ハッピー･ザ･ベスト!::エリザベスタウン スペシャル･コレクターズ･エディション

ヘリコプターで本社に呼び出されたドリュー（オーランド・ブルーム）は、まるで戦場に送りこまれる新兵のような気分だった。シューズ会社に勤める彼は、新しいデザインの製作担当。

しかしそれは市場から拒否され、10億ドルの損害を出す結果になってしまったのだ。私生活を犠牲にし、8年間に渡って人生を捧げてきたプロジェクトだったのに･･･。尊敬していた社長のフィルからクビを言い渡され、1週間後に発売される雑誌には「僕はやりたい放題」という見出しで、全てがドリューの責任である記事が掲載されることになった。ガールフレンドのエレン（ジェシカ・ピール）も“最後の視線”をドリューに投げかけている。彼の輝かしいキャリアは終わりをつげ、様々な慰めに「僕は大丈夫･･･」と力なく繰り返すのだ精一杯だった。

自宅に戻ったドリューは、早速エアロバイク、ビニールテープで、ナイフで「自殺マシン」を作り上げるが、その奇妙なマシンは上手く作動しない。そんな時に妹のヘザールから電話が掛かってくる。それはケンタッキーの親戚を訪ねていた父親が心臓発作で亡くなったという知らせだった。人生を呪いたくなるような気持ちのまま、動揺している母ホリーと妹を残し、ドリューはひとりケンタッキーへと向かう。「遺灰を海に撒いて欲しいという父の遺言を果たすために･･･。「自殺マシン」を使うのは、その後でいい。

飛行機の中で知り合ったのが、フライト・アテンダントのクレア（キルティン・ダンスト）。一方的に自分の恋愛や姓名判断を語る彼女は、少々気ままな性格のようだが、ポジティブで親切な女性。エリザベスタウンに行くドリューのために地図を書いてくれたのも、その土地に住んでいるからだけでなく、まるでドリューの心中をせべて察しているかのようだった。

そして地図の横には携帯電話の番号が記されている。勢いに圧倒されながら、ドリューには何故か彼女の存在が気になっていた･･･。

名匠キャメロン・クロウ監督による感動ヒューマン・ドラマ映画。主人公の有能なデザイナーが仕事の挫折や失恋、父の死などを経て、人生を再生して行く物語。エルトン・ジョンの「父の銃」など、サントラにも注目。(CDジャーナル　データベースより)