ルネ・ヤーコプス・エディション（１０ＣＤ限定盤）

ルネ・ヤーコプス・エディション（１０ＣＤ）
カウンターテナー歌手としての２０年
DHM, SEON, SONYの音源から

現在は指揮者として有名なルネ・ヤーコプスは、1990年代初頭まではカウンターテナー歌手として世界的な活躍をしていたことでも知られています。
　ヤーコプスの歌声はファルセットと胸声の質の差が少なく接続も非常に滑らか、ギャラントな高域から深みのある低域まで巧みにカヴァーされた見事なもので、その歌唱スタイルにはそうした美質が十分に生かされ、ドラマティックな説得力を持つものとなっていました。
　ヤーコプスは、1946年10月にベルギーのヘントに生まれています。少年時代、ヘント大聖堂の聖歌隊歌手を務めたヤーコプスは、ヘント大学でラテン語やギリシャ語などの古典言語学を学ぶ一方、ベルギーの名テノール、ルイス・ドゥボスとイギリスの名カウンターテナー、アルフレッド・デラーに師事、デラーからカウンターテナーになるよう推奨され、レオンハルトやクイケン兄弟と共演してキャリアを重ね、様々なレコーディングにも参加しています。
　やがて1977年に自らのアンサンブル「コンチェルト・ヴォカーレ」を結成し、指揮者としての活動も本格的に開始、1988年からはバーゼル・スコラ・カントルムでバロック音楽について教えるようになり、1991年にはインスブルック音楽祭の芸術監督を務めていました。
　以後、ヤーコプスは、主に指揮者として活動、モンテヴェルディからモーツァルト、宗教音楽から交響曲に至る作品を熱心に紹介し、高い評価を獲得してきました。
　「ルネ・ヤーコプス・エディション」と題された当10枚組セットには、1973年から1992年までの20年間のカウンターテナーとしてのレコーディングから評価の高かったものが中心に選ばれており、多様なレパートリーでのヤーコプスの優れた歌唱を楽しむことができます。（ＨＭＶ）

【収録情報】
CD1：モンテヴェルディ：マドリガーレ集＆フレスコバルディ：カンツォン集
モンテヴェルディ：
・『アリアンナの嘆き』
・『お前は何の言葉もかけてくれない』
・『ああ，私は傷つき倒れる』
・『かつてあなたは私のすべてだった』
・『上品で美しい御婦人が』
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー）
　マリヤンヌ・クヴェクジルバー（ソプラノ）
　マリウス・ファン・アルテナ（テノール）
　ミヒール・テン・ハウテ・デ・ランゲ（テノール）
　フロリス・ロマーツ（バス）
　グスタフ・レオンハルト（指揮、チェンバロ）
　録音：1979年9月　ステレオ（セッション）SEON音源

フレスコバルディ：
・『Corilla danzando』
・『Ti lascio』
・『Cosi mi disprezzate?』
・『Doloroso mio core』
・『Con dolcezza e pietate』
・『O mio cor』
・『Ohime, che fur』
・『O dolore』
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー）
　モンセラート・フィーゲラス（ソプラノ）
　ナイジェル・ロジャース（テノール）
　ミヒャエル・ショッパー（バス）
　バーゼル・スコラ・カントゥルム器楽アンサンブル
　録音：1983年、バーゼル（デジタル）DHM音源

CD2：ルイージ・ロッシ：『美しい鐘』～カンタータ, デュエット,三重唱集
ルイージ・ロッシ：
・『A chi vive』
・『Avessi ohime』
・『Ahi, dunqu'e pur vero』
・『Quanto e credulo』
・『O biondi tesori』
・『Lascia, speranza, ohime』
・『Luci belle, mio tesoro』
・『Precorrea del sol』
・『Occhi belli』
・『Fanciulla son io』
・『In questo duro esilio』
・『Rugge quasi leon』
・『Amanti, sentite』
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー）
　ローズマリー・ホフマン（ソプラノ）
　クルト・ヴィドマー（バス）
　ジョス・ファン・インマゼール（チェンバロ）
　コンラート・ユングヘーネル（リュート）
　ペレ・ロス（ヴィオラ・ダ・ガンバ）
　録音：1979年9月、ハールレム（ステレオ）SEON音源

CD3：ジョン・ブロウとウィリアム・ローズ作品集
ジョン・ブロウ：
・『ヘンリー・パーセルの死を悼む頌歌』
・『アンフィオン・アングリクス』より
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー）
　ジェイムズ・ボウマン（カウンターテナー）
　マリウス・ファン・アルテナ（テノール）
　マックス・ファン・エグモント（バリトン）
　ネリー・ファン・デァ・スペック（ソプラノ）
　山本能扶子（ソプラノ）
　アンナー・ビルスマ（チェロ）
　グスタフ・レオンハルト（チェンバロ）
　リッカルド・カンジ（リコーダー）
　マリオン・フェアブリュッヘン（リコーダー）
　マリー・レオンハルト（ヴァイオリン）
　アントワネット・ファン・ホンベルフ（ヴァイオリン）
　録音：1973年1月（ステレオ）SEON音源

ウィリアム・ロウズ：
・『O My Clarissa, Thou Cruel Faire』
・『Gather Ye Rosebuds While Ye May』
・『Beauty in Eclipsa』
・『Justitia Sacrum』
・『When Man ffor Sinne Thy Judgment Feeles』
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー）
　佐藤豊彦（リュート）
　録音：1978年（ステレオ）SEON音源

CD4：イタリア宗教的作品集
・グランディ：『サルヴェ・レジナ』『ああ、あなたは何と美しい』
・カリッシミ：『マニフィカト』
・シュッツ：『我が魂は主をあがめ』
・ベデッカー：『キリストがお生まれになった』
・バッサーニ：『Nascere, nascere, dive puellule』
・ガリアーノ：『羊飼いたちよ、さあ、起き上がりなさい』
・グラツィアーニ：『Gaudia, pastores』
・ジャンベルティ：『O belle lagrimette』
・マッツォッキ：『Giunto alla cuna』
・ヴィアダーナ：『羊飼いたちよ、汝ら見たものを語れ』『栄えある聖母よ』『イスラエルの民は歌いぬ』
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー）
　バーゼル・マドリガーリステン
　バーゼル・スコラ・カントゥルム弦楽アンサンブル
　録音：1986年＆1992年（デジタル）DHM音源

CD5：スカルラッティ：ヨハネ受難曲
・アレッサンドロ・スカルラッティ：ヨハネ受難曲
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー：福音史家）
　クルト・ヴィトマー（バス：イエス）
　バーゼル・マドリガーリステン
　バーゼル・スコラ・カントゥルム弦楽アンサンブル
　録音時期：1981年10月23～26日、バーゼル（デジタル）DHM音源

CD6：ゼレンカ：エレミアの哀歌とマニフィカト
ゼレンカ：
・エレミアの哀歌（聖水曜日、聖木曜日、聖金曜日のための）
・マニフィカト (1725)
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー、指揮）
　ギイ・ドゥ・メイ（テノール）
　クルト・ヴィトマー（バス）
　バーゼル・スコラ・カントゥルム器楽アンサンブル
　録音：1982年11月、1986年、バーゼル（デジタル）DHM音源

CD7：マルチェッロ：詩的・音楽的霊感
・マルチェッロ：『詩的・音楽的霊感』より詩篇第50篇（初CD化）
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー、指揮）
　ギイ・ドゥ・メイ（テノール）
　クルト・ヴィトマー（バス）
　ヤープ・シュレーダー（ヴァイオリン）
　今村泰典（リュート）
　バーゼル・スコラ・カントゥルム器楽アンサンブル
　録音：1979年、バーゼル（ステレオ）DHM音源

CD8：バロック室内カンタータ集
・ポルポラ：カンタータ第8番『太陽にかかる無情な雲が』
・カルダーラ：カンタータ『小川のほとりで』
・ヘンデル：カンタータ『私の胸は騒ぐ』
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー）
　グスタフ・レオンハルト（チェンバロ）
　シギスヴァルト・クイケン（ヴァイオリン）
　バルトルド・クイケン（フラウト・トラヴェルソ）
　アンナー・ビルスマ（チェロ）
　録音：1974年10月（ステレオ）SEON音源

CD9：ヘンデル：オペラ名アリア集
・ヘンデル：歌劇『アレッサンドロ』、『パルテノーペ』、『タメルラーノ』*より
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー）
　シギスヴァルト・クイケン指揮、ラ・プティット・バンド
　ジャン＝クロード・マルゴワール指揮、ラ・グラン・エキュリー・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ*
　録音：1979～1984年（ステレオ＆デジタル）DHM音源、SONY音源*

CD10：バッハ：三大宗教作品名アリア集
・J.S.バッハ：マタイ受難曲、ヨハネ受難曲、ロ短調ミサ曲より
　ルネ・ヤーコプス（カウンターテナー）
　グスタフ・レオンハルト、シギスヴァルト・クイケン指揮
　ラ・プティット・バンド
　録音：1985～1989年（デジタル）DHM音源