Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• roughfractus02

  読了日：2022/01/15

  ヒトの観測の限界を踏み越え、宇宙へそして素粒子へ物理学を拡張した著者は、自らの理論を長期持続する仮説に過ぎないと考えていたという。本書には観測が数学や技術で拡張されてもヒトという基点に立ち戻る著者の姿勢が窺える。迫害されたユダヤ人としての自覚に反し、自らの理論が原爆へ繋がったことへの驚愕は、戦争への問いと男性中心の社会で女性や少数民族も含めた世界政府の平和構想へ向かう。第二次大戦前夜フロイトに戦争と本能について問う書簡を送り、戦後に社会主義と対話を試みる姿勢の背景には、スピノザと仏陀の思想があったようだ。

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