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蠕動で渉れ、汚泥の川を 角川文庫

Kenta Nishimura

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041076460
ISBN 10 : 4041076463
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2019
Japan

Content Description

こんな青春も、存在する―。17歳。中卒。日雇い。人品、性格に難あり。しかし北町貫多は今日も生きる―。無気力、無目的に流浪の日々を送っていた貫多は、下町の洋食屋に住み込みで働き始めた。案外の居心地の良さに、このまま料理人の道を目指す思いも芽生えるが、やがて持ち前の無軌道な性格から、自らその希望を潰す行為に奔りだす―。善だの悪だのを超越した、負の青春の肖像。渾身の長篇私小説!

【著者紹介】
西村賢太 : 1967年7月、東京都江戸川区生れ。中卒。文庫版『根津権現裏』『藤澤清造短篇集』『田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら 他』を編集、校訂、解題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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著者の作品には、さほど贅沢していなくても...

投稿日:2021/04/15 (木)

著者の作品には、さほど贅沢していなくても美味しそうな食事の場面が多々あり真似した事もあります。舞台は洋食屋ですが雰囲気が伝わってきます。

ヂユウ さん | 秋田県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • こうすけ

    苦役列車の前段ぐらいだろうか、秋恵が出てこない、10代の頃の貫多。定食屋でアルバイト、という珍しい展開。自称根っからのスタイリストでローンウルフ、とのことだが、なにもそれぐらいのことで、そんなに怒らなくても……と背中を叩いてやりたくなる。しかし、その心中の憎悪や憤怒は、報われない社会全体に向けられたものだから仕方ない。いつものごとく、来るぞ来るぞ来るぞ、と訪れる終末を予感させ、クライマックスで期待どおりの大爆発、という見せ方はうまい。秋恵モノと違い、ところどころ10代の不安感が描かれてるのが印象的。

  • とし

    こんな青春も、存在するとあるとおりその日暮らしを繰り返す17歳が主人公の作品。日雇いや短期バイトでお金をもらうと酒や遊びに散財して、家賃も平然と踏み倒す主人公。このような自堕落的な生活から抜け出すために、洋食屋に住み込みで働く主人公。月給制で働きお金を貯めて生活をあらためようとするもいつもの性格から破綻してしまう。西村さんの作品は私小説であり、本作品も自身をモデルにしているところもあると思われますが、いろいろと笑いありの話でした。深刻な話でありますが、ユーモラスであり逞しく憎らしい主人公が面白かったです。

  • 桜もち 太郎

    17歳の北町貫多、いやぁ〜、今回も貫多のクズっぷりにはまいった。この貫多の愚かさが憎めない、いや許せてしまうのは貫多は作者自身だからだ(私小説)。「自分は青春の落伍者になりつつあるが、しかしながら、まだ人生の落伍者には至っていないのだ」と嘯く彼の心中は侮れない。自身を「プライドが高く、スタイリスト」といい、「敵前逃亡体質」だともいう。「根が貴族風」で「無意味嘘つき体質」ともいう。「ストイック看板のローンウルフ」を自任する貫多。どれもこれも当てはまるが、やっぱり自意識過剰のクズ男ってのが似合っている。→

  • ミサ

    洋食屋で住み込みで働くようになった貫太。日雇い暮らしから月給生活になったものの、このまま順調に行くはずがない。仕事に充実感や達成感を見いだす反面、もともとの怠惰な性格があらわになってきて…。もどかしいぐらい不器用な貫太を虚しくも応援してしまう。

  • 澤水月

    「いわゆる、セブンティーンというやつなのである」。飲食店に押しかけ寄宿。“根がストイック看板のローンウルフ”と我を通す貫多、滅茶だが何度も若さ誇る。友も彼女もない無聊を“なめくじ長屋”都筑道夫、小栗虫太郎に高木彬光らの古本で紛らし贅沢の象徴が大坪砂男のゾッキ本買う姿に眩しさも。「10年も経ったら、此奴らは行政に面倒をかけながらの骨壷行き」や「黙れ、遠国者!」…からの罵倒半pは爆笑。料理の描写本書は美味そうでタマネギのチャッパー、肉塊からのひき肉作りとハンバーグ成形食欲そそる。缶ウインナー好きはここからか

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