オットー・クレンペラー 秘蔵音源集 1955年、1958年
英国音楽の録音を積極的に行い、知られざる作曲家の発掘にも貢献した「Lyrita Recorded Edition」レーベル創立者、リチャード・イッター[1928-2014]。彼が当時最先端のプロ用機材を用い、1952年からエアチェックしていたというBBC放送の音源を集めた、貴重なコレクションからCD化するシリーズ第4弾。今回はベートーヴェンのみ、個人コレクターの音源から収録されています。
クレンペラーの第2集となるこのアルバムは、BBC響とのスタジオ・ライヴのモーツァルトとブラームスが初出、ベートーヴェンもかつてマイナーレーベルでリリースされた形跡があるものの、ほぼ初出に近いものです。ライヴならではの高いテンションが特徴で、ベートーヴェンに至っては、翌1959年のスタジオ録音より5分以上も早くなっているのが驚き。またこちらも1961年のスタジオ盤との比較で5分ほど早くなっている『ドイツ・レクィエム』では、バイエルン国立歌劇場で当時活躍中のバリトン、まだ22歳だったハンス・ヴィルブリンクと、カール・ベームのお気に入りだったことで知られるドイツのリリック・ソプラノ、エルフリーデ・トレッチェルを起用。
音質に関しては、50年代のエアチェックとしては非常に良い状態で残っており、入念なリマスタリングで、70歳を超えてなお元気なクレンペラーの力強いパフォーマンスを堪能することが出来ます。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
1. モーツァルト:交響曲第25番ト短調 K.183
2. ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
BBC交響楽団(1)
フィルハーモニア管弦楽団(2)
オットー・クレンペラー(指揮)
録音時期:1955年12月14日(1) 1958年8月24日(2)
録音場所:ロンドン、メイダ・ヴェールBBCスタジオ(1) エディンバラ、アッシャー・ホール(2)
Disc2
3. ブラームス:ドイツ・レクィエム
エルフリーデ・トレッチェル(ソプラノ)
ハンス・ヴィルブリンク(バリトン))
BBC交響楽団&合唱団
録音時期:1955年12月9日
録音場所:ロンドン、メイダ・ヴェールBBCスタジオ
録音方式:モノラル(ライヴ)
初出(1,3)
【演奏時間比較(楽章トータル)】
モーツァルト25番
今回のライヴ…18:41
スタジオ(1956年フィルハーモニア管)…19:15
ベートーヴェン5番
今回のライヴ…34:02
スタジオ(1959年フィルハーモニア管)…39:48
ドイツ・レクィエム
今回のライヴ…63:47
スタジオ(1961年フィルハーモニア管)…69:06