いが、特に本書ではそれらが詳細に記載されていますので、特に音楽好きしかも深く音楽を探求されている方にはオススメの書籍だと思います。 昨今流行のアナログ盤が何故デジタルデータよりも深みを感じ取ることが出来るのかのヒントが本書には記載されています。 個人的には長年悩んでいたパッケージ版としての音楽の感動のポイントがどこに存在するのかのある種の回答を得られたことに非常に満足しています。

「・・・んんんなるほどっ！！」と思える部分がたっくさんありました。 日々いかに自分が意識中心でものを考えているかということを痛いくらいに思い知らされました。 気が付けば私も、「ああすればこうなる式」に物事を考えるようになっていました。 所詮私も都市の人間ってことですね。 ああ、恐ろしい。 養老さんの本を読んで得た気付きを大切にしていきたいと思います。 今読んでおいて良かったぁ・・。

自分もいつの間にか「バカの壁」に囲まれていました。