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猫を棄てる 父親について語るとき

Haruki Murakami

User Review :4.5
(2)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784163911939
ISBN 10 : 4163911936
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
高妍 ,  

Content Description

時が忘れさせるものがあり、そして時が呼び起こすものがある


ある夏の日、僕は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った。歴史は過去のものではない。このことはいつか書かなくてはと、長いあいだ思っていた―――村上文学のあるルーツ


【著者紹介】
村上春樹 : 1949(昭和24)年、京都市生まれ、早稲田大学文学部演劇科卒業。79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)などがある。ほかに、短編集やエッセイ集など多くの著作や翻訳書がある

高妍 : 1996年、台湾・台北生まれ。台湾芸術大学視覚伝達デザイン学系卒業、沖縄県立芸術大学絵画専攻に短期留学。台湾、日本でイラストレーションや漫画を中心に作品を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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文字通り「猫を棄てる」エッセイである。 ...

投稿日:2021/04/10 (土)

文字通り「猫を棄てる」エッセイである。 もともと月刊誌(文藝春秋)に掲載された分量なので1冊の本にしては短い。 淡々と過去の出来事を語る中に、父が背負ったカルマのようなものも書かれテーマは重い。 最後のわれわれは、空から降る雨の一滴に過ぎないが、その一滴にもそれぞれの人生がある旨の文章に胸をうたれた。

さんたろう さん | 不明 | 不明

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一通りの村上春樹のエッセイは読んでいるつ...

投稿日:2021/04/08 (木)

一通りの村上春樹のエッセイは読んでいるつもりだが、奥さん以外の肉親についてはほとんど書かれていなかったと思われるので、とても興味深かった。創作活動のルーツの一端を垣間見た気がした。ファンなら読んで損はない。ただ、ボリュームを考えると高い気がする。新書版で出して価格を下げて欲しかった…

いえつん さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ミカママ

    仲が良かったとはいえない父上との幼いころの思い出と、父上の若いころの足跡をたどった、春樹さまの独り言のようなエッセイ集。「若いころ」限定なのは、彼が職業作家になって20年ほどはほぼ没交渉だったそうで。その辺の確執や、父上の最期に「和解のようなことをおこなった」経緯については触れられていない。「歴史があって今がある。自分が存在する」という、彼のユルくはあるが、強烈なメッセージ。そしてまた読者は置いてけぼりにされたまま、本を閉じるのである。

  • starbro

    私はハルキストでも村上主義者でもありませんが、村上 春樹の新作をコンスタントに読んでいます。 何故今著者が、自身の父を語ろうとしているのか、良く理解出来ませんが、高妍のイラストも相まって、良い雰囲気の小冊子に仕上がっています。但し、この内容では、ベストセラーにはならないのではないでしょうか? https://books.bunshun.jp/sp/nekowosuteru

  • zero1

    読めば春樹の作品世界が理解できる。村上が父について語る。父子の乖離と病院での見舞いですぐ思い出すのが「1Q84」の天吾。大きな溝ができた父に面会し和解しようとした。また「海辺のカフカ」でもギリシャ悲劇のような父と子の関係が出てくる。中国大陸での戦争については「ねじまき鳥」につながる。もし村上の父が戦死していたら。我々は彼の作品を読めなかった。戦争とは未来への希望を奪う悲劇の集まりだ。猫を棄てる話は映画「市民ケーン」を思い出した。人はどうでもいいようなことを忘れないものだ。歴史は過去のものではない。

  • ポルコ

    人に歴史あり。やはり父親との確執は凄まじいものだったんだと、予想通りの感想。だが、どこか懐かしく心暖まる印象。猫に始まり、猫で終わるからかも。

  • まこみや

    すでに雑誌掲載時に読んでいました。この度単行本で発行されたのを機に再読しました。以前から村上作品の解釈として「父の不在」とその意味が一つの大きなテーマと言われていました。今回こうして村上さん自身が父の存在を見つめかえしたことで、今後の彼の作品がどのように変化するのか、あるいはしないのか、が注目されるところです。

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