1981年発表のThere Must Be A Better World Somewhereでグラミー賞を受賞。これは音的にはAOR路線ともいえるもの。その後’80年代はナッシュヴィル録音のカントリー・ブルース集を作ったかと思えば、ジャズ系ミュージシャンを集めていきなりストレートなブルースをやったり、またシンセや打ち込みを使用したアルバムを作ったり….とかなり迷走といった印象だったが、ひとつ’80年代末には大きな出来事があった。1988年、U2のメンフィス巡礼をドキュメンタリーで描いた映画魂の叫び で、彼らと競演。再びロック・ファンの間で脚光を浴びたのだ。
そして20世紀の終わり、2000年春にB・B・キングが関係する注目のアルバムが二枚発表された。一枚はもちろん本人の新作で充実したブルース・フィーリングを聴かせてくれる Makin’ Love Is Good For You、そしてもう一枚は、より幅広い層の音楽リスナーに受け入れられ、大セールスを記録しているエリック・クラプトンとの競演作 Ridin’ With The King。こちらは内容的にはリラックスしたブルース大会で、クラプトンのロックっぽさと対称的にB・Bのおおらかなブルース・フィーリングが際立ち、興味深い好作品に仕上がった。