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根津権現前より 藤澤清造随筆集 講談社文芸文庫

藤澤清造

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065280904
ISBN 10 : 4065280907
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

昭和七年一月、芝公園内で窮死した私小説作家・藤澤清造。その三十五年後に生まれ、「歿後弟子」を自称した西村賢太は、その作品の文学的価値を説き、顕彰に努めた。師の人生をなぞるかのごとき急逝の直前まで、西村はなめるように諸雑誌を収集し、劇評家でもあった藤澤の随筆を拾い出しては、編集・配列に意を用いつづけた。そうして生まれた本書こそ、まさに時空を超えた「魂の感応」の産物である。

目次 : 1(莫迦の世迷い言)/ 2(根津権現前より/ 城山のほとり/ 大待宵草の花/ 貧故の寃罪/ 頭の中の時計/ 感想断片/ 重忠役者と岩永役者/ 俳優種々相/ 動物影絵/ 不愉快な思いで―松竹キネマにいた時のこと/ ぐうたら漫談―「根津権現裏」時代/ 自分自身に与うる詞/ 平賀元義を憶う/ 錦絵物語/ 病院から帰って/ わが家の富士/ 法界坊礼讃/ 気に入らない/ 雪へする落書/ 謎のおんな/ 「玉の井」と「亀戸」/ 啜泣く風景/ 「金」と「恋」と/ 無産者の結婚の悲哀/ 新婚か悔恨か/ 塩の正月/ 独身者は寂し)/ 3(演劇無駄談義/ 歌舞伎劇保存に就いて―三宅周太郎君へ/ 火と風とに捧ぐ/ 築地小劇場のこと/ 猿之助を憫れむ/ 画龍点睛を欠く/ 是何んの故ぞ/ 近代劇と金/ 犬の遠吠え/ 文明的復讐/ 喧嘩の前触/ 外は是〓の声)/ 4(斎藤緑雨の一面/ 雑記帳抜萃/ 渠に云いたいこと/ 苦吟力行の人/ いまの創作家のこと/ 神経質過ぎる者は誰ぞや/ 小蟹の愚痴/ 「元日や」の原句―芥川龍之介の三周忌に/ フロックコートと龍之介/ 昼寝から覚めて/ 作家の態度/ 友に贈る/ 冷笑の前へ/ 「一夜」について/ 「恥」と「〓」/ 〓のつきッぱなし)/ 5(屠蘇危言)

【著者紹介】
藤沢清造 : 1889・10・28‐1932・1・29。小説家。石川県鹿島郡(現・七尾市)生まれ。尋常高等小学校を卒業後に市内で働き始めるが、程なくして右脚に骨髄炎を患い手術、自宅療養の期間を過ごす。役者を志して1906年に上京。足の後遺症で断念したのちは各種職業を変遷する。『演芸画報』誌訪問記者時代に、同誌等に劇評や機筆を発表。1922年に長篇小説『根津権現裏』を三上於菟吉の尽力で書き下ろし刊行し、島崎藤村、田山花袋らの賞讃を得る。以降、精力的に創作を発表するも、作への不評が相次いで凋落。長年の悪所通いによる性病が因で精神に変調を来たし、内妻への暴力行為、彷徨しての警察への勾留等が続いた末に失踪。厳寒の芝公園内ベンチで凍死体となっているのを発見される。当初は身元不明の行路病者として荼毘に付された

西村賢太 : 1967・7・12〜2022・2・5。小説家。東京都江戸川区生まれ。中卒。『暗渠の宿』で野間文芸新人賞、『苦役列車』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • フリウリ

    浅見淵が言及していた「根津権現前より」が読みたくて。「随筆集」とあるが、後半の劇評以外の、身辺雑記のようなものは、小説(私小説)と区別できなさそう。劇評については、資料的な価値があるのかどうかもわからない。著者は梅毒から精神に異常をきたして失踪後、芝公園内のアズマ屋で凍死、したそうである。享年44歳。6

  • Shinya Fukuda

    これは小説ではない。没後弟子を自称する西村賢太が藤澤清造が遺した随筆、演劇評論、手紙等を編集したものだ。幼年期の記憶、演劇論、役者評、同時代を生きた小説家への思い出が収録されている。貧乏だった。悪所に頻繁に出入りした。その為に病気になった。それが原因で精神に異常をきたし凍死した。その人生を辿るだけで小説になりそうだ。私小説作家の西村が没入したのはよくわかる。解説の六角精児は面白かった。歌舞伎への言及が多いが六角はその方面への知識がないのでと言及を避けている。潔い。また、苦役列車は六角が適任だろうと思う。

  • chuji

    久喜市立中央図書館の本。2022年6月初版。西村賢太が歿後弟子と自称した師匠の随筆集。後書きが六角精児「この人、かなり味わい深い人だったんじゃないか」でした。

  • ライム

    面白かった。読む限り興味を引いてやまない人物で、確かに埋もれさせておくのは惜しい。「世間をして、あっと言わしめる作品」を描こうとして、作ったのは借金ばかりとか、下宿料を半年余もとどこらせて、原稿を方々の雑誌社に持ち込むも一向に買い手が無く、知人に泣きついて、やっと一篇の小説を買って貰ったとか、自虐的におどけてる感じではなく、淡々とした状況報告風の書き方。それが逆に独特の可笑しさを感じた。暗い話の多い中、著者の幼少時に見世物小屋の像の背中に乗った話、そこだけ明るく輝く。

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