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野生の棕櫚 中公文庫

W.フォークナー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122074477
ISBN 10 : 4122074479
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

一九三七年―若き人妻と恋に落ちた元研修医が、二人の世界を求める彷徨する(「野生の棕櫚」)。一九二七年―ミシシピイ河の洪水対策中、漂流したボートで囚人が妊婦を救助する(「オールド・マン」)。異なる二つの物語を交互に展開する斬新な構成で二十世紀文学に最大級の方法的インパクトを与えた、著者の代表作。

【著者紹介】
ウィリアム・フォークナー : 1897年アメリカ合衆国ミシシッピー州生まれ。第一次大戦で英国空軍に参加し、除隊後ミシシッピー大学に入学するが退学。職業を転々とする。地方紙への寄稿から小説を書きはじめ、『響きと怒り』(一九二九年)以降、『サンクチュアリ』『八月の光』などの問題作を発表。米国を代表する作家の一人となる。50年にノーベル文学賞を受賞。1962年死去

加島祥造 : 1923年、東京・神田生まれ。早稲田大学文学部卒業。信州大学、横浜国立大学、青山学院女子短期大学にて英米文学を教える。詩人、タオイスト、墨彩画家。47年、北村太郎、田村隆一らとともに詩作グループ「荒地」に参加。壮年期まで翻訳を中心に行い、フォークナーをはじめ百作近くを手がける。その後、英訳された漢詩によって「老子」を知り、老荘思想関係の著作を刊行。2015年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • やいっち

    本作については全く情報もないまま、書店で衝動買い。読み始めて圧倒的な想像力表現力にやられた。高校時代だったか無謀にも『響きと怒り』に手を出して半ばに達することなく挫折した苦い記憶が蘇った。  

  • NAO

    野生の棕櫚は、駆け落ちした人妻を墮胎手術で死なせてしまう青年医者を主人公とした「野生の棕櫚」と、洪水で臨時救助に当った囚人が助けた妊婦ともども川の流れに翻弄される「じいさん」と題された2つの物語が、交互に描かれた作品。2つの話には全く接点はなくそれぞれが独立した話になっている。全く異なる話が交互に描かれているのだが、読んでいて感じるのは、どちらも理性から離れた荒々しさに満ちているということだ。「野生の棕櫚」では時折棕櫚の描写があるが、その棕櫚は人知を越えた荒々しさや悠揚さの象徴だろうか。⇒

  • hiroizm

    読書会課題本のため読書。既婚女性と駆け落ちした若者の転落の逃避行の「野生の棕櫚」と、洪水時の救助活動に駆り出され図らずも助けた妊婦とボートごと濁流に流された囚人の話の「オールドマン」二つの物語が交互に描かれたスケール大の長編小説。舞台となった1930年代米国社会の様相や氾濫したミシシッピー川の自然描写等読み応えあったし、文章も面白かったが、2/3ほど読んだあたりからこの時代人にありがちなほんのり女性嫌悪、過剰な原罪意識、性的潔癖性、反知性的傾向が引っかかってノリが冷め、へんな女に引っかかると(続)

  • 田中

    内なる自己は、その心の揺らぎを情緒的に支えるようだ。『棕櫚の影』は、風によって棕櫚の葉がこすれる音が幾度も流れる。音そのものや、吹く風が不穏さと運命を示唆する。「黒い風」や「暗い風」がある。男が倫理観に縛られる優柔さが、ここまで愛する彼女をはかなくしてしまったのだ。『オールド・マン』での大河は、まさに生きている。情け容赦ない暴威に、無力な人間たちの翻弄ぶり。河に対峙する船上での格闘は夢のように乱れる。風の音と河の激流が人を支配しあやつるのだろう。薄い男の思索的な愛が滅びる。涙もなくただ情景が積もるだけだ。

  • フリウリ

    「野生の棕櫚」と「オールド・マン」が一章ごと、代わる代わる進行します。「オールド・マン」のみ既読でした。訳者後記によると、フォークナーは「野生の棕櫚」をメインに、「オールド・マン」を対位法的に配置して、この作品の構造をつくり、また二つの小説は同時に書かれていた、とのこと。その効果を味わい尽くせたかはともかく、米国南部の自然と人々の重層感は、十分に感じとることができました。個人的には、「メインディッシュよりもサイドのほうが美味しかった」かな。ベケットと同時に読んでいましたが、まあ読みやすいこと…9

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