ドゥヴィエルほか豪華演奏陣が、
時代を駆け抜けた問題児への憧れと追憶を鮮やかに甦らせる!
徹底した当時の流儀で一切の妥協無しに19世紀以前のレパートリーと向き合うため、近年は独自の楽団も立ち上げた古楽器金管奏者ジャン=フランソワ・マドゥーフ。彼らが、ル・ポエム・アルモニークで長く中心的役割を果たしてきた個性派古楽歌手アルノー・マルゾラーティのグループと、西洋史屈指の異端児ナポレオンについてのユニークなアルバムを録音!
フランス大革命が生んだ異端児ナポレオン・ボナパルトは、その破天荒な活躍ゆえ熱狂的支持と風刺や嫌悪とをどちらも巻き起こしましたが、ここには彼が活躍した時代から太平洋のセントヘレナ島へ追放された後まで、さまざまな時期に書かれた歌が集められています。演奏陣はまさに精鋭ぞろいで、「ERATO」レーベルで素晴らしい歌声を聴かせている美貌のソプラノ歌手ドゥヴィエルや、レ・シエクルのオフィクレイド&セルパン奏者ヴィバールの参入も頼もしいところ。ナチュラル楽器から最初期のピストン付にいたるピリオド金管の響きの玄妙さがアクセントを添える中、時代感の演出に終わらない細やかなフォルテピアノ演奏で歌を支えるダニエル・イゾワールの好演も聴きどころ。変幻自在の表情豊かな歌声を交錯させる歌手陣の巧みな解釈は、作曲者さえ不明なものも多いこれらの作品を驚くべき生々しさで現代に甦らせてゆきます。街角で人々の耳目を弾いた手回しオルガンの再現まで試みられている点も驚き。
徹底した古楽的解釈姿勢あればこそ辿り着き得た、聴くほどに惹かれる異色の19世紀音楽アルバムです。(輸入元情報)
【収録情報】
1. ジョゼフ=ダヴィド・ビュール[1781-1860]:ファンファーレ『旗の下に』(1805)
2. ジョゼフ・ドゥニ・ドシュ[1766-1825]/エミール・ドブロー[1796-1831]編:覚えているか?(1817)
3. ビュール:ソヌリ『火を消すために』(1805)
4. オルタンス・ド・ボアルネー[1783-1837]:母から息子へ 別れの言葉(1809/13)
5. 作者不詳:じゃがいも
6. ポワリエの無名歌手:ボナパルト将軍に従うフランス国民(1799?)
7. 王党派の無名歌手:ボナパルトの功績(1815)
8. 作者不詳:仕掛け爆弾の哀歌(1801?)
9. ジョヴァンニ・パイジエッロ[1740-1816]:第一統領行進曲(1802/03)
10. ジャン=ジョゼフ・ヴァデ[1720-1757]:ナポレオンの戴冠(編曲者不詳)(1805)
11. ビュール:アダージョとポロネーズ(1804)
12. ロイザ・ピュジェ[1810-1889]:見習士官隊(1843)
13. アンドレ・エルネスト・モデスト・グレトリー[1741-1813]:勝利は我らのもの(編曲者不詳)(1812)
14. 作者不詳:たまねぎの歌(1800)
15. 作者不詳:徴集兵(1810?)
16. ピエール=ジャン・ド・ベランジェ[1780-1857]:イヴトーの王(1813)
17. 作者不詳:ロシア遠征
18. ルイージ・ケルビーニ[1760-1842]:パ・ルドゥブレ第4番(1814)
19. アントワーヌ・ロマニェージ[1781-1850]:ジョゼフィーヌの墓(1814?)
20. マルク=アントワーヌ・デゾジエ[1772-1827]:ワーテルローの戦い(1815)
21. ケルビーニ:行進曲 第2番(1814)
22. ベランジェ:人民の追憶(1828)
23. ベランジェ:セントヘレナ
レ・リュネジアン
サビーヌ・ドゥヴィエル(ソプラノ)
ダヴィド・ギラルディ(テノール)
イゴール・ブアン(バリトン)
ジョフロワ・ビュフィエール(バス)
ダニエル・イゾワール(フォルテピアノ)
パトリック・ヴィバール(セルパン)
ローラン・マドゥーフ(手廻しオルガン)
ロマンティーク金管合奏団
ジャン=フランソワ・マドゥーフ、ジャン=ダニエル・スション(ナチュラルトランペット、キイ式ビューグル)
フローリアン・レアール、ローラン・ジャンティル(ナチュラルトランペット)
ピエール=イヴ・マドゥーフ、シリル・グルノ、リオネル・ルヌー(ナチュラルホルン)
ローラン・マドゥーフ(ビュサン=トロンボーン、オフィクレイド)
マリー=アンジュ・プティ(各種打楽器)
アルノー・マルゾラーティ(バリトン、音楽監督)
録音時期:2020年12月1-4日
録音場所:フィラルモニー・ド・パリ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)