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ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム 大手出版社が沈黙しつづける盗用・剽窃問題の真相 宝島nf

Atsushi Mizoguchi

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784800207647
ISBN 10 : 4800207649
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

今、ひとりの「カリスマ」が、業界構造の頂点から転げ落ちようとしている。
カリスマの名前は佐野眞一氏。近年では書籍『あんぽん孫正義伝』が、十数万部も売れたベストセラー作家にして、大宅賞作家だ。人は彼のことを「ノンフィクション界の巨人」と呼ぶ。しかし「巨人」は「虚人」だったことが、2012年10月に起きた佐野氏による『週刊朝日』の連載記事「ハシシタ奴の本性」の人権侵害問題を契機に、いみじくもバレてしまった。
実は「ハシシタ 奴の本性」が表のメディアで騒動となっていたのと同時期、佐野氏のかつての仕事仲間、猪瀬直樹・現東京都知事のツイートをきっかけに、27年間にもわたる「盗用・剽窃」行為が、ネットメディアの精緻な調査によって次々と暴かれた。ネット発、前代未聞の「大量盗用スキャンダル報道」に、大手週刊誌も追従するものと期待された。しかし……一部の報道を除けば、いまだにこの一件は黙殺されている。
本書は27年前に佐野氏から盗用の被害を受けたノンフィクションライター溝口敦氏の発案によって誕生した。
佐野氏は「ハシシタ奴の本性」問題、さらには『ガジェット通信』荒井香織記者の追及に対して、『週刊ポスト』『創』誌上で釈明文を公表してきた。佐野作品を「商品」として頒布する版元は、この釈明文によって「禊(みそぎ)」とする腹積もりのようだが、だからといって27年間にわたる盗用行為に“恩赦"が与えられる道理はない。
本書では、出版界内部からの自浄作用を促すことを目的に、佐野作品に発覚した140件以上の盗用・剽窃箇所(ネットメディアではまだ指摘されていない盗用を多数発掘)および、その疑惑をすべて公開するとともに、佐野氏の釈明がいかに欺瞞に満ちたものなのか、徹頭徹尾、指弾する。
溝口敦氏の切れ味するどい批判論考を中心に、佐野取材班として活動してきたジャーナリストの安田浩一氏・今西憲之氏×断筆派のジャーナリスト西岡研介氏の激論座談会、佐野ブランドが週刊誌ジャーナリズムの「てっぺん野郎」に上り詰めた業界構造の解析、盗用被害者の手記、告白、そして新たに発見された「無断引用」への佐野氏の詫び状公開など、内容は盛りだくさん。
全出版人、マスコミ関係者、取次ぎ、書店関係者、そして何よりも「佐野文学ファン」必読の書! 読者はこうして27年間、欺かれてきた!

Customer Reviews

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衝撃的な内容。 インターネットの情報など...

投稿日:2021/04/16 (金)

衝撃的な内容。 インターネットの情報などは、正確さに欠け、書籍を情報としては、優先してきたが、ネットジャーナリズムから、ノンフィクションの巨匠の正体を暴くことになった。 出版界で活躍中の著名人たちのコメントもあり、サブタイトル通り、盗作の事実が浮き彫りになる。 この人物が巨匠になるまで、放置されてきたということは、各出版社の責任も感じる。 盗作とはいえ、元は十分に取り、その後も大手ではないところで仕事は出来ている。 盗人猛々しいと感じる。 私も読者だったので、情報のアップデート、訂正に奔走する羽目になった。 この本を境に、潔く引退してほしかった。 十分な反論は、いまだになされていないはず。 言いわけみたいな本は出たが。

ダム さん | 千葉県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • CTC

    13年宝島社。先日溝口敦氏の本を読んでいた時に、この本の存在を思い出した。溝口氏が池田大作を書いたのは72年で、佐野は85年この本から“盗作”したということだ。本書には佐野眞一の“パクり癖”が数多記されており、特に宮本常一を記した石牟礼道子の文章からの剽窃(93年→00年)はおぞましい。独特な表現をほぼ全て自分のものとしている。 そのほか…挙げればキリがなく、それらを各版元が放置したのも異様である(本社内で複数の執筆者が指摘)。こういう仕事は雑誌協会にも書籍協会にも属さぬ宝島社ならではの仕事といえそうだ。

  • mutante

    「佐野眞一の〜別海より〜」を読んでいたときに「この人、本当に取材しているのか?ノンフィクションって突き詰めないと普通のルポになっちゃうから、いくらか話しを小説ふうに盛っているだろ?」と思っていたが、木嶋佳苗の生き霊に襲われ胸を開く大手術をしてからは、データマンが取材してきた記事をまとめた「エア記事」だったことが判明した。佐野眞一は反省してゴールデンボンバーのバックで踊っててください。

  • kenitirokikuti

    図書館にて。佐野眞一『東電OL殺人事件』を借りたのですが、そういや佐野の事件があったなとこれも追加で借りた。この件、紙のメディアで扱えるのは宝島か創。創は消極的で、宝島がこうして扱った。佐野氏、酒が入ると他人を貶しだすタイプだそうで、やっぱ危ないよな、そのパーソナリティのひと。

  • midnightbluesky

    佐野信者ではないが佐野さんの著作はよく読んだ。不屈の溝口さんも情念の佐野さんも好きです。溝口さんが得意分野とする反社会的な人たちを批判・糾弾するのと同等の扱いで、佐野さんを叩いているのが気になる。絶対的正義が蔓延している内容。まぁダメなもんはダメなんだが。

  • Takahashi Rikiya

    佐野、という作家の「盗作」を糾弾した本。過去何十年分もの資料を集める経費・時間に目がくらむが、違法行為を糾弾するのは、これほどコストがかかるのか! と絶望的にもなる。本書の「盗作された側」である石牟礼道子さんの対応がそうであるように、出版業界に限らず、違法行為に対して訴訟や、業界全体に働きかけて自浄を促すのは面倒だ。 下手すれば被害を受けて訴訟を起こした人々が、そりゃやりすぎだよって、いつのまにか、まるで加害者のように扱われることもある。 その点において、本書は社会生活の縮図でもある。

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