予想通り素晴らしい。コッコネンのチェロ協奏曲のアダージョはまさに圧巻の音楽で、底光りするような崇高な暗さが素晴らしい。交響曲第3番、第4番も美しく、厳しい。フィンランドの作曲家ではラウヴァーラが人気だが、コッコネンの音楽には、シベリウスやブルックナーの影響が強い前者にはない、ある種の重さがあり、バッハ的荘厳さを感じさせる。シベリウス以来、フィンランド、否北欧を代表する作曲家である。

先行レヴューで申し訳ないが、これは期待の出来るリリースだ。コッコネンのチェロ協奏曲は、２０世紀に書かれたこのジャンルにおける最高傑作で、BIS盤とFINLANDIAのMeet the Composerのシリーズがあり、どれも素晴らしいが、今回は最新録音ということで、音響的にもさらに期待できる。鶴首して待ちたい。