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西洋音楽史 「クラシック」の黄昏 中公新書

AKEO OKADA

User Review :4.0
(3)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121018168
ISBN 10 : 4121018168
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2005
Japan

Product Description

一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」の歴史と呼ばれている。本書は、「クラシック」音楽の歴史と、その前史である中世、ルネサンス、バロックで何が用意されたのか、そして、「クラシック後」には何がどう変質したのかを大胆に位置づける試みである。音楽史という大河を一望の下に眺めわたす。

Content Description

一八世紀後半から二〇世紀前半にいたる西洋音楽史は、芸術音楽と娯楽音楽の分裂のプロセスであった。この時期の音楽が一般に「クラシック音楽」と呼ばれている。本書は、「クラシック音楽」の歴史と、その前史である中世、ルネサンス、バロックで何が用意されたのか、そして、「クラシック後」には何がどう変質したのかを大胆に位置づける試みである。音楽史という大河を一望のもとに眺めわたす。

目次 : 第1章 謎めいた中世音楽/ 第2章 ルネサンスと「音楽」の始まり/ 第3章 バロック―既視感と違和感/ 第4章 ウィーン古典派と啓蒙のユートピア/ 第5章 ロマン派音楽の偉大さと矛盾/ 第6章 爛熟と崩壊―世紀転換期から第一次世界大戦へ/ 第7章 二〇世紀に何が起きたのか

【著者紹介】
岡田暁生 : 1960年(昭和35年)、京都市に生まれる。大阪大学大学院博士課程単位取得退学。大阪大学文学部助手、神戸大学発達科学部助教授を経て、京都大学人文科学研究所助教授、文学博士。著書『オペラの運命』(中公新書・サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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 この本は決して「入門書」とか「分かりや...

投稿日:2021/04/14 (水)

 この本は決して「入門書」とか「分かりやすい解説書」の類ではない。逆に、かなりクラシック音楽を聴きこんだ愛好家が、300年のヨーロッパ音楽を捉え直して再整理し、「クラシック音楽の大きな流れ」を大局的につかみ直すための本だと思う。個別の作曲家や代表的な音楽を聴きなじんでいる、それらに対する自分なりの位置づけや評価をすでに確立している人が読む本なのだろう。  そういった予備知識をもってこの本を読むと、帯にあるように「流れを一望」できて、自分なりに納得できる「クラシック音楽史」を形成できると思う。それが「正しい」とか「教科書通り」ということではなく、あくまで「自分にとってのクラシック音楽史」ということで。その意味で、音楽愛好家の一人一人が「自分にとってのクラシック音楽と何か」「自分は何故この音楽を聴くのか」を問うときに、この本は非常に大きな啓示と道しるべを与えてくれると思う。  さらにいえば、副題に『「クラシック」の黄昏』とあるように、著者は現代における「クラシック音楽の聴かれ方」は、「黄昏」もしくは「既に終わっている」と位置付けているようである。つまり「過去の音楽しか聴かない」ところに「音楽史」などできようがない、ということ。それでは、20世紀後半、そして21世紀のクラシック音楽は、どのような歴史を形成していくのだろうか。

Tan2 さん | 神奈川県 | 不明

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入門書とう位置づけではあるが最低限、高校...

投稿日:2021/04/10 (土)

入門書とう位置づけではあるが最低限、高校の音楽程度は理解していないとおそらくわけがわからないものとなるので要注意! 文章は非常にわかりやすく、簡潔に書かれているが内容的にはかなり踏み込んだ解釈などもあるため、クラッシックの門外漢が入門書としていきなりこれを読むとかえって敷居が高くなってしまう。 「通奏低音」「グレゴリオ聖歌」「新ウィーン楽派」程度の専門用語がわからない場合には更に初歩的な内容の入門書から読むのが正解だと思う。 上記したように高校の音楽の知識レベルの基本的なことが理解できているか、モンテヴェルディーからシューンベルクは一通り聴いているような方には非常に面白い内容で知的好奇心が満たされるものなるのではないだろうか・・・ さらに初歩的な入門書としては「クラシック音楽の歴史」中川 右介、「クラシックの作曲家たち」萩谷 由喜子 あたりがオススメ!

I.O.U さん | 北海道 | 不明

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著者は数々の受賞をされていることから有名...

投稿日:2017/12/19 (火)

著者は数々の受賞をされていることから有名なのですが、最近になってようやく岡田暁生氏の本を初めて入手しました。大変興味深いうえに、読みやすい本でした。

テリーヌ さん | Hyogo | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • naoっぴ

    音楽を世界史の流れで紐解いていく一冊。タイトルはお堅いけど、読みはじめると著者の思いが感じられる文章で思いのほか読みやすかった。はじめ宗教のためのものであった音楽が王侯貴族の手に渡り、次第に大衆へとバトンタッチ。それに伴い曲がどんどん変わっていく様子は知的好奇心をそそられる。第一次世界大戦の直前に美しい調性を破壊するような曲や楽器が出たことは、当時の人々に精神的な乱れがあったのだろうか。漫然と聴いていたクラシック音楽、西洋世界の時代背景を知れば違う響きが聴こえてくるかもしれない。

  • キムチ27

    再読、面白すぎて内容が脳内にじんわり染む。グレゴリオ聖歌〜中世のイメージではミサ そして信者の祈りの背後に流れるそれがクラシック音楽の源。その後 特に18〜20C 一般聴衆に向けるポピュラーな流れに変容してきた<あたかも絵画がそうであったように>もっとも独ロマン派においては厳然たる宗教色があったし、3大Bの一人 バッハの功績は事の是非を問わず そこに大きく貢献。子供の頃 ラジオから流れるミサ曲で慣れ親しんだ音譜〜モーツァルト、ベートーベン、バッハを中心に 常に耳元に有った音楽への造詣を更に掘り下げてくれる

  • zirou1984

    こんなにも面白い新書にはそうそう出会えるものじゃない。西洋音楽の歴史、つまり中世の讃美歌から現代のポピュラー音楽までをひとつなぎの系譜と見ることで、門外漢には遠いクラシックの世界がこんなにも馴染みやすくなる。その中で17世紀から20世紀前半の流行音楽であるクラシックについて地域や時代毎の特色について触れることで、音楽を語ることが同時に芸術や時代文化を語ることへと繋がっていく。本書はクラシックの入門書であると同時に、音楽について語ることはこんなにも面白いのだと久々に思い出させてくれた良書。

  • 金城 雅大(きんじょう まさひろ)

    「耳馴染みのある」と言われても全然ピンとこないほどこれまで全く触れてこなかった西洋音楽。そのような未知の世界に足を踏み入れるのは、何歳になってもワクワクする。 本書に出てくる音楽をYouTubeで探して聴きながら読むと、門外漢でもわかりやすかった。 本書が出版された2005年当時、まだいつでもどこでも聴きたい音楽を聴ける環境は整っていなかった。本書の想定読者は「ある程度クラシックを嗜んでいる人」だと著者自身も明言している。 テクノロジーの進化に伴い、昔の書物がその想定読者を拡大する好例だと思う。

  • ひと

    教会音楽やグレゴリオ聖歌からルネサンス、バロック、古典派、ロマン派音楽を経て戦後の音楽へと到る西洋「クラシック」音楽の大きな流れを一般向けに解説してくれている本です。バロックといえばバッハとの印象でしたが、煌びやかなバロックの中でプロテスタント文化を背景としたバッハ音楽の特殊性や、教会やパトロンからプロ音楽家となって自由を手に入れた初の音楽家であるベートーベンの話、音楽の大衆化の中で普及していったサロン音楽やピアノ音楽の話などを通して、いわゆるクラシック音楽が少し身近になってきた気がします。

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