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慰安婦問題論

C・サラ・ソー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622085355
ISBN 10 : 4622085356
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

本書は2008年に、韓国人研究者がシカゴ大学出版から英語で刊行した研究書の待望の日本語版である。刊行当時から現在まで慰安婦問題をめぐる基本構図は変わらない。なぜこれほどまでに、問題はこじれたのか。日本軍の慰安所について、本書はそれを認可業者型、軍専属型、犯罪型に分類し、商業性と犯罪性の濃淡を認めている。公娼か性奴隷かの二元論はこの現実を見てこなかった。そうした論争は問題の核心も看過してきた。それは、慰安婦にされた女性を飲み込んだ女性蔑視・搾取の巨大な濁流、それに日韓双方が国家レベルでも国民レベルでも加担していた事実である。これが本書の問題意識である。「自らの政治的立場を強める目的で文脈を無視して本書の一部を悪用することのないよう、日本内外の右翼および急進的ナショナリストに注意を促しておく」。曲解を招く危険を自覚しつつ、争いの不毛さを指摘した勇気ある書。

目次 : 序 ジェンダー、階級、セクシュアリティ、そして植民地下における労働と帝国主義戦争/ 第1部 ジェンダーと構造的暴力(多様な慰安婦像から定型ストーリーへ/ 韓国人サバイバーの証言ナラティヴ/ 歴史としての日本の軍慰安制度)/ 第2部 パブリック・セックスと女性の労働(慰安婦をめぐる戦後/解放後の公的記憶/ パブリック・セックスをめぐる個人の記憶/ パブリック・セックスと国家)/ おわりに 真実、正義、和解/ 補遺 「在外者人類学」を実践するということ

【著者紹介】
C・サラ・ソー : 蘇貞姫。ソウル西江大学卒業後、ハワイ大学で文化人類学を専攻し博士号を取得。ハワイ大学、アリゾナ大学、サウスウェスト・テキサス州立大学、サンフランシスコ州立大学での教職を経て、現在サンフランシスコ州立大学名誉教授(人類学)

山岡由美 : 出版社勤務を経て翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Satoshi

    着地点が見えないまま、従軍慰安婦だった方々は徐々に減ってきている。日本の保守論壇、韓国の政治団体双方がゼロイチ論になり、もうすぐ戦後80年になるにも関わらす、冷静な議論すらできていない。本書の内容は双方の論点の矛盾、証言の真否の難しさなどを丁寧に論じており、非常にフェアな内容となっている。家父長制の強い日韓の女性問題、奴隷的な売春制度、日本の植民地主義といった様々な要素を因数分解して論点は見事であり、従軍慰安婦論は本書以上の作品はないかも。

  • クァベギ

    素朴な表現を使うと、すごい力作。この問題に対する著者のパッションが感じられる。植民地経済のことや、日韓の性文化など、この問題を論じる時に考えるべきあらゆる論点が示されている。そのため右派や左派の論者にとって不都合なことも書かれている。著者は、自説を述べたところ、他の研究者にののしられたことがあるそうだ(304-05頁)。大変な苦労をして、書かれた著作なのだろうなと思った。

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