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オペラの運命 十九世紀を魅了した「一夜の夢」 中公新書

AKEO OKADA

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121015853
ISBN 10 : 4121015851
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2001
Japan

Content Description

貴族社会の残照と市民社会の熱気が奇跡的に融合していた、19世紀の劇場という「場」で誕生し、成長をとげた総合芸術・オペラ。「オペラ的な場」の興亡をたどる野心的な試み。〈受賞情報〉サントリー学芸賞芸術・文学部門(第23回)

【著者紹介】
岡田暁生 : 1960年(昭和35年)、京都市に生まれる。大阪大学大学院博士課程単位取得退学。大阪大学文学部助手を経て、現在、神戸大学発達科学部助教授。文学博士。著書に『〈バラの騎士〉の夢』(春秋社)。『音は生きている』(共著・勁草書房)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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 岡田暁生さんが一般向けの新書本として書...

投稿日:2021/04/23 (金)

 岡田暁生さんが一般向けの新書本として書いた「目から鱗が落ちる」本の中の1冊。よくある「作品史としてのオペラ史」ではなく、いわゆる「プロトタイプとしてのオペラ」つまり「豪華絢爛、上流社会の紳士淑女、社交界、天井桟敷の通たち」といった「ヨーロッパ社会における場・空間としてのオペラ」の形成の歴史とその末路を追った意欲作である。  日本では、オペラは敷居が高く、クラシック音楽の中でもとりわけ「難しい」と考えられ、コアな「通」を除くとファンの数はそれほど多くない。上演機会が少ない、仮に上演があってもチケットが非常に高いということもある。ただ、それ以上に、タキシードやイヴニングドレスなどの正装に身を包んだ「上流社会」の雰囲気や、ワーグナーに代表される「総合芸術」という高尚さが、生半可な知識や興味では近寄りがたい「格調の高さ」を形成しているからだろう。  この本では、そういった「オペラ的なもの」がどのように形成されていったか、19世紀後半の民族の自覚と「後進国の国民オペラ」の持つ政治性などについても触れて行く。そして20世紀にはオペラは「オペラらしくない」様相を呈し、伝統的な「娯楽」オペラの世界は映画に移っていく。そういった「流れ」を、岡田氏は「オペラの運命」というタイトルに込めたようである。  オペラを楽しむ人も、これからオペラというジャンルに足を踏み込んでみようかと思っている人も、一度「全体を俯瞰した」この本を読んでみてはいかがでしょうか。新しい「視点」が得られると思います。

Tan2 さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 巨峰

    オペラの歴史がざっくりわかって面白かった。でも、おいらはオペラをみたことがないのです。う〜ん、この先見るかどうか考えてしまうなあ。オペラが絶対君主制の元で生まれ、19世紀の市民主導の社会の元で花開いた西洋ブルジョア社会の産物で、20世紀第一次世界大戦のあと歴史的使命を終えたと理解してしまったら、現代に生きる日本人がオペラを見る必然性も必要性も無いといわざるをえない。では、過去の西洋の歴史的産物を見るためだけにオペラを見るとするならば、その入場料もけして安くないし、さらに時間的な負担もと思うと、、、、、、、

  • いりあ

    音楽学者の岡田暁生氏が17世紀から19世紀にかけてのオペラの歴史をまとめたもの。いわゆる有名作品の見どころや内容解説、有名な作曲家紹介ありきのオペラ史ではなく、オペラ劇場という「場」の歴史を辿ることに主眼が置かれており、当時の社会情勢や風俗などを絡めてオペラ史やオペラ作品の成り立ちが解説がされており、とても面白く読めました。モーツァルトの先見性と良くも悪くもワーグナーの影響力の大きさを再確認しました。音楽史の本ですが、広くヨーロッパ史などに興味がある人にもおすすめ出来ます。

  • bibliophage

    17世紀から20世紀までのオペラの「場」の変化を書いている。バロック時代の王族の浪費性、そして、モーツァルトの登場(ラクロが出てきてなるほど!という感じだった)、その後のフランス革命とプルジョアの登場、また、国民オペラの誕生、そしてワーグナー〜といった感じで変遷をたどっていた。オペラを浪費芸術と言ってたのが忘れられない。どの章も納得させられた。社交の場やステータスとしてのオペラ座というあり方から鑑賞の場として変化していったのは面白いなと思った。ただ、現在のオペラの場についてももう少し記述して欲しかった。

  • kumoi

    オペラとは奢侈であり散財である。圧倒的な財力を持って、王が自らを賛美することが、バロック時代のオペラの特徴である。18世紀になると、ロココ趣味が流行し、モーツァルトの「フィガロの結婚」のような人間愛に根ざした喜劇が登場する。フランス革命後、オペラは上流ブルジョワジーにとってのステータスとなる。革命によって貴族は追放されたが、貴族文化はこの新たな聴衆によって継承されたのだ。圧倒的なスペクタクルを本質とするオペラは、もはや時代遅れの古典芸能に過ぎないのだろうか、それとも現代に訴えかける何かを持つのだろうか。

  • マーク

    38 良書。 ●18世紀後半。オペラセリエ悲劇→オペラブッファ喜劇。絶対王政→啓蒙君主。超高給取りカストラート、浪費への批判。市民階級。モーツァルトとダ・ポンテ。 ●18世期フランス革命後貴族オペラ→ブルジョワオペラ。 ●興行師バルバヤ ロッシーニ パリへ→ベッリーニ ダメ?→ドニゼッティ 確保 ●1830年7月革命 グランドオペラ。マイヤベーヤのユグノー教徒。 ●19世期初頭まではイタリア人のオペラ一座が欧州各地で活躍。 国民オペラ、異国オペラ(アイーダ、蝶々、トゥーランドット 700字減らした。

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