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谷崎潤一郎スペシャル 2020年 10月 Nhk100分de名著

Masahiko Shimada

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784142231188
ISBN 10 : 4142231189
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

自らの五感を総動員しモダニズムの手法を駆使した『痴人の愛』、伝説・歴史・伝統芸能を通して「母なるもの」への限りなき憧憬を描く『吉野葛』、自ら目を突き愛する者と同じ盲目になることで純度の高い関係に到達する『春琴抄』、厠や障子、金屏風など日本ならではの建築や調度品に現れる美に迫るエッセイ『陰翳礼賛』。谷崎の代表作4作品を読み解くことで見えてくる、谷崎ワールドの豊饒さとは? 人が逃れられない欲望や性的倒錯、愛するものへの妄執といった愚かさをむしろ慈しみ、とことん凝視する姿勢から結晶化した独自の作品群は、海外からも注目されるマスターピースとしていまも燦然と輝く。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ちゃちゃ

    先月の「100分de名著」のお題は谷崎潤一郎。指南役の、作家で法政大学教授の島田雅彦さんによると、谷崎の文筆活動に一貫したものとは、エロティシズムの追求というテーマだとか。しかも非常に興味深かったのは、『源氏物語』以来の「色好み」の伝統を自ら受け継ぎ、人間の抱え込む複雑な欲望や無意識の本能、異常とされる性癖までも含めて、五感を駆使して描き“肯定した”ところに彼の功績があると指摘された点だ。なるほど、隠さず開き直って、貪欲な探究心で独自の美的な世界を追求したのが谷崎文学なのだ。私には少々手強い相手かも…。

  • アキ

    痴人の愛・吉野葛・春琴抄・陰翳礼讃の4つの作品を取り上げているが、島田正彦の解説で、谷崎潤一郎文学の奥の深さと小説の多層性な構造を知った。優れた文学評論は、小説の内容と共に、著者が何を思ってその小説を書いたか、またその時代と著者との関係を詳らかにするもうひとつの世界を読者である私に開いてくれる。特に「陰翳礼讃」を、モダニズムを経験した谷崎が岡倉天心の「茶の本」のように、外国から見た日本という視点で書くことで、現代においても建築学の参考書になっているとは、とても腑に落ちる見方である。谷崎の頭の良さを感じる。

  • えみ

    人生と功績を知れば知るほど、この人のためにあるような“ことわざ”だと思う。「事実は小説より奇なり」。小説に人生を埋め込んだような谷崎潤一郎という精神。一貫して追求した破調を好む性癖。繊細でありながら大胆な流暢優美のエロティシズムを麗筆する彼は紛れもなく魅せ方を知っている小説家だ。14、15歳の頃に「痴人の愛」を読んだときは「大人の色気」に気後れして見てはいけない領域を覗き見してしまったような親にも読んだことを内緒だ。と隠していたのを思い出した。紹介されていた4作品の中で未読了の「陰翳礼讃」、是非読みたい。

  • しゅてふぁん

    少女を育てる物語『痴人の愛』、母恋いがテーマの『吉野葛』、芸の道を究めんとする師弟のSM関係を書いた『春琴抄』、年老いた男の性的倒錯をモチーフにした『鍵』『瘋癲老人日記』…さすが谷崎、変態性が光ってます(笑)人間の欲望とは突き詰めていくとこんなに凄まじいものなのかと感心する。欲望のままに突き進む主人公たちは本当に生き生きとしていて読んでいて楽しい。『細雪』や『源氏物語』ではとても雅な世界が書かれているだけにそのギャップが凄まじい。日本人の感性について論じた『陰翳礼讃』は初めて読んだけどとても良かった。

  • ころこ

    島田はもう作家としては評価していないが、読解は優れていると思う。谷崎はほとんど読んだことがなく、前提となる知識もなかったが、面白く読めた。このシリーズは時として真面目くさって道徳的に善的な方向に読者を誘導することがある。本書は4回で4作を扱っていて、話の継続性をずっと意識する必要もなく、襟を正して読む必要もない。谷崎の真骨頂は無思想性にあるというのが本書の要点だ。しかし、その裏付けとなる思想性を当の日本人は自然と考えていて、外国人から指摘されて初めて気付く、という歪みのあるのが無思想性の正体のようなのだ。

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