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遊動論柳田国男と山人 文春新書

柄谷行人

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784166609536
ISBN 10 : 416660953X
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2014
Japan

Content Description

民俗学者・柳田国男は「山人」を捨て、「常民」に向かったといわれるが、そうではない。「山人」を通して、国家と資本を乗り越える「来たるべき社会」を生涯にわたって追い求めていた。「遊動性」という概念を軸に、その可能性の中心に迫った画期的論考。

目次 : 第1章 戦後の柳田国男(戦中から戦後へ/ 柳田の敗北/ 農民=常民の消滅/ 非常民論)/ 第2章 山人(近代と近代以前/ 農政学/ 焼畑狩猟民の社会)/ 第3章 実験の史学(供養としての民俗学/ 山人と島人/ 公民の民俗学/ オオカミと「小さき者」)/ 第4章 固有信仰(新古学/ 固有信仰/ 祖霊信仰と双系制/ 「場」としての家/ 折口信夫と柳田国男/ 固有信仰と未来)/ 付論 二種類の遊動性(遊動的狩猟採集民/ 定住革命/ 二種類のノマド/ 柳田国男)

【著者紹介】
柄谷行人 : 1941年、兵庫県生まれ。哲学者。69年、「“意識”と“自然”―漱石試論」で群像新人文学賞(評論部門)を受賞しデビュー。文芸批評から出発しながらも、マルクス、カントなどを論じ、その枠に収まらない根源的思考を展開してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ころこ

    新書なので文章を平易にしているようにみえる。冒頭に「柳田国男は今や、サブカルチャーを重視した先駆的存在として評価されたのである。」とあり、暗に大塚とのつながりを批評的に述べている。この後、たびたび大塚英志が引用される。大塚の著作をあたった方が良いのかも知れないが、大塚にも強引とみられる癖があり、著者の柳田の見方は大塚に対する補助線としても有効である。著者の対談集やインタビューに多いが、著者のさりげない一言に蒙を啓かれる場面は多い。柳田と宇沢弘文の農業の経営単位をめぐる考察。日本における民俗学と民族学の混同

  • 壱萬弐仟縁

    2013年初出。柳田民俗学は農村生活誌であり、根底に、農村改革の目的があった(20頁)。彼の仕事は農政と切り離せず、根本的に史学だった(30頁)。彼は怪談が流行する前から、真剣に考えていた。井上円了の啓蒙主義に否定的だった(52頁)。明治期の農村荒廃は、資本、国家にとって危機。横井時敬(ときよし)の農業国本説(58頁)。今も地方消滅が囁かれる時代。農村再生が必要不可欠。TPPや安保法制で地方は寂れる。孤立貧:貧村は人間関係の貧しさという(61頁)。今やSNSああるとはいえ、広く薄いかも。

  • 非日常口

    柳田は『実験の史学』で「差し迫った一国共通の大問題など、必ず理由は過去にあるのだから、これに答えるものは歴史でなければならぬ」と言った。国家の争いはマスが協力したが、現在は個々人がその気になれば広告できる。世界が繋がりやりとりの速さは加速するが、その背景として個人が持つ文化的背景の理解はなされない。柳田曰く、祭りの規模が拡大した理由は、当事者が参加するものから見世物に移ったかららしい。自分は安全な場にいながら、誰かが危険な場で直接得た情報をシッタカし戦争を他人事としてどこか軽く考えることなきようにしたい。

  • 中年サラリーマン

    多分、著者の過去の著書を読んでからこれを読まないと内容をいまいち咀嚼できないかもなぁ。いろんな細かいところを分かった上で楽しむ本なのかな。

  • ハチアカデミー

    植民地政策によって、日本がグローバルになりつつある時代に唱えた「一国民俗学」の再考、「常人」研究に入る以前の「山人」研究の意義などなど、戦後の柳田国男イメージを変えるべく書かれた一冊。その根底には「国家」を越えるための論理を探る意図がある。断定型の言葉である一方、論拠を示さないきらいはあるが、その思考は面白い。土地に根付くことから生まれる弊害は、災害時に露わになる。それを乗り越えるための方法として、「遊動」を唱える意義はあるだろう。それも、かつてのノマドという形ではなく、狩猟採集民をモデルとして。

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