ヴェテラン、ネーヴェルとウエルガス・アンサンブルが
16世紀フランドルの作曲家の魅力を開示
クリストフ・プランタン[1520-1589]は、フランス出身の出版業者。元は製本職人だったのですが、納品先に向かう途中に強盗に襲われ腕を負傷。その後、活版印刷へと転向しました。アントウェルペンを主たる活動拠点とし、パリやライデンでも出版を手掛け、1500点以上のものを出版。また、スペイン王の印刷業者長、ライデン大学の御用業者に任命されました。プランタンの出版所はそのまま現存しており、プランタン=モレトゥス博物館として、ユネスコの世界遺産に登録されています。
彼の出版物には、様々な言葉に訳された辞書や聖書、科学や医学、そして楽譜など様々。ここに収録された作品は、プランタンが刊行した楽譜の中から、16世紀のフランドル作曲家による貴重なもの、興味深い音楽の多様性と美しさに満ちたものを厳選。この出版物は、素晴らしい音楽の本質を示し、ヨーロッパの広範な普及に貢献したと言われています。ここに収録されている作曲家フィリップ・デ・モンテはこの出版物をウィーンへ持ち込み、音楽活動の質を高めたことに成功しています。
フランドル・ポリフォニーの権威としても有名な音楽学者でもあるネーヴェルの研究の上に再現されたこの演奏は、ウエルガス・アンサンブルによって、心洗われるような美しいハーモニーを聴かせています。(輸入元情報)(写真 輸入元提供)
【収録情報】
● ペフェルナーゲ:ミューズの嘆き - クリストフ・プランタンへのエピタフ(5声)
● ド・ケルル:『平和を願うミサ』〜アニュス・デイ(6声、9声)
● ペフェルナーゲ:シャンソン『貧しく正直な者たちは、三倍も幸せで立派である』(5声)
● デ・モンテ:ミサ曲『われが苦難の中に歩き回るとも』〜サンクトゥス/アニュス・デイ(6声)
● ペフェルナーゲ:シャンソン『このままでは死にそうです、わが女神』
● パレストリーナ:讃歌『星々の造り主よ』(4声、5声、6声)
● ペフェルナーゲ:シャンソン『すべての悲しみに』(5声)
● ド・ラ・エル:ミサ曲『自然の摂理に逆らって』〜グローリア(7声)
● ペフェルナーゲ:シャンソン『私はとても愛している』
● ペフェルナーゲ:シャンソン『夜も昼も』(6声)
● ド・ラ・エル:ミサ曲『自然の摂理に逆らって』〜アニュス・デイ(7声、8声)
● ル・ジュヌ:シャンソン『いかなる水、いかなる風、いかなる炎が』(4声)
ウエルガス・アンサンブル
パウル・ヴァン・ネーヴェル(指揮)
録音時期:2017年11月
録音場所:ベルギー、アントワープ、アウグスティーナ教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)