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みずから我が涙をぬぐいたまう日

Kenzaburo Oe

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784061961142
ISBN 10 : 4061961144
Format
Books
Publisher
Release Date
February/1991
Japan

Customer Reviews

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    大江自身の前書によれば、本書は『セヴンティーン』第2部(注・「政治少年死す」未刊行)以来のテーマ「純粋天皇」を巡る2つの中編小説ということになる。たしかに、この2篇は相互補完的な要素を持っており、それを繋ぐキー・コードは「あの人」である。「みずから我が涙…」では、それは直接的には主人公の父であり、また同時に抽象化された父なるものである。一方、「月の男」でのそれは、これも抽象化された天皇そのものである。そして、両者に共通するのは「巨大な紫色の背光にかこまれて輝く黄金の菊の花」という実に奇妙な救済イメージだ。

  • メタボン

    ☆☆☆★ 表題作はきわめて難解だった。しかし冒険とも思える文体が大江の転換点として感じられ、見逃すことができない重要な作品であると思った。ムーン・マンは、「悲劇」が滑稽にも感じられる大江らしい作品。こちらは表題作より読みやすかった。

  • ステビア

    超・濃密な大江ワールド。疲れたがいい読書ができた。表題作の閉塞感・ドロドロ感。もう一つの中編「月の男」は最後の陳腐な左翼的メッセージにシラけた。途中までは良かったのだが。

  • ドン•マルロー

    数多の大江文学の中でも非常な重量を持つ作品である。大江文学とは、永遠の繰り返し。繰り返しとは、金太郎飴のごときものではなく、微細な差異の連続であることを、ロブグリエとはちがったかたちで体現した巨匠。

  • 相生

    "純粋天皇"を主題にした中編2作。大江とは「同時代」の人間ではないから、認識にギャップがあるような、あるいはこちらが単に浮かれてるような気がしたのだけれど、そういう時代の人間の理解しえない部分を越えて、特に表題作に込められている物語る力には唸ってしまった。読みづらさ相まって読み止めようとすることがあっても、読み進めてるうちにその世界から抜け出せなくなっている、そういうことが作家には意識的にできることなのか?とか。救済のイメージに憑かれた人間の狂気を描いた、それ故新しい自分を希望させる作品のように思った。

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