CD 輸入盤

グレート・コンダクターズ(30CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
600237
組み枚数
:
30
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


グレート・コンダクターズ(30CD)

ドイツのメンブラン・レーベルから、20世紀に活躍した個性的な指揮者たちの音源を集めたお買得ボックスが登場。モノラル後期からステレオ初期の音源を中心に構成されており、聴きやすい音の水準は確保されています。
 基本的にディスク1枚に指揮者1名の音源を収録、ディスクの順番は指揮者名のアルファベット順で、手軽なヒストリカル音源コレクションとしても便利です(なお、Disc17のマゼール編にハチャトゥリアン自作自演も収録されてしまっています)。
 有名音源が大半ですが、中にはキャピトル・レコードがステレオ録音したラインスドルフ指揮コンサート・アーツ交響楽団のワーグナー管弦楽曲集といった入手困難なものもあったりするので見逃せません。(HMV)

【収録情報】

Disc1:エルネスト・アンセルメ
● ビゼー:『カルメン』〜4曲
● ドリーヴ:『コッペリア』〜2曲より
● デュカス:『ラ・ペリ』
● チャイコフスキー:『白鳥の湖』〜4曲
● ストラヴィンスキー:『春の祭典』〜第1部
 スイス・ロマンド管弦楽団
 エルネスト・アンセルメ(指揮)
 1957年〜1960年録音

スイスの指揮者、エルネスト・アンセルメ[1883-1969]のデッカ録音(ステレオ)。デュカスが書いた『ラ・ペリ』を中心に、他の曲は有名録音の抜粋というアンセルメの紹介ディスクのような構成。『ラ・ペリ』は、古代ペルシャの仙女ペリを巡る話。冒頭の壮麗なファンファーレで有名ですが、全体にエキゾチックで色彩豊かな音楽が魅力的。アンセルメの演奏はこの作品の代表的なものとして知られており、フランス近代のオーケストレーションの魅力を堪能させてくれます。
Disc2:ジョン・バルビローリ
● エルガー:交響曲第1番
● エルガー:弦楽のためのエレジー Op.58
● エルガー:エニグマ変奏曲 Op.36(抜粋)
 ハレ管弦楽団
 ジョン・バルビローリ(指揮)
 1956年録音

イギリスの指揮者、ジョン・バルビローリ[1899-1970]のNIXA(PYE)録音(ステレオ)。晩年と違って、この頃のバルビローリはまだまだ元気で、随所にアグレッシヴな力強さを感じさせてくれる一方、抒情的な要素もすでに十分に濃くなっており、ここでのエルガー作品でもたとえば「ニムロッド」などで濃厚な演奏をおこなっています。
Disc3:トーマス・ビーチャム
● ハイドン:交響曲第100番『軍隊』
● ハイドン:交響曲第101番『時計』
● ハイドン:交響曲第103番『太鼓連打』
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 トーマス・ビーチャム(指揮)
 1958、1959年録音

イギリスの指揮者、トーマス・ビーチャム[1879-1961]のEMI録音(ステレオ)。ビーチャムのは大富豪の家に生まれ、音楽的才能にも恵まれて若いときから私財を投じてオペラ・カンパニーを設立、強い使命感をもって数多くのオペラをイギリスの聴衆に紹介、さらにいくつものオーケストラをつくり、コンサートものでも膨大なレパートリーを聴衆に届ける重要な役割を果たしていました。その演奏は晩年に至るまで常に生き生きとしていましたが、それには彼がリハーサルの達人で、楽員を常に楽しませてやる気を出させ、集中力を発揮させる術に長けていたという背景があるものと思われます。
 中でも定評があったのがハイドン作品の演奏で、ここでは有名な3つの交響曲でリラックスしたビーチャムならではのハイドン演奏を楽しむことができます。
Disc4:レナード・バーンスタイン
● ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』
 ニューヨーク・スタジアム交響楽団
 レナード・バーンスタイン(指揮)
 1953年録音

● ガーシュウィン:『ラプソディ・イン・ブルー』
 コロンビア交響楽団
 レナード・バーンスタイン(指揮)
 1959年録音

● バーンスタイン:『オン・ザ・タウン』〜バレエ音楽
 「オン・ザ・タウン」オーケストラ
 レナード・バーンスタイン(指揮)
 1945年録音

アメリカの指揮者、レナード・バーンスタイン[1918-1990]の、米DECCA、SONY、RCA録音。若き日の爽快な『新世界より』は、ニューヨーク・スタジアム交響楽団との演奏。これは契約の関係で米DECCAで名前を使うことができなかったニューヨーク・フィルの変名です。
 冒頭クラリネットから克明なサウンドがすごい『ラプソディ・イン・ブルー』は、ニューヨークで米COLUMIBIA(現SONY)によって臨時編成されたオーケストラ、コロンビア交響楽団とのステレオ録音。
 『オン・ザ・タウン』は、バーンスタイン27歳の時の自作自演RCA録音。24時間の上陸許可を得た海軍兵士3人がニューヨークで巻き起こす恋愛とドタバタ騒ぎを描いたミュージカルからの管弦楽曲です。

Disc5:カール・ベーム
● モーツァルト:交響曲第35番『ハフナー』
● モーツァルト:交響曲第38番『プラハ』
● モーツァルト:交響曲第41番『ジュピター』
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 カール・ベーム(指揮)
 1960年、1962年録音

オーストリアの指揮者、カール・ベーム[1894-1981]のドイツ・グラモフォン録音(ステレオ)。比較的大きめの編成で堅固に堂々と構築された演奏。往年のモーツァルト演奏の醍醐味を感じさせる立派なスタイルで『ジュピター』終楽章の白熱感にはすごいものがあります。
Disc6:アンドレ・クリュイタンス
● ビゼー:『アルルの女』組曲第1番
● ビゼー:『アルルの女』組曲第2番
 フランス国立放送管弦楽団
 アンドレ・クリュイタンス(指揮)
 1953年録音

● サン=サーンス:交響曲第3番『オルガン付』
 アンリエット・ピュイグ=ロジェ(org)  アンドレ・クリュイタンス(指揮)
 パリ音楽院管弦楽団
 1955年録音

ベルギーの指揮者、アンドレ・クリュイタンス[1905-1967]のEMI録音。フランス国立放送管との『アルルの女』は、往年のフランスの管楽器の味な音を楽しめる演奏。パリ音楽院管弦楽団との『オルガン付』はモノラルながら音も良く、クリュイタンスの趣味の良いアプローチを楽しめます。ADFディスク大賞受賞の名演でもあります。
Disc7:アンタル・ドラティ
● リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
● リムスキー=コルサコフ:序曲『ロシアの復活祭』 Op.36
 ロンドン交響楽団
 アンタル・ドラティ(指揮)
 1959年録音

● チャイコフスキー:イタリア奇想曲
● チャイコフスキー:序曲『1812年』
 ミネアポリス交響楽団
 ミネソタ大学ブラスバンド
 アンタル・ドラティ(指揮)
 1954年録音

ハンガリーの指揮者、アンタル・ドラティ[1906-1988]のマーキュリー録音。多彩な旋律素材を近代管弦楽法でまとめあげたリムスキー=コルサコフの醍醐味を満喫させる『スペイン奇想曲』と『ロシアの復活祭』はステレオ録音で圧巻の仕上がり。特に『ロシアの復活祭』では緊迫感ある表現が当時のドラティならでは。
 ドラティの『1812年』と『イタリア奇想曲』いえばステレオ録音盤が有名ですが、その少し前にモノラルで同じレーベルに同じ演奏者で録音していたのがこの録音。
Disc8:フェレンツ・フリッチャイ
● ラヴェル:ボレロ
 RIAS交響楽団
 フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
 1955年録音

● ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』
 ラムルー管弦楽団
 フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
 1952年録音

● デュカス:魔法使いの弟子
 ラムルー管弦楽団
 フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
 1952年録音

● プロコフィエフ:交響曲第1番『古典』
 RIAS交響楽団
 フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
 1954年録音

● ボロディン/グラズノフ編:交響詩『「中央アジアの草原にて』
 RIAS交響楽団
 フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
 1952年録音

● ムソルグスキー/リムスキー=コルサコフ編:禿山の一夜
 RIAS交響楽団
 フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
 1952年録音

ハンガリーの指揮者、フェレンツ・フリッチャイ[1914-1963]のドイツ・グラモフォン録音。フリッチャイは1957年に白血病になり、胃と腸の大手術を受けるなどして1年間療養したうえで現場復帰していますが、病状の悪化により、1961年12月に指揮活動を中断し、治療に専念するものの、1963年2月に48歳の若さで亡くなっています。そのため、フリッチャイの遺した録音は白血病前と後で大きく芸風が異なっているのが特徴で、エネルギッシュでシャープだった健康なときの演奏に対し、白血病発症以降は、まだ若いのに晩年のような雰囲気さえ漂う独特なものとなっていました。ここでは白血病発症以前の元気なころの演奏を収録しています。
Disc9:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
● シューベルト:交響曲第8番 D.759『未完成』
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
 1952年録音

● ベートーヴェン:交響曲第6番『田園』
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)
 1952年録音

ドイツの指揮者、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー[1886-1954]のライヴ録音(未完成)と、EMI録音(田園)。『未完成』はベルリン・フィル創立70周年記念演奏会の録音で、DGなどから発売されていた有名な演奏。『田園』はHMV(EMI)によるムジークフェラインでのセッション録音で、ウィーン・フィルのサウンドも美しく、ほの暗い味わいが魅力的な名演として知られています。
Disc10:ヘルベルト・フォン・カラヤン
● ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』
● ベートーヴェン:『エグモント』序曲 Op.84
● ベートーヴェン:『レオノーレ』序曲第3番 Op.72b
 フィルハーモニア管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 1953年録音

オーストリアの指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン[1908-1989]のEMI録音。若きカラヤンの颯爽とした指揮ぶりと、フレッシュなオーケストラの健闘ぶりで有名な演奏。モノラルながら聴きやすい音質です。
Disc11:ルドルフ・ケンペ
● ブラームス:交響曲第1番
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 ルドルフ・ケンペ(指揮)
 1975年録音(Licensed by Fonoteam GmbH)

● ワーグナー:『ローエングリン』第1幕への前奏曲
 バイエルン国立歌劇場管弦楽団
 ルドルフ・ケンペ(指揮)
 1951年

● ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲
● ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第3幕への前奏曲
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ルドルフ・ケンペ(指揮)
 1953年

ドイツの指揮者、ルドルフ・ケンペ[1910-1976]。ブラームスの第1番はBASFによるステレオ録音で、マイスタージンガーはEMI録音、ローエングリンはライヴ録音となります。
Disc12:エーリヒ・クライバー
● ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱付き』

 ヒルデ・ギューデン(ソプラノ)
 ジークリンデ・ワーグナー(アルト)
 アントン・デルモータ(テノール)
 ルートヴィヒ・ウェーバー(バス)
 ウィーン楽友協会合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 エーリヒ・クライバー(指揮)
 1952年録音

ドイツの指揮者、エーリヒ・クライバー[1890-1956]のデッカ録音。ムジークフェラインザールでのセッション録音。モノラルながら解像度の高い音で、エーリヒ・クライバーのシャープなスタイルを楽しむことができます。
Disc13:オットー・クレンペラー
● ブルックナー:交響曲第4番『ロマンティック』
● ヒンデミット:組曲『気高い幻想』
 ケルン放送交響楽団
 オットー・クレンペラー(指揮)
 1954年ライヴ録音

ドイツの指揮者、オットー・クレンペラー[1885-1973]のライヴ録音。1917年から24年にかけてクレンペラーはケルンの音楽監督を務めて成功していますが、戦後ヨーロッパに戻り、1950年代なかばに再びケルンを訪れ、発足して間もないケルン放送響とともに数多くの演奏会を開催しました。この時期のクレンペラーの音楽は引き締まったフォルムが何よりの特徴。ブルックナーは過去に複数のレーベルから出ていた有名な演奏で、のちのフィルハーモニア管との録音と比較しても全体に4分半ほど短くテンポが速めです。
Disc14:クレメンス・クラウス
● R.シュトラウス:交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』
● R.シュトラウス:交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』
● R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 クレメンス・クラウス(指揮)
 1950年録音

● J.シュトラウス2世:美しく青きドナウ
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 クレメンス・クラウス(指揮)
 1954年録音

オーストリアの指揮者、クレメンス・クラウス[1893-1954]のデッカ録音とライヴ録音。クラウスは若い頃からリヒャルト・シュトラウスに信頼されており、数々のオペラの初演を任されていたほか、『カプリッチョ』では台本も書くという親密な関係でもありました。そのクラウスが、戦後、ウィーン・フィルのセッション録音に取り組んでいたデッカで1950年からおこなったのが、前年9月に亡くなったR.シュトラウスの作品の一連のレコーディングでした。ここでは有名どころ3曲を収録しています。
 クラウスはニューイヤー・コンサートの創始者としても有名です。ここでは1954年度ニューイヤーコンサートのライヴ録音で、そのウィーン風な洒落た味わいを楽しめます。
Disc15:ラファエル・クーベリック
● スメタナ:連作交響詩『わが祖国』

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ラファエル・クーベリック(指揮)
 1958年

チェコの指揮者、ラファエル・クーベリック[1914-1996]のデッカ録音(ステレオ)。ムジークフェラインザールでのセッション・レコーディングで、当時のデッカ録音ならではのウィーン・フィル・サウンド、ややドンシャリ傾向で重みのある音が味な雰囲気を醸し出しています。
Disc16:エーリヒ・ラインスドルフ
● ワーグナー:『ワルキューレ』〜第2幕前奏曲
 ロンドン交響楽団
 エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
 1961年

● ワーグナー:『ワルキューレ』〜「ワルキューレの騎行」
● ワーグナー:『ワルキューレ』〜「魔の炎の音楽」
● ワーグナー:『ローエングリン』〜第3幕前奏曲
● ワーグナー:『タンホイザー』〜序曲
● ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』〜「徒弟たちの踊りと親方達の入場」
● ワーグナー:『神々の黄昏』〜「ジークフリートの葬送行進曲」
 コンサート・アーツ交響楽団
 エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
 1958年

● モーツァルト:『ドン・ジョヴァンニ』〜序曲
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
 1961年

● ポンキエッリ:『ジョコンダ』〜「時の踊り」
 コンサート・アーツ交響楽団
 エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
 1958年

オーストリア出身の指揮者、エーリヒ・ラインスドルフ[1912-1993]は、オペラもコンサートも得意とし膨大なレパートリーを誇る指揮者でした。トスカニーニの信頼を得、目標を達成するために信念を貫くタイプの性格だったため、あちこちで舌禍を引き起こしたりもしていましたが、その演奏の水準は実演でも高度に維持され、戦前戦中のメトにおけるワーグナー上演でも高い評価を得ていました。ここに収録されたキャピトル・レーベルにセッション録音されたワーグナーの管弦楽曲集(と「時の踊り」)は、CD初期にリリースされていたものの現在は入手困難な状態だったので今回のCD化は歓迎されるところです。演奏は臨時編成、もしくは覆面オケの「コンサート・アーツ交響楽団」ですが、ラインスドルフの統率は素晴らしく、活気に満ちた演奏を音に張りのあるステレオ録音によって楽しむことができます。
 組み合わせはデッカの『ワルキューレ』と『ドン・ジョヴァンニ』のステレオ全曲録音からの抜粋です。
Disc17:ロリン・マゼール(&アラム・ハチャトゥリアン)
● ファリャ:『三角帽子』より
 ベルリン放送交響楽団
 ロリン・マゼール(指揮)
 1957年

● ハチャトゥリアン:『ガイーヌ』より
● ハチャトゥリアン:『スパルタクス』より
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 アラム・ハチャトゥリアン(指揮)
 1962年

● ストラヴィンスキー:『火の鳥』組曲
 ベルリン放送交響楽団
 ロリン・マゼール(指揮)
 1957年

アメリカの指揮者、ロリン・マゼール[1930-2014]のドイツ・グラモフォン録音(ステレオ)。マゼール若き日のストラヴィンスキー『火の鳥』は1919年版の組曲を使用した演奏。『三角帽子』はマゼールが4曲選んで録音したものです。
 組み合わせは、ハチャトゥリアンがウィーン・フィルを指揮してデッカにステレオ録音した『ガイーヌ』と『スパルタクス』の自作自演盤。活気に満ちた演奏を展開し、スパルタクスのアダージョでは濃厚な美しさが印象的です。
Disc18:イーゴリ・マルケヴィチ
● ベルリオーズ:幻想交響曲
● ビゼー:『カルメン』組曲第2番

 ラムルー管弦楽団
 イーゴリ・マルケヴィチ(指揮)
 1961、1959年録音

ロシア生まれの指揮者、イーゴリ・マルケヴィチ[1912-1983]がドイツ・グラモフォンにステレオ録音した幻想交響曲は、往年のフランスのオーケストラ・サウンド、独特な管楽器の音色などを楽しめるもので、マルケヴィチの変幻自在な指揮ぶりもあってかなり幻想的な印象を与えます。組み合わせの『カルメン』はフィリップスのステレオ録音。作品の性格もあってか、切れの良い率直な演奏を展開しています。
Disc19:ディミトリ・ミトロプーロス
● プロコフィエフ:組曲『キージェ中尉』
● ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
 ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団
 ディミトリ・ミトロプーロス(指揮)
 1956、1952年

ギリシャの指揮者、ディミトリー・ミトロプーロス[1896-1960]のSONY録音。指揮台での動きが非常に激しく、ときにかなりの高さまでジャンプすることがあったことから、「エアボーン・マエストロ」とも呼ばれていたミトロプーロスは、表現力豊かな指揮ぶりと共に、驚異的な記憶力の持ち主としても知られており、それゆえかミトロプーロスのもとには、手間のかかる作品や初演物の依頼が多く、特にマーラーや声楽大作、オペラの多いことでは、戦後の欧米楽壇で際立って目立つ存在でもありました。
 ショスタコーヴィチに関しても人気が出る前から熱心に取り組んでおり、この第5番でも要所で緊迫感のある演奏を聴かせています。が、一方で第3楽章でのマーラーのような耽美的な美しさも印象的です。組み合わせの『キージェ中尉』も細密な描写に意を払った演奏で、セッション録音におけるミトロプーロスのスタイルをよく示しています。どちらもミトロプーロスがニューヨーク・フィルの音楽監督だった時代の録音です。
Disc20:ピエール・モントゥー
● ストラヴィンスキー:『ペトルーシュカ』
 ボストン交響楽団
 ピエール・モントゥー(指揮)
 1960年

● ドビュッシー:『牧神の午後への前奏曲』
● ラヴェル:『スペイン狂詩曲』
● ラヴェル:『亡き王女のためのパヴァーヌ』
 ロンドン交響楽団
 ピエール・モントゥー(指揮)
 1961年

フランスの指揮者、ピエール・モントゥー[1875-1964]は、1953年、78歳の時にサンフランシスコ響を退任したあとしばらくはあちこちに客演していまいしたが、1961年、よほど相性が良かったのか、なんと86歳でロンドン交響楽団の音楽監督に就任しています。しかも就任に際しては25年契約などとジョークをとばすなど、かなりリラックスした関係にあったようです。
 古巣で客演の多かったボストン響を指揮してRCAにステレオ録音した『ペトルーシュカ』は、四管編成の1911年版を用いており、初演者でもあるモントゥーならではの細部まで表情の濃やかな演奏を聴かせています。
 1961年にロンドン交響楽団を指揮してフィリップスにステレオ録音したドビュッシー&ラヴェルが収められています。楽員の共感度も高いのか、ロンドン響との一連の録音は聴き応えのある演奏が多いですが、ドビュッシー&ラヴェルでは、モントゥーの自在でマジカルな指揮ぶりが特によく伝わり、色彩感・雰囲気とも素晴らしい仕上がりをみせています。
Disc21:エフゲニー・ムラヴィンスキー
● チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』
● グラズノフ:交響曲第4番
 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
 エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)
 1956年、1948年録音

ソ連の指揮者、エフゲニー・ムラヴィンスキー[1903-1988]が、西側への演奏旅行の際にドイツ・グラモフォンの求めに応じてウィーンのコンツェルトハウスでセッション録音した『悲愴』は、モノラル後期の情報量の多い音質で、ムラヴィンスキーならではの表現手法を楽しむことができる定評ある演奏。
 戦後まもない1948年にソ連で録音されたグラズノフの交響曲第4番は、ロシア情緒豊かなこの作品の理想とも言われる名解釈の施された演奏ですが、残念ながら音は冴えません。
Disc22:シャルル・ミュンシュ
● ラヴェル:ラ・ヴァルス
● チャイコフスキー:弦楽セレナード
● バーバー:弦楽のためのアダージョ
● エルガー:序奏とアレグロ

 ボストン交響楽団
 シャルル・ミュンシュ(指揮)
 1955、1957年録音

フランスの指揮者、シャルル・ミュンシュ[1891-1968]のRCA録音(ステレオ)。ミュンシュは、当時まだドイツ領だったストラスブール(シュトラスブルク)に、アルベルト・シュヴァイツァーの遠縁というドイツ系の家系に生まれ、生地のストラスブール音楽院でヴァイオリン演奏や作曲を学びます。その後、ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートマスターとなり、フルトヴェングラーやワルターのもとで演奏するうちにその資質を認められ、指揮の勉強をするようになったというという経歴の持ち主。
 その長い指揮棒をダイナミックに振りまわす独特の指揮スタイルは、楽員を鼓舞する力に長けており、情熱的な演奏を実現することに成功していました。
 ここでは、バーバーのアダージョが生命力豊かに歌われ、チャイコフスキーの弦セレも、エルガーの序奏とアレグロも心地よい推進力で弦の魅力を楽しませてくれますし、『ラ・ヴァルス』での盛り上がりっぷりにも凄いものがあります。
Disc23:ユージン・オーマンディ
● レスピーギ:『ローマの松』
● レスピーギ:『ローマの泉』
● レスピーギ:『ローマの祭』
● レスピーギ:『風変わりな店』(抜粋)
 フィラデルフィア管弦楽団
 ユージン・オーマンディ(指揮)
 1957〜1965年録音

ハンガリー出身の指揮者、ユージン・オーマンディ[1899-1985]のSONY録音(ステレオ)。半世紀に渡ってフィラデルフィア管弦楽団を指揮、ゴージャスな「フィラデルフィア・サウンド」をコンサートでもレコーディングでも響かせていたオーマンディの音楽の底力は、オーケストレーションの凝った作品でフルに発揮されていました。
 ここに収められたローマ三部作は、イタリア近代の管弦楽法の名手でもあるレスピーギの代表作。オーマンディはRCAでも再録音していますが、張りのある輝かしさではこのSONY録音がすごいです。組み合わせの『風変わりな店』も同じくレスピーギの作品ですが、こちらは元ネタのロッシーニ作品をアレンジしたバレエなので、軽やかに演奏されています。
Disc24:フリッツ・ライナー
● R.シュトラウス/ライナー編:『ばらの騎士』よりワルツ
● R.シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』
 シカゴ交響楽団
 フリッツ・ライナー(指揮)
 1954、1957年録音

ハンガリー出身の指揮者、フリッツ・ライナー[1888-1963]のRCA録音(ステレオ)。リヒャルト・シュトラウスと若い頃に交流もあったライナーは、シカゴ響との最初のシーズンの終わりに『英雄の生涯』を録音、これが彼らにとって最初のステレオ・セッションでもありました。オーケストラ・ホールのステージ上に設置された、わずか2本のマイクロフォンで収録された純粋な2トラック録音にも関わらず、オーケストラ配置の定位感が明確に捉えられています。当時のシカゴ響の楽器配置が、まだヴァイオリン両翼型だったこともこの録音では良くわかり、通常より立体感の強いパート・バランスが聴きとれるのも大きなポイント。組み合わせの『ばらの騎士』のワルツは洒落た演奏です。
Disc25:ヴォルフガング・サヴァリッシュ
● ワーグナー:『さまよえるオランダ人』序曲
● ワーグナー:『リエンツィ』序曲
● ワーグナー:『タンホイザー』よりヴェヌスベルクの音楽
● ワーグナー:ジークフリート牧歌
 ウィーン交響楽団
 ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
 1961年

● ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』より第1幕への前奏曲
● ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』より第3幕への前奏曲
 バイロイト祝祭管弦楽団
 ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
 1957年ライヴ

ドイツの指揮者、ヴォルフガング・サヴァリッシュ[1923-2013]のフィリップス録音(ステレオ)とライヴ録音。1957年に『トリスタンとイゾルデ』でバイロイト・デビューを果たしたサヴァリッシュは、その後、ワーグナーを数多く指揮し、レコーディングもおこなっていますが、その初期のものがこのフィリップスのステレオ録音による管弦楽曲集です。組み合わせは、バイロイト・デビューのライヴ録音からの前奏曲2曲。
Disc26:ゲオルグ・ショルティ
● メンデルスゾーン:交響曲第3番『スコットランド』
● メンデルスゾーン:交響曲第4番『イタリア』
 ロンドン交響楽団
 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
 ゲオルグ・ショルティ(指揮)
 1952年、1958年録音

ハンガリー出身の指揮者、ゲオルグ・ショルティ[1912-1997]のデッカ録音。第3番『スコットランド』はショルティがフランクフルト・オペラの音楽監督に就任した頃にロンドンでおこなわれたセッション録音。モノラル後期の情報量の多い音で、ショルティらしいがっちりした演奏を聴くことができます。第4番『イタリア』はイスラエルでおこなったセッションで録音。ステレオで活きの良い演奏が楽しめます。
Disc27:レオポルド・ストコフスキー
● ホルスト:組曲『惑星』
● エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番
● リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
 ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
 RCAビクター管弦楽団
 レオポルド・ストコフスキー(指揮)
 1956年、1960年録音

イギリス出身の指揮者、レオポルド・ストコフスキー[1882-1977]のEMI系録音(惑星/ステレオ)とRCA録音(ほか/ステレオ)。ステレオ最初期ながら良好な音質の『惑星』はキャピトル・レコードの力作。リストとエネスコはRCAリヴィング・ステレオでの録音で、こちらも良い音です。
Disc28:ジョージ・セル
● メンデルスゾーン:劇音楽『夏の夜の夢』より
● シューベルト:劇音楽『魔法の竪琴』序曲 D.644
● シューベルト:劇音楽『キプロスの女王ロザムンデ』 D.797より
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 ジョージ・セル(指揮)
 1957年録音

ハンガリー出身の指揮者、ジョージ・セル[1897-1970]のフィリップス録音(ステレオ)。セルはヨーロッパによく戻っていろいろなオーケストラに客演しており、コンセルトヘボウも何度も指揮、レコーディングもおこなっていました。ここに収録されたメンデルスゾーンとシューベルトはセルの精緻な芸風とコンセルトヘボウ・サウンドが結びついた見事な演奏です。
Disc29:アルトゥーロ・トスカニーニ
● ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲『展覧会の絵』
● シベリウス:交響詩『エン・サガ(伝説)』
● チャイコフスキー:『くるみ割り人形』より「花のワルツ」
● ウェーバー:『舞踏への勧誘』
● ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
● ブラームス:ハンガリー舞曲第17番
● ブラームス:ハンガリー舞曲第20番
● ブラームス:ハンガリー舞曲第21番

 NBC交響楽団
 アルトゥーロ・トスカニーニ(指揮)
 1951〜1953年

イタリアの指揮者、アルトゥーロ・トスカニーニ[1867-1957]のRCA録音。『展覧会の絵』はトスカニーニの遺産の中でも特に人気の高い演奏。「キエフの大門」の一部のオーケストレーションを変更するなど偏愛ぶりをみせたものでもあります。カーネギーホールでの録音のため聴きやすい音です。
 『エン・サガ』はシベリウス最初期の傑作。自身の青春のすべてが含まれていると作曲者自身が語る内容は、次から次にシベリウス的な楽想があらわれる親しみやすいもので、規模は18分前後と長いものの、依頼者である指揮者カヤヌスのアンコールピース的な作品という意図には即していると思われます。トスカニーニの演奏はメリハリの効いた迫力あるものです。
 その他、ヴェーバーの舞踏への勧誘、チャイコフスキーの花のワルツ、ブラームスのハンガリー舞曲は、どれもキビキビと演奏される心地よい演奏となっています。
Disc30:ブルーノ・ワルター
● マーラー:交響曲第1番『巨人』
 バイエルン国立管弦楽団
 ブルーノ・ワルター(指揮)
 1950年録音

● モーツァルト:交響曲第40番 K.550
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 ブルーノ・ワルター(指揮)
 1952年ライヴ録音

ドイツ出身の指揮者、ブルーノ・ワルター[1876-1962]のライヴ録音。ワルターは、1913年から1922年までミュンヘンのバイエルン国立歌劇場の監督として充実した音楽活動をおこなっていました。その後、活動の拠点をウィーンに移し、戦争によってアメリカに亡命。戦後、故郷ベルリンやウィーンは何度か訪れているにもかかわらず、ミュンヘンはこの1950年の一度きりだったとか。そうした意味では大変貴重な録音ですし、演奏の方も、手術前の元気なワルターのマーラーならではの激しいものとなっています。
 組みあわせは、ワルターが何度も客演していたコンセルトヘボウ管弦楽団との共演によるモーツァルトの交響曲第40番。有名なウィーン・フィルへの客演の少し後の録音で、同じく情感の濃い演奏を味わうことができます。

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