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幻燈辻馬車 上

Futaro Yamada

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041356616
ISBN 10 : 404135661X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2010
Japan

Content Description

明治15年。年々文明開化の華やかさを増す東京を行く1台の古ぼけた辻馬車があった。それを駆るは元会津同心の干潟干兵衛。孫娘のお雛を馭者台の横に乗せて走る姿が話題を呼び、日々さまざまな人物が去来していく。ある日2人は車会党の恨みを買い、壮士らに取り囲まれてしまう。危機に晒されたお雛が「父!」と助けを叫ぶと、なんと無人の辻馬車が音もなく動き出した!そして現れたのは…?山風明治ロマネスクの最高傑作。

【著者紹介】
山田風太郎 : 1922年兵庫県生まれ。東京医科大卒。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、58年『甲賀忍法帖』を発表し忍法ブームに火を付けた。2001年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • syaori

    明治15年、維新の記憶も薄れておらず、政権の中枢を固める薩長閥から疎外され落魄した武士の子弟が、政府が欧化政策から除外した自由民権を呼号する時代。元会津藩士で、維新では賊軍として辛酸を舐め、西南戦争では息子を亡くし、現在は東京で息子の残した孫娘と辻馬車屋を営む干兵衛を中心に物語が進みます。上巻では、その馬車の客となる自由民権の壮士・来島恒喜、坪内逍遥、山川捨松といった人々とのドラマによって武士の世から近代へと移ってゆく時代の光と闇が虚実取りまぜながら描かれて、その作者の筆に唸らずにはいられません。下巻へ。

  • NAO

    高座で乗り合い馬車のラッパを吹いたことから「円太郎馬車」という呼び名が生まれるもととなった噺家の円太郎と創作怪談噺で有名な師匠の円朝を引き合いにして幕が上がる『幻燈辻馬車』。馭者は息子を西南の役で亡くした元会津藩士。馬車に乗る孫娘が「とと」と助けを呼ぶと、父の幽霊が危難を救いに現われる。時代と政治体制が大きく変わり、不公平感に憤る者が多い中、自由党の不穏な動きに巻き込まれていく親子馬車。怪談とサスペンスがミックスされたような、一風変わった時代小説。

  • 優希

    面白かったです。文明開化の音がする東京。日々様々な人々が行き来する中でのロマネスクの香りがしました。

  • よっちゃん

    「会津の怨念と民権運動」対「三島通庸に象徴される薩長藩閥政権」という対立軸を巡って、誰が敵やら味方やら、一寸先は闇とばかりに複雑怪奇な紆余曲折を描いている。さらに言えば、時代はすでに明治15年から明治17年である。そこでは完成された薩長藩閥の権力構造に対して民権運動という新しい価値観の対立軸がある。だから特に「会津の怨念」は変容し風化し、あるのかないのか分からぬ亡霊じみた存在となって消えつつあるのかもしれないと………思わせぶりな干潟干兵衛の心境に当時の世相を託しているところが見どころだ。ただしかなり難解。

  • おぎにゃん

    いきなり登場する幽霊…でもこの幽霊、見た目は表紙絵なんだけど…そこは鬼才天才山田風太郎、一筋縄ではまいりません。登場人物も、鞭の名手で元会津藩の腕利き同心と、滅茶可愛いその孫を主人公に、歴史上の有名人がこれでもかと登場して、帝都東京を舞台に波乱万丈、豪華絢爛、総天然色の大捕り物を繰り広げる…読んでいてとにかく楽しい。まだ半分も残っていることが嬉しくて仕方がない。臨場感も半端ないし、明治の息吹がガンガン伝わってくる。これでもまだ前半なのだ。後半はどうなるんだろう…号泣必至みたいだが、とにかく楽しみである。

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