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世界文学論集

J M クッツェー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622079439
ISBN 10 : 4622079437
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

古典とは何か?スタイルの誘惑。告白と二重思考。検閲の闇を抜けて。狂気とライヴァル関係。言語文化横断的な批評家クッツェーの精粋を、この一冊に凝縮。

目次 : 古典とは何か?講演/ サミュエル・ベケットとスタイルの誘惑/ カフカ「巣穴」における時間、時制、アスペクト/ 告白と二重思考―トルストイ、ルソー、ドストエフスキー/ 検閲の闇を抜けて/ エラスムス―狂気とライヴァル関係/ ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』/ ローベルト・ムージル『日記』/ J.L.ボルヘスの『小説集』/ ヨシフ・ブロツキーのエッセイ/ ゴーディマとツルゲーネフ/ ドリス・レッシング自伝/ ガブリエル・ガルシア=マルケス『わが悲しき娼婦たちの思い出』/ サルマン・ルシュディ『ムーア人の最後のため息』

【著者紹介】
J・M・クッツェー : 1940年、南アフリカのケープタウン生まれ。ケープタウン大学で文学と数学の学位を取得。65年に奨学金を得てテキサス大学オースティン校へ。ベケットの初期作品の文体研究で博士号取得。68年からニューヨーク州立大学で教壇に立つが、永住ヴィザがおりず、71年に南アフリカへ帰国。74年、最初の小説『ダスクランド』出版。以降、ケープタウン大学で教えながら小説・批評を次々と発表する。83年『マイケル・K』と99年『恥辱』で英国のブッカー賞を2回受けた。03年、ノーベル文学賞受賞

田尻芳樹 : 1964年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。ロンドン大学で博士号取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻はイギリス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    クッツェーは南アの作家となんとなく思っていたが、南アの検閲の厳しい時を過ごしていたのだと知り、確かにそれは彼の作品に影響を与えたのだと思った。20代後半から31歳まで博士号をとるため、そして助教授として教えるために米に滞在していたが、ビザが更新出来ず南アに帰り、60を過ぎてオーストラリアに移住するまで大学で教えていた。この本に収められた講義集はまさに教授が講演や講義用に書いたに相応しい作品で、作家が片手間に評論を書いたレベルではない。カフカ、エラスムス、ドストエフスキー、ラシュディらの分析が興味深かった。

  • 燃えつきた棒

    取り上げられている作家たちが、きらびやかであるのにも拘らず、僕にはあまり響かなかった。

  • hiroizm

    ノーベル文学賞作家は文学の読み手としても随一、と思い知らされた一冊。ベケット、カフカ作品の分析の細かさはこの作家ならではの細かさで、字を追うだけで一苦労、でもトルストイ、ルソー、ドフトエフスキーの告白小説論は、日本の私小説の分析。例えば志賀直哉や太宰治の読解に応用したら面白いかもと思えたし、またエラスムス論は、原発事故後の福島など昨今の社会の分断に直面した時それをどう読み解くかのヒントになりそうな気がして、色々勉強になった。残業で忙しい最中ではなく、ゆったりした時間にじっくり再読したい一冊。

  • belier

    作家の文学論集だが、クッツェーはいろんな面を見せてくれる。「古典とはなにか?講演」ではエピソードをうまく使っていて、さすがストーリーテラーだと納得させられる。ベケットやカフカについては、緻密な分析がすごい。さすが数学で学位をとった人だと感心させられる。文学批評家としての面はエラスムス論で顕著になる。後半の作品論は、同じ創作者としての具体的な評が興味深い。読んでない作品、昔読んで記憶が薄れた作品も読んでみたくなった。強靭な知性を持った作家、クッツェーを深く理解するために必須の本になるのだろう。

  • なめこ

    「世界文学」というある意味では問題含みの題名のとおり、ノーベル文学賞作家でもあるクッツェーが様々な国の小説あるいは作家を論じた評論集。これがかなり面白い。あまりにも緻密で、あまりにも大胆な展開は難解な箇所も多いけれどスリリングで、特に文学と政治の関係を論じている箇所などにあらわれる、二項対立を注意深く避ける(そのどちらにもくみしない、そして答えを保留する)姿勢には、南アフリカ共和国の作家・批評家(と簡単に言ってしまっていいのかどうかは分からないが)としてのクッツェーの覚悟、微妙な選択がうかがえる。

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