バレンボイム率いるウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ
コンサート&ドキュメンタリー 活動の軌跡を追った映像作品
巨匠バレンボイムがイスラエルとアラブとの和平のために、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、レバノン、エジプトといった国々、そしてユダヤ、アラブなど様々なルーツをもつ若手音楽家を集めて創設した「ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ」。このDVD2枚組の映像作品には、オーケストラの企画段階から、パレスチナ自治区ラマラでのコンサート実現までの活動の軌跡を追ったドキュメンタリーと、そのラマラでのコンサートの模様が収められています。
Disc1の『知ること、それが始まり』と題したドキュメンタリーでは、「音楽を通じて関係が修復され、異なる信条と文化を互いに理解し許容するのに役立つであろう」という願いのもと、ロシア系ユダヤ人の音楽家バレンボイムとパレスチナ系の学者であり音楽家でもあるエドワード・サイードによって楽団が創設された経緯、およびラマラ・コンサートに至るまでの過程が、関係者の証言、コンサート映像で綴られています。
Disc2には、2005年8月21日にバレンボイム指揮でウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラがパレスチナ自治区のラマラ文化センターでおこなったコンサートをライヴ収録。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区に位置するラマラは、16世紀中頃より現在までキリスト教徒、イスラム教徒双方が混在してきた、歴史的にも複雑なエリアで、1987年には第1次インティファーダ(パレスチナ人による抗議活動)の舞台となった場所でもあります。そうした背景もあって、この地で、この楽団がコンサートを開くことには想像以上に意義深いものがあります。バレンボイムは当初から、音楽的に豊かな才能をもつアラブ人は多いと考え、中東でも一流のオーケストラを結成できると確信していたそうで、今日の躍進ぶりがその考えに間違いがなかったことを実証していますが、そのことは活動初期のこのコンサートでもすでに十分確認できます。
さらに、Disc2のボーナス映像として、バレンボイムとサイードとの対談を収録。ゲーテ生誕250年にあたる1999年、欧州文化首都に指定されたドイツのワイマールでおこなわれた対談は、バレンボイムとサイードの対談集「音楽と社会」とも重なる熱く濃い内容で、このプロジェクトのきっかけとなったものです。
2006年国際エミー賞、2007年FIPA(国際テレビ映像フェスティバル)金賞、2007年バンフ最優秀芸術ドキュメンタリー、2007年ドイツECHO Klassik賞受賞作品。(キングインターナショナル)
【収録情報】
Disc1
・ドキュメンタリー『知ること、それが始まり』
制作&監督:パウル・スマチニー
収録時間:114分
音声:リニアPCMステレオ
字幕:英、独、仏、西
Disc2
・『ラマラ・コンサート』
モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調 K.Anh.9 (297b)
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』
エルガー:エニグマ変奏曲 op.36より『ニムロッド』(アンコール)
モハメド・サレハ(オーボエ)
キナーン・アズメ(クラリネット)
モル・ビロン(ファゴット)
シャロン・ポリアク(ホルン)
ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ
ダニエル・バレンボイム(指揮)
収録時期:2005年8月21日
収録場所:ヨルダン川西岸パレスチナ自治区ラマラ、文化センター(ライヴ)
収録時間:112分
音声:PCMステレオ、ドルビー・デジタル5.1、DTS5.1
・ボーナス映像『ダニエル・バレンボイムとエドワード・サイードとの対話』
収録:1999年、ワイマール
収録時間:63分(2部構成)
音声:リニアPCMステレオ
字幕:独、仏、西
NTSC
Region All