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目眩まし 新装版

W.g.ゼーバルト

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560097632
ISBN 10 : 4560097631
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

時を超えて重なり合うどの旅のどこにも、永遠の漂泊者「狩人グラフス」が影を落とす。カフカと同じ旅をした語り手の“私”は、死と暴力の予感におののいて、ヴェローナから逃げ帰る…。さまざまなものや人が響き合い、時間と場所を越えて行き来する。

【著者紹介】
W・G・ゼーバルト : 1944年、ドイツ・アルゴイ地方ヴェルタッハ生まれ。フライブルク大学、スイスのフリブール大学でドイツ文学を修めた後、マンチェスター大学に講師として赴任。イギリスを定住の地とし、イースト・アングリア大学のヨーロッパ文学の教授となった。散文作品『目眩まし』『移民たち 四つの長い物語』『土星の環 イギリス行脚』を発表し、ベルリン文学賞、J・ブライトバッハ賞など数多くの賞に輝いた。遺作となった散文作品『アウステルリッツ』も、全米批評家協会賞、ハイネ賞、ブレーメン文学賞を受賞し、将来のノーベル文学賞候補と目された。エッセイ・評論作品『空襲と文学』『カンポ・サント』『鄙の宿』も邦訳刊行されている。2001年、住まいのあるイギリス・ノリッジで自動車事故に遭い、他界した

鈴木仁子 : 1956年生まれ。名古屋大学大学院博士課程前期中退。椙山女学園大学教員。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 風に吹かれて

     1800年のナポレオンによるアルプス峠越えの列に属していたアンリ・ベール(調べてみたらスタンダールのことだった)のこと、1980年の「いつにもまして厭な時を、場所を変えることによって何とかやり過ごせないか」とヴェローナを旅したときの『異郷へ』、1933年にウィーン、ヴェローナなどを旅したドクター・K(カフカのこと)のこと、1987年に訪れた故郷W村へ行ったときの『帰郷』、四つの散文で構成された一冊。 →

  • ケイトKATE

    ゼーバルト初の散文作品である本書は、スタンダールとカフカが訪れた場所を辿って行く話と、著者自身が幼少期を過ごしたチロル地方の村を訪れた話で構成されている。本書にはすでに、ゼーバルトの散文作品に登場する文章に合わせた写真と、語り手である私と登場人物の語りが溶け込む文章が出てくるが、傑作である『アウステルリッツ』や『移民たち』に比べ、読み手を引き込ませる文章が少なく物足りなかったのが正直な感想である。

  • 三柴ゆよし

    四つの物語を収録。どの作品にもカフカの、特に「狩人グラフス」の影が落ちている。ほかにもカフカでは、「審判」や「変身」を髣髴させるイメージもあり、作中、語り手がいみじくも語っているように、一種、推理小説的な謎解きゲームとしても楽しく、ゾクゾクさせられる。私は所々カフカの日記と手紙を参照しながら読んだが、ゼーバルトの企図が過去の探求とその踏み外し(重点は主に後者に置かれている)にある以上、極力、じぶんもその過程に同化しつつ読むといいだろう。ゼーバルトの作品では、歩くこと以上に、偏執的な読み替えが行われている。

  • Bartleby

    本書もまた旅について。今回は、スタンダールのした旅、ドクター・K、つまりカフカの旅。そこへ、著者が幼年期を過ごしたチロル地方への旅が重なる。でも相変わらず一筋縄ではいかない。例えば美とグロテスクさがないまぜになった独特の描写を読んでいて、じつはそれがカフカの短編からの引用だったと気づかされたりする。下手したらすべてが引用による織物なのではないかという気さえしてくる。そして現実もまたこの小説と同じだなと繰り返し思った。けっきょく何を信じ、何を信じないか、その塩梅だけが、現実を成り立たせているのかも。

  • バナナフィッシュ。

    普通故郷の思い出といえば、懐かしく温かくそして成長した自分から見ると僅かな疎外感を感じるものだ。この小説は違い。暗い村落に降りたちもういなくなった人達や、消えてしまった建物を憶い出す。それは感慨という感情とは程遠く、絶望とも違う、孤絶した何かだ。

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