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熱学思想の史的展開 3 熱とエントロピ-

山本義隆

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480091833
ISBN 10 : 4480091831
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2009
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

隠された因子、エントロピーがついにその姿を現わす。そして重要な概念が加速的に連結し熱力学が体系化されていく。格好の入門篇。全3巻完結。

Content Description

「エントロピー」の誕生は難産だった。熱の動力をめぐるカルノー以来の苦闘をへて、熱力学はやがて第1法則と第2法則を確立し、ついにエントロピー概念に到達する。マクロな自然の秘密を明るみに出したそのエントロピーとは何か。「エネルギーの散逸」とのみ捉えられがちな誤謬を正しつつ議論は進む。第3巻は熱力学の完成とその新たな展開。マクスウェル、トムソンらの寄与とクラウジウスの卓抜な総合化、さらにギブズの化学平衡論により制約因子としてのエントロピーの本性が明らかとなってゆく。論文・書簡を含む多くの原典を博捜して成った壮大な熱学史。格好の熱力学入門篇。全3巻完結。

目次 : 第5部 熱力学の原理の提唱(熱の普遍性の原理 熱力学第1法則の確立―クラウジウスの50年論文(その1)/ 熱の特殊性の原理 熱力学第2法則の提唱―クラウジウスの50年論文(その2)/ カルノー関数と絶対温度をめぐって―ウィリアム・トムソンの問題意識/ ジュール‐トムソン効果と絶対温度の定義―トムソン:1852‐54年/ 熱力学第2法則の数学的表現―トムソンとクラウジウス:1854年)/ 第6部 エネルギーとエントロピー(第2法則からエントロピーへ―クラウジウスの模索/ 熱力学の体系化にむけて―利用可能なエネルギーと平衡条件/ 自由エネルギーと熱学の体系―ヨシア・ウィラード・ギブズ/ ネルンストの定理と熱力学第3法則―ネルンストとプランク/ 熱学と熱的地球像―熱学が意図してきたもの)

【著者紹介】
山本義隆 : 1941年、大阪府生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • gonta19

    2009/2/25 Amazonより届く。 2015/10/20〜10/29 熱学の思想を辿る最終巻。クラウジウスからネルンストまで。 19世紀以前の物理学ひいては科学が世の中のとらえ方を考える哲学であったことが良くわかる。 大学生時代この辺りのことを講義で聴いたときは、味気のない式変形の羅列であったが、このような展開で進めてもらえばもう少し興味を持てたかもしれないなぁ。

  • BIN

    ネルンストによる熱力学第三法則まで。統計力学にまでは立ち入らなかいということなので、エントロピーなのにボルツマンには触れられてないのは少し残念。クラウジウスによる第二法則の定式化やギブスの化学への熱物理学の導入など、名前は知ってても、いかに重要な役割を果たしていたのかがよく知れた科学史でした。この作品をまとめあげた著者に感謝。

  • roughfractus02

    ニュートンの自然観が浸透すると熱に関わる身の回りの気象現象が逆に注目され、その概念が洗練されていく。本巻は、計測器具の材質の膨張や計測地の諸条件で変わる温度をどんな基準で測るか(多く計測器具の図版がある)という状況で、カルノーとジュールの矛盾を解決する絶対温度という考えが導入され、クラウジウスとトムソンが熱力学の第一、第二法則(エネルギーとエントロピー)を導出するまでが詳細に描かれる。こうして経験温度とから自由になった熱力学は化学に波及し、20世紀に化学者ネルンストの絶対零度の導入で第三法則が導出される。

  • maqiso

    熱と仕事の関係を2つの法則にまとめ、そこからエントロピーという概念が生まれ、化学反応や平衡を統一的に表せるようになった。普遍的な法則を求めて作られた熱力学が、個別の反応や平衡を説明していくのが面白い。熱力学の基本的な法則や概念がなぜ必要とされたかがよく分かる。

  • gojo

    3巻には熱力学を理解する上で直接役に立つものがある。1つはクラウジウスによる第二法則の定式化であり、彼によるとエントロピーは熱の拡散と物の拡散で表すされる。2つ目はp-Vグラフ以外の様々な相図による考察である。これらは現代の教科書には載っていないことであるので、科学史に興味がなくてもこの巻だけは一読の価値はあると思われる。

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