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Orch.Works: Handley / Rpo

Bantock

User Review :4.0
(2)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
CDS44281
Number of Discs
:
6
Label
:
Format
:
CD
Other
:
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Product Description

バントック:オーケストラ作品集(6CD)
ハンドリー&ロイヤル・フィル

英国の作曲家、バントックといえば、後期ロマン派から近代の世代に属し、詩情豊かな旋律と独特の濃密な色彩感に彩られた音楽を書いたことで知られています。
 代表作は何といっても、ハイペリオンからの発売当時に話題となり、この作曲家の知名度向上にも一役買った『ケルト交響曲』でしょう。バントックはロンドン生まれでしたが、ケルトやスコットランドの音楽の持つ独特の美しさを愛しており、作品にもそうした要素が色濃く反映されていました。6台のハープと弦楽オーケストラの織り成すこの世ならぬ陶酔的な美感は一聴の価値があります(試聴はこちら)。その他、メンデルスゾーンの『フィンガルの洞窟』で名高いヘブリディーズ諸島を描いた交響曲『ヘブリディーズ交響曲』もケルトの美しさを荒々しい自然描写を交えて描いて秀逸な傑作です。
 ギリシャ文化にも関心の深かったバントックは、この方面でも傑作を書いています。チェロとオーケストラのための『サフィックの詩』は、メランコリックな音楽がとても美しく、ソプラノと管弦楽のための前奏曲と9つのフラグメント『サッフォ』も、いにしえの詩情漂う音楽が実に魅力的。一方、『異教徒の交響曲』では、ギリシャ神話のファウヌスとサテュロスを描いたといわれるスケルツォ楽章が強烈で、愉快な『縁日広場のフィフィネ』はトマス・ビーチャムのレパートリーとして人気があった作品です。
 バントックの異国趣味がよくあらわれているのが、『破壊者サラバ』や『オマル・ハイヤーム』といった中東物でしょうか。前者は、悪魔オクバによって家族全員を殺され、復讐の戦いへと向かう男サラバが、最後には慈悲の心を持って敵を許すという筋書きに基づく交響詩で、後者は、11世紀ペルシャの天文学者で数学者で詩人のオマル・ハイヤームが遺した四行詩をフィッツジェラルドが自由な形で英訳し、それにバントックが付曲したというものです。
 今回、ハイペリオン・レーベルからお得なセットとして発売されるバントック・ボックスは、これまでに同レーベルがリリースした6枚のアルバムをまとめたもので、バントックの残した作品の中でも傑作と呼ばれるものが数多く収められています。

【バントック・プロフィール】
マーラーやリヒャルト・シュトラウスとほぼ同世代の英国の作曲家、グランヴィル・バントックは、1868年8月7日、ロンドンの高名な医師の家庭に誕生し、1946年10月16日にロンドンで亡くなっています。彼は最初、化学や工学を学び、やがて父の命で官僚になるべく勉強をしますが、音楽への情熱はやみがたく、20歳のときにロンドンの王立音楽院に入学することになります。
 同音楽院では、作曲と和声のほか、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、ホルン、チューバ、ピアノ、オルガンなどを学び、聖歌隊のメンバーも務め、さらに学内定期刊行物の創刊に尽力し、自身、ワーグナーに関する論文を寄稿するなど、多忙な生活を送っていました。そして1892年、同音楽院の和声科助教授となり、1898年、女流詩人へレナ・フォン・シュヴァイツァーと結婚、1900年、バーミンガム音楽学校長に就任、1908年からは、27年に渡ってバーミンガム大学音楽科教授を務め、その間、バーミンガム市交響楽団の設立に深く関わり、また、様々な作品を発表して注目を集めるなど、バーミンガムを拠点に活躍していました。
 作曲家、教育者としてのほか、指揮者としても活躍したバントックは、英国にシベリウスを紹介した立役者の一人でもあり、シベリウスは感謝の気持ちを込めて交響曲第3番をバントックに献呈、さらにバントックの死後に設立されたバントック協会の初代プレジデントになっているほどです。
 バントックは教養豊かで、神話や伝承、ケルト、中東、北欧、東洋など異文化への関心が高いことでも知られており、作品にもそうした傾向は強く現れ、幻想的でありながらもどこか親しみやすい繊細な美しさを持つ音楽が今もファンを魅了してやみません。

【収録内容】
CDA66810[69:17]
・交響曲第3番『キプロスの女神』(1938/39)[24:23]
・『ヘレナ』〜HFBの主題による管弦楽のための変奏曲(1899)[19:25]
・交響詩『ダンテとベアトリス』(1901)[25:00]

 録音:1995年5月16,17日(デジタル)
 プロデューサー:マーティン・コンプトン
 エンジニア::トニー・フォークナー

CDA66450[73:30]
・『ケルト交響曲』〜弦楽オーケストラと6台のハープのための[19:55]
・『アトラス山の魔女』〜オーケストラのための音詩第5番[14:37]
・『海の略奪者』〜ヘブリディーン海詩第2番[03:44]
・『ヘブリディーン交響曲』[35:06]

 録音:1990年8月21,22日(デジタル)
 プロデューサー:マーティン・コンプトン
 エンジニア::トニー・フォークナー

CDA672500[76:50]
・『雅歌』への前奏曲[11:40]
・『オマル・ハイヤーム』への前奏曲[06:36]
・『らくだのキャラバン隊』〜『オマル・ハイヤーム』より [07:56]
・『キャリスティオーナ』〜『2つのヘブライ海詩』より第1番 [09:31]
・『行列』〜『管弦楽のための2つの情景』より第1番[14:40]
・『破壊者サラバ』[26:05]

 録音:2001年2月20,21日(デジタル)
 プロデューサー:マーティン・コンプトン
 エンジニア::トニー・フォークナー

CDA66899[75:20]
・『サッフォ』〜ソプラノと管弦楽のための前奏曲と9つのフラグメント[59:28]
・『サフィックの詩』〜チェロと管弦楽のための[14:57]

 スーザン・ビックリー(ソプラノ)
 ジュリアン・ロイド・ウェッバー(チェロ)

 録音:1997年2月10,11日、5月10日(デジタル)
 プロデューサー:マーティン・コンプトン
 エンジニア::トニー・フォークナー

CDA67395[77:05]
・ギリシャ悲劇への序曲[17:54]
・オラトリオ『荒野のキリスト』より-「荒野と孤独な場所」[06:09]
・『ピエロ・オヴ・ザ・ミニット』[12:11]
・『雅歌』より「三つの情景」[41:00]

 エリザベス・コンネル(ソプラノ)
 キム・ベッグレイ(テナー)
 ウィリアム・ブリドー(バリトン)

 録音:2003年4月1,2日(デジタル)
 プロデューサー:マーティン・コンプトン
 エンジニア::トニー・フォークナー

CDA66630[79:38]
・『異教徒の交響曲』[35:34]
・『縁日広場のフィフィネ』[35:26]
・『2つの英雄的なバラード』[08:07]

 録音:1992年8月6,7日(デジタル)
 プロデューサー:マーティン・コンプトン
 エンジニア::トニー・フォークナー

 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 ヴァーノン・ハンドリー(指揮)

Track List   

Disc   1

  • 01. バントック:オーケストラ作品集

Disc   2

  • 01. <!-- -->

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Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

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クランヴィル・バントックの世界を満喫でき...

投稿日:2021/02/26 (金)

クランヴィル・バントックの世界を満喫できる貴重なボックス。ヴァ―ノン・ハンドリーのかけがえのない遺産の一つでもある。ケルト交響曲など比較的知られた作品もさることながら、たとえば「サッフォー」の美しさはどうだろう。思わずため息が漏れる。こうした貴重な録音が、廃盤の憂き目に遇うことなく多くの人に知られることを願うのみ。

やすさん さん | 北海道 | 不明

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グランヴィル・バントック。大作曲家である...

投稿日:2007/12/05 (水)

グランヴィル・バントック。大作曲家である。その音楽の親しみやすさは、おそらくエルガー以上。加えて、みずみずしい霊感に満ちた幻想味は、英国作曲家の中でも異彩を放っている。ただ、惜しむらくは構成力が弱い。和声も単調だ。ゆえに、指揮者には、逆にその弱さを補うアプローチを期待したい所。しかし、このセットは、バントックらしさを出そうとして、(ストリーム調の録音も含め、)叙情的な表現に終始した結果、どこを聴いても同じという金太郎飴状態に陥ってしまった。残念だ。ただ、作品をこれだけまとめられた意義は大きい。

鯖太郎 さん | 大阪 | 不明

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