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戒厳

Inuhiko Yomota

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065266557
ISBN 10 : 4065266556
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2022
Japan

Content Description

一九七〇年代後半、軍事政権下のソウルに大学の日本語教師として赴任した「わたし」は、まだ二十代前半だった…。植民地時代の記憶、兵役におもむく同世代、強烈な反共の空気。予期せぬ出会いを重ねるなか、朴正煕大統領が暗殺され、戒厳令が敷かれた!『ソウルの風景』の著者による半自伝的小説。

【著者紹介】
四方田犬彦 : 1953年大阪府箕面生まれ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を学ぶ。エッセイスト、批評家、詩人。文学、映画、漫画などを中心に、多岐にわたる文化現象を論じる。明治学院大学、コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学、中央大学校(ソウル)、清華大学(台湾)などで、映画史と日本文化論の教鞭をとった。93年『月島物語』で斎藤緑雨賞、98年『映画史への招待』でサントリー学芸賞、2000年『モロッコ流謫』で伊藤整文学賞と講談社エッセイ賞、02年『ソウルの風景―記憶と変貌』で日本エッセイスト・クラブ賞、08年『翻訳と雑神』『日本のマラーノ文学』で桑原武夫学芸賞、14年『ルイス・ブニュエル』で芸術選奨文部科学大臣賞、19年『詩の約束』で鮎川信夫賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • たま

    韓国で1年間日本語を教えることになった瀬能は多くの韓国人と知り合い、やがて朴正煕の暗殺と戒厳令(1979)を現地で経験する。瀬能は韓国の複雑さに触れ、国家軍隊民族…の問いを抱えて日本に帰るが、日本にはその問いをを共有できる環境がない。著者の実際の経験が下敷きとなった小説で、金大中誘拐や朴正煕暗殺、『世界』の通信などで強烈な独裁強権国家イメージの記憶がある私は、当時の韓国経験と日本における韓国イメージを興味深く読んだ。「行き場所のない古びた問い」を抱えていた瀬能は、20年後、この本の終わりで韓国を再訪する。

  • おたま

    著者・四方田犬彦も、この小説の登場人物と同様に1979年から1年間韓国に滞在して、大学で日本語を教えている。これは、限りなく体験的な事実に近い小説だろう。四方田は、瀬能という主人公に託して自身の体験した韓国を描いていく。そして、四方田は私よりも一歳(学年でいうと二年)上ということで、私が当時報道で耳にし、目にし、読んだことと重なることが多い。逆に韓国について、こんなに近く、関係も深かった国であるにも関わらず、知らないことだらけだ。描かれた韓国の日常生活が、すでに衝撃の連続。

  • ケイティ

    80年代の韓国で大学講師として滞在した、ほぼご自身の私小説。軍事政権下で緊張感ある生活を送りながらも、学生たちとの交流では当時のリアルな感覚が垣間見える。日本では全共闘、韓国で民主化運動という激動の時代を過ごした著者だが、当事者は意外に冷静で現実的。自分たちの生活は明日も続くし、何もかも呑み込んで常態化している日常というのはそういうものなのだろう。その分、等身大でフラットな視点で当時の韓国が伝わる作品として貴重です。読み応えあり、興味深かった。

  • Masakazu Fujino

    とても面白かった。限りなくノンフィクションに近いフィクション。  1979年、大学を出たばかりの主人公は日本語教師として、韓国ソウルに向かい、朴正煕大統領の下で軍事独裁政治を進める韓国で一年生活をする。  当時の韓国の社会や人々の様子がとてもよく描かれていて、さの中で動いている主人公の考えや想いがまた、興味深い。主人公が里門洞(南山)のKCIAへ呼び出されというところでは、先日見たイ・ビョンホン主演の「南山の男たち」を思い出した。後で朴正煕大統領が暗殺されるところも出てくるのだが。四方田犬彦は文章がいい。

  • Junichi Watanabe

    #読了 。著者が1979年に日本語教師として韓国で滞在した経験を基に著された限りなくノンフィクションに近い小説。1970年台後半の韓国は、軍事政権下で日本では考えられないような制約制限があり、著者が訪韓していた年に朴正煕大統領が暗殺され戒厳令が引かれた。まさに韓国歴史の一辺を外国人の目から、そして友人知人の韓国人の日常心情を細かに描写している。また、日本統治時代に生きた人々や軍事政権下の若者がみる日本、日本人が書かれている。今までステレオタイプの韓国しか知らない自分にとっては、正に目から鱗だ。

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